一話 〜何かの動物じゃないの?〜
ー入学式ー
…今日の天気は午後から雨らしい。
ま、その頃には家に帰っているだろうから関係ないけど。
でも、晴れではなかったことはいいことだと思う。
…晴れは好きじゃない。眩しくて目が開けにくいし、眠くなってしまう。
なんて考えながらも今日から通うことになるここ、三谷高校一年三組の窓側一番後ろで茅野芽好は友達作りに励みもせずただただ空を見上げていた。
…どうせ高校も中学と変わらない。
「どうも〜。おはよう!かな」
前の席らしい。残念ながら友達を作る気は全くないけれど。
「…えっと、わたしっ小崎江美。前の席だから!よろしくねっ」
短髪の彼女はこちらに笑顔を向けて返事を待っている。別に話す理由もないけど、しつこそうな気がしたから一応返事をしておく。
「友達…作る気……ない」
よく“喋るのが遅い”付け加えて“むかつく”と言われるけど、まぁしょうがない。喋るのって疲れるし…
「別に友達って、積極的に作っていってもいいと思うけど、わたしもいつもいつの間にか友達になってることが多いかな!」
どうやら、まだ会話を続けようとしているみたいだ。それに違う意味で伝わってないか。
「どこ中から来たの?わたしはね…」
それからは一回返事したし話が長くなりそうだから無視した。
とゆうかヘッドホンしているのに話しかけてきて返事をすると思ったのかな。
まぁしばらくしたらどこかへ行くだろう。ほっとこ。
しばらくして体育館へ移動した。その時でも彼女はまだ話していた。
入学式も終わり、今日はもう解散。
確か今日はある漫画の発売日だったから…本屋に寄って家へ帰ることにしよう。
駅から家の間にデパートがあるのでデパートの中の本屋に行った。
目的の本はすぐに見つかり、さっさと買って帰ることにする。
「ありがとうございました〜。」
では、家へ…
「うぅっ」
急にギィィっと嫌な音がした。
激しい頭痛に思わずしゃがみこみ耳を塞ぐ。
最近知ったのだが、どうやら自分は普通ではないらしく、人には聞こえないものが聴こえるらしい。
この耳鳴りみたいなのも耳を塞げば楽になるので何かの音なんだと思う。
何の音に反応しているのかはわからないけど。
医者にもわからなかったからわかるわけないか…
「きゅぅ?」
……
「きゅぅ!」「きゅぅきゅぅ!」「きゅきゅう!」
見たことも無い白い生物が4、5匹こちらを見ていた。
気のせいか目がとてもキラキラしている気がする。
「きゅぅーん!」
飛びついてきたぁ!?
「ひっ」
思わず耳から手が離れ
ギィィィ
「うっ」
次はしっかりヘッドフォンを付けた。
この子たちはなんなのかわからないけど…
「迷…惑……じゃ…まっ」
「キウ!?……きゅぅ…」
どうやら言葉がわかるらしく、素直にどいて距離を置いてくれた。
「きゅぅ?」
すごくうるうるした目で見られてる…
「え…?…おなか…すいた………?」
「ぎゅぅ?(何でそうなるの?)」
何も持ってないけど、どうしよう…
「あ、いた〜!やっと見つけた!」
三メートルくらい離れたところに一人の女子高生が立っていた。
あの人は…たしか
「捕まえた!5匹捕獲!」
そう言いながら一瞬で目の前まで来た。
…って、はやっ。
五匹の謎の生物を抱き抱える彼女と目が合う。
「「………」」
「てあぁ!!ひ、人がいた!しまった、どうしよう…って芽好ちゃん!」
不思議な驚き方をして五匹全部を放していた。
「あぁ!!また、振り出しかぁ」
にしてもやっぱりこの動物?は何なんだろう。見たことない…
両手サイズくらいに小さくて白くて丸い…毛玉?
「かわ…いぃ…」
「え!?芽好ちゃん、この子が見えるの?」
小崎さんが顔を覗き込んで言った。
見えるかって、見えるけど…
頷いてみる。
あから様に驚きましたって顔をされる。
新種の動物か何かじゃないのかな?
初めまして。
きっと誤字が多いかと思います。確認はしていますがすみません。
“笑顔になるほのぼのストーリー”と書きましたが出来るかどうか…
精一杯頑張ります!
よろしくお願いします。






