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戦地へ

更新を再開します。


それではどうぞ。

早朝の城門に2000人ぐらいの人数の騎士たちが立っている。今から戦地に赴く。皆の顔を見てみると全体的に若い。戦争というものを経験していない者たちが多い。そのためか、少し緊張している伏が見受けられる。戦争を経験したことのない者にとっては凄く緊張する場所だろう。何時何処で何が起こるか分からないのだから、それは緊張する。だが、その緊張に勝てなければ強い騎士になることは出来ない。戦争では人を殺す。それに耐えることが出来なくては強い騎士になることは出来ない。アルクスにとってはこの経験を糧にして頑張ってもらいたいと思っている。


騎士たちとは違い、勇者たちは約2名は目を輝かせてワクワクドキドキといった表情になっている。早く行きたい。早くやってみたいといった感じだ。緊張感がまるでない。自分が死ぬリスクを考えていないことは見ていれば、すぐに分かる。そういう人間が大抵、本番で全然動けない奴らなのだろうとアルクスは溜め息を吐く。


「お前たち、今回は今までとは違う戦争だ。そこら辺の盗賊や犯罪者を相手にする訳じゃない。人を何人も、何十人も殺すことになるだろう。だが、怯えるな。強い意思を持て、俺はお前たちを弱い精神力を持った騎士に育てた覚えはない。お前たちなら、やれる。そして、絶対帰ってこい。死ぬなよ。」


「「「「「おお!」」」」」


「様になってる…まるで、団長じゃないみたい…」


「ソフィア、失礼なことを言うな。言っとくけど、お前もだからな。ちゃんと覚悟しろよ。」


「分かってます。」


「ホントかよ…」


アルクスの言葉で騎士団の指揮は上がる。今まで、緊張していた者たちの顔色が良くなった。ソフィアはこれが団長の力なのかと思い知るかのように感心する。自分が凄い失礼なことを考えている自覚無しに。騎士たちは歩み出した。


「ねえねえ、戦争って、いったいどんな感じなのかな?」


「ドラマとかみたいな感じなんじゃね。それか、ゲームみたいな感じか。」


「2人とも緊張感が足りないよ。少しは真面目に…」


「だってよ。俺達、勇者だぜ。俺達が負けるわけないだろ。荒木は心配し過ぎなんだって。」


「そうそう、実紗は考えすぎだよ。」


「う、うん…」


勇者たちは相変わらずの自信満々ではしゃいでいる。彼らには死というものがどんなものなのか、人を殺すということがどれだけ恐ろしいことなのか、分かっていないのだろう。だから、自覚がない。緊張感がない。楽しく遠足にでも行くかのようなノリで足を進めながら話している。その中で心配しているのは荒木だ。冷静なのは大森だろう。荒木は金井、楠の2人を心配している。大森は何も喋ることなく歩いている。


「秀も、そう思うよな?」


「お前たち、少しは緊張感を持てよ。これはゲームの世界じゃないんだぞ。現実に起きてることだ。1つ間違えれば、生死を争う話なんだからな。死にたくなければ、大人しくアルクスに従っとけ。」


「秀、お前まで。俺達は絶対的な力を手に入れたんだぞ。それにキツい特訓もした。そんな俺達が負けるわけないだろ。」


「それが甘いと言ってるんだよ。俺達が訓練を受けたのは経った少しの期間だ。だが、これから戦う相手は十年、二十年何十年も鍛えてきた人間たちだ。たまたま得た能力と少し鍛えただけで勝てるような相手ではないんだよ。お前はそれを分かってその台詞を言っているんだよな。」


「秀までもが、どうしたって言うんだよ。何かおかしいか?俺は最強になれる力を手に入れたんだ。勝つことなんて当たり前だろ。何を今更言っているんだよ。」


「2人とも止めてよ…こんなところで喧嘩しちゃ駄目だよ。」


「「ごめん。/悪い。」」


アルクスは溜め息を吐く。姫の命令は絶対だ。だから、知って貰わなければならない。死の恐怖というものを。勇者たちは仲が良いと思う。だが、それじゃこれから活躍できない。仲が良いのは別にどうでも良いが、死というものを知って貰わなければ、これから戦えない。恐怖で剣を振ることさえ出来ない。剣を持って数ヶ月。対した進歩だ。しかし、それだけじゃ本当の強者、最強の存在たちには敵わない。勝つことが出来ない。勇者たちには神将と同等以上の存在になって貰いたいとこの国は思っている。そのためには何もかも強くなって貰う必要がある。精神、肉体、剣技など、全てに置いて強くなって貰うことが大切だ。これがために可哀想だが、今回は仕方がない。


