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困ってるんです

作者: くろも

落ちはご推察の通りです。

私、困ってるの。


4月に異動したのね。

そしたらその部署にいた1歳下の、鈴木くんが私のこと好きみたいなんだよね。

 

鈴木くんは、もてるの。

顔は可愛い系。

でも、自分では認めたくないらしくって、頑張って可愛くないように見せようとしてるの。

そんなところも可愛いわよね!!


だから、おばさん受けがすっごい良いんだよね。

それなのに、私の仕事を頑張って手伝ってくれちゃったりするから、おばさん達からの圧力が私にかかる…。

おばさんは相手にされてないってことに気づけ!!


もちろんおばさんだけじゃない。

鈴木くんとタメの樋野ちゃんなんかは、鈴木くんに相手にしてもらえないからって、私に仕事をがんがん持ってくるのよね。

自分の仕事は自分でやってほしいわ!!


部署で飲みに行ったときなんか酷かった。

樋野ちゃんとおばさんで鈴木くんの周りを固めちゃって、鈴木くんは困り顔。

私の隣にはおじさんばっかり。

鈴木くんは、私の近くに来て携帯の番号を聞こうと、頑張ってたみたい。

だけど樋野ちゃんに邪魔されちゃったみたい。

ヘタレよね(笑)


でも、仕事場での女性関係って大事でしょ?

だから、樋野ちゃんを合コンに誘ってあげたの。

そしたらね、合コンに行こうとして職場を出るときに、鈴木くんったら泣きそうな顔で私を見てくるのよ。

可愛いわよね~。


これだけ慕われると、嫌な気はしないじゃない?

だからね、待ってあげてたの。

同じ部署じゃ告白もしにくいじゃない?

だから異動が決まったらいくらヘタレでも言うだろう、と思って待ってあげたの。



3月31日。鈴木くんは他部署に異動が決まり、同じフロアーで働くのは最後の日。

私は、鈴木くんの異動が決まってからは、そわそわしっぱなしだったわ。

だって、鈴木くんもそわそわして私を見てくるんだもの。


就業時間終了のチャイムが鳴り終わったとき、係長が「鈴木くんからみんなに報告がある。」って言われたの。

まさか!!って思ったわ、みんなの前での告白なんて困るわ。

またおばさんいじめられちゃうし、樋野ちゃんも仕事をしなくなっちゃうじゃない。


鈴木くんは緊張した顔で立ちあがって、「私事でお時間とらせてすみません。」って。

もう!!本当私事よね。

職場で告白なんてありえないわ!!

でも、受け入れてあげる。

だって、職場で恥をかかすなんてかわいそうだものね。

さぁ、頑張って!!


「皆さん、ご存じの方もいるかもしれませんが…。」

そりゃあ、そうよ!!だって鈴木くんあからさまに私狙いなんだもの。

みんな知ってるんだから、早くしてよ!!





「樋野さんと、6月に結婚することになりました。」

 

  

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― 新着の感想 ―
[一言] すっごいウケました笑!!! いや〜! 結局この人も「おばさん」の1人なんですよね?笑 違ったらごめんなさい… あっさりしてましたが すごく面白かったです(・v・)。
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