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過去

遅れてすいません。


後、今週は投稿できません。今週はテストがあるので。どうか、ご了承ください。


では、どうぞ。

神将達の城はその人の性格と個性が出ている。このアルクスのザラキア城も、アルクスが考えに考えた城の配置になっている。この城は攻めるのがまず、大変だ。この城は隣に湖があるからだ。城自体は少し高い場所にあるだけで攻めにくいことはない。だが、隣に大きな湖があると話が変わってくる。これが川だったらまだ、良いのだが。籠城戦や兵糧攻めにあっても、湖から水は得られるし、食料も城が大きいため、城の中で作っている。その為、心配はない。この城の特徴はまず、広い敷地を有していることにある。この中は迷路屋敷のような道になっていて、入ってきた者達を迷わせる。更に、敷地が広いことで食料を騎士達が自力で作っている。もう1つが隠し通路だ。これがあるだけで逃げるときも攻めるときも有利になるなどの様々な利点がこの城にある。これも全て攻め落とされず、勝つための戦略の1つだ。


「渋いな…これはないわ…」


「ダサ過ぎでしょ。もっと、工夫すれば良いのに。」


「あの…どうしてこんな灰色なんかに…」


「ああ。これは城を出来る限り目立たせないため。この城、敷地も広いし、でかいから敵からは分かりやすいんだよ。だから、それを出来る限り無くすために色を渋くして誤魔化す為にだよ。」


そう。この城は俺の自信作ではあるが、予定よりも大きくなってしまった。それがこの城の大きな弱点の1つである。城の位置が何処から見ても分かること。それが、敵に隙を与えてしまう。それが利点でもあるが。作ってしまったものをとやかく言えない。


「それにしても、でかい。」


「中は十分な物がある筈だ。それは心配しなくても大丈夫。」


「騎士達も頑張ってるな。皆、強い。」


「それは有りがたい誉め言葉だ。俺はどんな時でも焦らず冷静に対処出来る強い騎士団にしたいと思っているんだ。だから、これからも努力してもらわないと困る。」


「良く、考えているんだな。」


「これでも団長だからな。それぐらいは考えないといけないだろ。この騎士団をどう育てるかは俺や副団長に掛かっているんだからな。分かってるな?ソフィア。」


「あ、はい。分かっていますよ。団長こそ、ちゃんとした生活を送ってください。」


「ヘイヘイ。お前は全然自覚が足りていないみたいだな。」


ソフィアは俺にとっては心配の種の1つである。これは真面目な話だからな。ソフィアや若い騎士達は戦争経験がない。その為、多くの殺戮が繰り返される場所で冷静に行動出来るかは分からない。彼等にとっては平和がこの5年間当たり前であったのだ。仕方がないと言っては元も子もないが。その為、平和慣れしている伏しが見付けられる。これが仇とならなければ良いのだが。


「取り合えず、疲れただろ。休め。明後日には此処を出発するからな。勇者達も、部屋を用意してあるからそこで休んでくれ。」


「少しは気が利くじゃねえか。」


「そうね。少し、見直したわ。」


「ありがとよ。」


「さっきのフクロウに着けたで手紙に書いておいたのか?」


「そうだ。ここはフクロウや鳩などを使って手紙を交換することが多い。特に重要機密は人と鳥を両方使う。」


「そうなのか。また、勉強になった。」


「それなら、良かったよ。」


手紙を交換する時に使われるものは先程言ったが、鳥が多い。後は人を使う。大体が鳥であるが、重要機密になると両方を用いる。これはどちらかが、失敗しても良いようにするための方法である。これが使われるようになったのは相当昔らしい。これは便利で扱いやすいため、どの国でも使われている方法だ。


「取り合えず、部屋はソフィアが紹介するから。俺は仕事があるからこれで。」


俺は自室に戻るために足を進める。だが、めんどいことが増えた。勝利の後は王都に行かなければいけないし。やってられない。のんびりとする時間はないのか?全く。更に、姫に会いに行かなければならないのはキツい。俺とは5年も会っていない。絶対怒ってるよな。仕事が忙しかったんだから許して欲しいところだけど、そう簡単にはいかないんだろうな。はぁ…