「ソフィア、お前も覚悟出来てるよな?」


「はい。勿論です。」


「今回が初陣のお前だ。緊張はしていると思う。だがな、言いたいことがある。罪悪感を覚えるな。そして、功を焦るな。決して、戦いの中で人を何人でも何十人でも殺しても罪悪感を覚えるな。それがそいつの運命だったと思え。殺したことに恐怖するなよ。分かっていると思うが、お前は騎士だ。人を殺すことも仕事の内だ。後、功を焦って死ぬなよ。功績なんてものは初陣で狙うものじゃねえ。そんなの後から幾らでも取れるチャンスはある。分かったな?」


「は、はい。」


「は、はい。団長の言われたことを必ず守ります。私は必ず生きて帰ってきます。」


ソフィアは頷くが、何時もと違うアルクスに違和感を感じる。何時もはだらだらしてめんどくさいことはしないアルクスがここまで言ったことにソフィアは驚きを隠せない。だが、これは分からなくもないことだ。何時ものアルクスからは想像も出来ないような光景なのだから。違和感を覚えたり、困惑するのも頷ける。



「お前たち、歩きながら聞いてくれ。今回の戦争が初陣の奴は多いと思う。人を殺すことが初めてな者たちが多いだろう。だが、人を殺すことを恐れるな。恐怖するな。それが殺した奴の運命だと思え。怯えたり、逃げたりするなよ。そんな風に育てた覚えはないからな。」


「「「「「はい。」」」」」


「後、功を焦るな。功績なんてものは初陣で取る必要はない。後の戦いで必ず功績を残せるチャンスがやって来る。功績を取ることばっか考えて、死ぬなよ。お前たちは俺の灰炎騎士団の騎士だ。絶対生きて帰ってこい。分かったな?」


「「「「「はい。」」」」」


「よし、進むぞ。」


騎士たちの歩みは早くなる。アルクスとジンが育て上げた騎士団だ。強い。だが、これだけ強くても大事なところで冷静沈着に対応出来なければ意味がない。肉体的に強くても、精神的に弱ければ、負けることは有り得る。策を使われたら、すぐに壊滅してしまう。壊滅した組織を立て直すのは凄く困難だ。だからこそ、アルクスとジンは冷静沈着な対応を出来るように育ててきた。それが今、試される時だ。


「ジン、どうだろう?今回はこれで良いがこれからの戦いの時にこいつら、やっていけるだろうか?」


「それはこいつら次第でしょうね。後は俺達の育て方次第かと。」


「そうだな。今回はこれからの育て方を見るためにも良い機会かも知れないですね。今回の戦争でこいつらの欠点が分かりますから。」


「そうだな。だが、特に女騎士たちが俺には危うくて危険な気がするんだが。」


「そのときは助ければ良いでしょう。まずはやってみなければ、分かりませんよ。」


「そうだな。」


灰炎騎士団に所属する2割が女騎士だ。女騎士はどうしても男騎士より劣るイメージがある。それを他の特技で補うのだが、大体の女騎士は剣捌きが早い。剣の早さで相手の一撃よりも早く剣を振る。これが女騎士がよく用いる戦闘スタイルだ。早さには欠点もある。早さだけを重視すると、攻撃に力がなくて通じなかったり、剣で防がれた時の対処法が少ないことなど様々ある。それの欠点を突かれた時に女騎士が危ういかもしれないのだ。


副団長であるソフィアの場合は早さを重視したレイピアと言われる剣を使っている。これを使うことによりソフィアの場合は剣の速度を一段と早くしている。ソフィアは高速の剣技が持ち味なのでレイピアとの相性は良い。レイピアを使うことで自分の持ち味をより引き出している。


だが、女騎士が力勝負に行くと勝つのは極めて難しい。勿論、女同士なら、分からない。だが、男騎士との勝負だと極めて歩が悪い。力で勝負する者には大剣が相性が良い。どれだけ、大剣を使い、力勝負をしても体格が良くなければ男騎士に勝つことは難しいだろう。


女騎士は弓を使い、後援をすることも多い。女でも簡単に使うことが出来る弓は人気がある。弓は戦略的にも必要な攻撃手段なため、作戦に良く用いられる。そのため、弓使いは重要視される。


今回の戦争では剣も、槍も、弓も、策略も全てが必要になってくるだろう。戦争相手が弱ったザリア帝国でも関係ない。

如何でしたでしょうか?


それではまた。

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