俺が部屋に入ると、もう一人の副団長のジンが居た。何やら、彼も疲れているような表情をしている。


「だ、団長。お疲れさまでした。勇者達の部屋は決めて、その後の段取りも一応、済ませてあります。」


「ああ。ありがとう。流石だな。勇者達のことだが、戦争が始まるまではゆっくりとさせといて良い。だが、此処のけじめだけはつけさせろ。」


「はい。団長、疲れているように見えますが、第2皇女様ですか?」


「鋭いな。まあ、ジンは俺の後釜だからな、当然だが。戦争の勝利の報告に王都に向かうだろ。そんときに会いに来いとよ。」


「良いじゃないですか。会うのは5年ぶりなんですよね?いつもの団長のように会いに行けば。」


「ジン、お前は姫のことを知らないからそんなことが言えるんだぞ。」


「はい。その通りです。」


はぁ…俺は溜め息を吐く。その間にジンはそれの部屋から消えていた。用事が終わったからだと思うが。俺は何時から間違えたのだろう。


俺は幼かった頃に一度、1人修行に出た。その頃は丁度、7歳の頃だったと思う。当時の蒼炎騎士団の皆に何も言わず。一年間、のらりくらりと旅をした。旅の目的は龍に出会うこと。その龍は漆黒の黒に染まっていた。龍は町を荒らし、食い物を取り、虐殺を繰り返した。人々はその龍を恐れ、悪龍とも、邪龍とも、黒龍とも、色々な呼び名で龍を呼んだ。龍を殺すと得られると言われた力を手にするため俺は探し続けた。そして、見つけた。目を見た瞬間探してはいけなかった存在ではないかと俺が思ってしまうほどの威圧と殺気を向けてきた。龍殺しの伝説。伝説では龍殺しとなった者は超人的な肉体と運動能力を手に入れ、呪いの力と呼ばれる者を使えるようになり、呪いの攻撃を受け止める防御壁も使えるという。人外と言われてもおかしくない肉体。それは龍と変わらない。運動能力も龍と同等の物を得られる。龍殺しが得ることの出来る一番貴重な物は龍の記憶、知能だ。更に、龍殺しとなった者は不老不死になると言う。一生生きるのだ。知り合いが全員死んでも、1人寂しく生きるのだ。それが決まっている。不老不死はその人間の一番身体の成長が頂点に達したところで身体の成長が止まる。不老不死の成長が止まると言われるのが、18歳から20歳の間だそうだ。


俺は死にそうになりながら龍殺しとなったのだ。龍を殺したのだ。呪いの力を使う悪魔のような存在を。俺は倒した後、全てを得たと思う一方、全てを失った気がした。誰もいない世界で一生生きていくのかと思うと寂しい気もした。だが、もう遅い。強くなるために必要と思ったから行ったのだ。


それからも俺は魔物と呼ばれる化物達を殺していった。魔物の中でも最強と呼ばれる龍を殺し、伝説の獅子を殺し、伝説の蛇を殺し、伝説級の化物を殺し尽くした。俺の肉体はどんどん強度が上がっていった。龍を殺したお陰で肉体の強度の成長が早くなった。更に、適応能力が高くなった。それは人と言えない程に。その頃の俺は何をしたかったのか。今でも分からない。伝説の存在になりたかったのだろうか?それとも、強くなるためにただ、やりたかったのか?全く、分からない。今はどうかしていたと思うときもあるが、決して、悪いことではなかった。今を思えば。


「はぁ…めんどくさい。適応能力があっても、この多い書類を読み、判子を押すのはめんどくさいとしか言いようがない。たかが、1日、2日空けただけでこんな量になるのかな?全く分からない。」


俺の目の前にある大量の書類。何故、こんなに増えるのか分からない。そんなに何か起きたのか?訳が分からん。幾らなんでも多すぎる。はぁ…俺が何をしたと言うのだ。俺はのんびりと生活していただけだぞ。なんだこの仕打ちは。そこまですることを俺はしたのか?マジでやってられない。勇者もいるし、ソフィアもいるし、最後には姫様と来た。俺の不幸は何処まで行くのやら。


「外にでも出るか。書類なんて帰ってからでも出来るし。剣も使いたいし。」


俺は部屋の窓から飛び降りる。高さ的に言えば、高い方だろう。だが、幼い頃からこれぐらいの高さから降りていたので簡単に出来る。慣れとは本当に凄いものだと俺は思っている。丁度、窓から飛び降りると下は庭になっていて、鍛練するには良い場所だ。此処は俺のお気に入りの場所でもある。向こう側が湖がある性か、静かなのだ。俺の密かな安らぎの場所でもある。


「久し振りに愛剣でも触るか。はぁ…掘るのめんどいな…まあ、彼奴らのためだ。やるしかないか。」


俺は庭にあるでかい木の下に行き、掘り始める。数分すると、木箱が出てくる。黒く塗り潰された木箱。中を開けると2本の剣が入っていた。大森やガルシアと戦うときに使った剣と全然違う。まるで、生きているような剣。切れ味が良さそうで漆黒に染まった2本の剣。人々はこの生きたような剣を魔剣と言う。魔剣は誰でも扱えるものではない。剣に選ばれた者しかちゃんと使えないと言われている。素材も金属の中でも最上級の物や伝説の化物から得られる骨や鱗などからしか作ることの出来ない剣。魔剣はこの世界では少ない。また、その持ち主に選ばれた者はもっと少ない。それを2本も認めさせ、持ち主になっている俺は自分で言うのもなんだが凄いと思う。魔剣はそれぐらい希少で貴重な物なんだ。


「だが、こいつらに触るのも久し振りだな。マジで。やっぱり、こいつらじゃないとしっくり来ないわ。」


魔剣は斬れば斬るほど、切れ味が良くなる。魔剣は摩訶不思議な力を持っている。人や国はそれを呪いとか、妖術とか、様々な呼び方で呼ぶ。それを使う者達を呪い使いや妖術使いと言う。魔剣を使う者達も、魔剣使いと言われている。魔剣を使える者達は何処の国でも発言力が強い。理由は誰もが敵に回したくないからだ。敵に回せば、その国は終わる。勝つことは出来ない。


「取り合えず、振るか。」


俺は2本の魔剣を使い、目を瞑り素振りをする。精神訓練とか言われる物に近い。目を瞑り、敵を頭の中で作り、攻撃を予想して、それを交わし、剣を振る。俺が騎士を目指してから欠かさずやっていることだ。誰もが出来ることではあるが、それを何処まで自分に甘くならず出来るかが、これをやる意味で変わってくることだ。力を求める余り、自分の力に過信したり、敵の攻撃の予想を甘くして楽したりすると結果は出ない。それがこの訓練だ。まあ、強い奴はこれぐらい出来て当たり前だが。



如何でしたでしょうか?


それではまた。

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