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第二話『魔王様は子供好き??』(コメディーパート

第二話『魔王様は子供好き??』





「今季アニメは豊作豊作♪♪」


 今日も元気に頭の中お花畑な魔王。

 今にもスキップを始めそうなほどご機嫌な魔王は、その溢れんばかりの喜びを誰かと分かち合いたいのか、王室の扉を開けた。


 姫に妹。中ボスに親父。意外と集まっているメンツに少し驚くが、特に気に留めず。

 皆、部屋の真ん中でたむろしており、特に何か見える訳では無いが、皆の中心から不思議な声が聞こえているので、それがなんなのかと思い魔王は忍び足で近寄る。



「……どれどれ」


 ある程度の距離まで近寄ると、一同は中ボスが抱えている何かに注目しているのが窺えた。

 首を出し、それを確認すると、魔王は腰を抜かすように驚き、叫んだ。

 

「中ボス! それは誰の子供だ!」


 魔王が見た物。それは赤ん坊。人族の子か魔族の子かはイマイチ判断が付かないが、どちらにしてもこの城にいる事自体が不思議である事には変わりはなかった。

 驚く魔王に妹は怪しく笑い「これはねえ?」っと少し溜め、説明する。


「中ボスのやおい穴から生まれたおにいと中ボスの子供よ!」

「……最悪だぁぁぁぁぁ――ってのは冗談だとして。それでなんだその赤ん坊は?」


 ツッコミ終了とばかりに、魔王は何事も無かったかのように立ち上がると、誰かちゃんと説明してくれる者は居ないかと視線を巡らせた。


「まー君と僕の子供」

「はいはい分かった分かった。誰かマジで教えてくれよ」

「姫とおにいの子供」

「そうか、あの時のが一発で当たったか……」

「ちょっと変な誤解を招くような事言わないでよ! ゴホン――この事今日だけ預かる事になった魔王城の調理師の赤ちゃんよ。確かクック佐藤って言ったかしら?」


 魔王をぶっ飛ばそうと握りこぶしを握るも、赤子の目の前ということもあってか、鉄拳制裁は無かった。


「ふーん。おっなんか泣き出したぞ。姫、おっぱいを飲ませてやれ。ついでに俺様の分も頼む」

「じゃあ赤ちゃんは左で、アンタが右で――って本気でぶっ殺すわよ?!!」


 最近姫のツッコミスキルが上がってきたのは俺様のせいかな?

 などと要らぬ事を考えつつ、中ボスはミルクの準備の為に魔王に赤子を託し、王室を後にした。



 これどうしよう――と言いたげに赤子と皆を交互に見つめる魔王。

 だが、魔王自身も赤子の世話が初めてという訳でもないので、とりあえずあやしつつ話しを続ける。


「中ボスがミルクを作りに行ったら泣き止んだな。随分と聞き分けのいいヤツだ」

「パパもまー君のお乳飲みたいな」

「そんなの出るはずないだろうに……」と魔王。

『えっ出ないの!?』 一同


「え゛ッ!? 出る本気で思ってるの!?」


 逆に驚きだわ~っと一同が驚いて見せるが、魔王の方が狼狽振りは半端無かった。


「いや……ホントに出るか……? ちょっとやってみるか!」


 魔王はそう言うと、ジャージを脱ぐと、Tシャツ姿になりそれを捲ろうとするが、姫が鬼のような形相で見つめていたので、中断。

 赤ん坊が魔王の手元に無かったらぶっ飛ばされていただろう。


「アンタのその時々に見せるアクティブさは何なのよ! 出るはずないでしょ!」

「おお怖い怖い。そうだあれ確認しておこう」

「確認っておにい何を?」


 妹の言葉に答える事無く、魔王は手早く赤ん坊のおむつに手を掛けると、その中身を確認しだした。

「……――ハッ!? 姫大変だ!! こいつチ○コ無い――ブァッハッ」

「いきなり何しんてのよ!!」


「いや~姫と同じでレディーだったとはこれは失礼した……だがまず性別の確認が大切だと思ってな」

「おにいが酷いロリペド野郎だって事が今ここに確定したわね」

「まー君の周りって幼い子ばっかりだよね。妹ちゃんは幼児体型だし、姫ちゃんは……あっうんなんでもないから睨まないで……」


「まあいい、それよりもこの子の名前って何なんだ?」

「そう言えば私もそれ聞いてないわね」

「中ボスが知ってるんじゃない」と妹。


「バァーバァ」

「おい姫。呼ばれてるぞ。ババアだってよ」

「ぶっ飛ばすわよ!」

「あうあう」

「セフセフ!!! 姫見てみろこの子! 審判の才能があるぞ!! 一体何を判別しているのだろうな?」

「アンタが生きる価値があるかどうかの判別じゃない?」

「まー君は僕の為に生きればいいと思うよ」

「おにいって将来、自分の子供が出来たら絶対親馬鹿になるわね」


 うんうんっと頷く三人をよそに、魔王は楽しそうに赤ん坊と話し続けていた。


「バブー」

「炭酸?」

「バブー」

「ぶっはははは、やばいコイツと俺様でコントできそうだわ~」

「あ……だんだん頭痛くなってきたわ……」

「おにい、凄い楽しそうね」

「あうー」

「おっこいつ可愛いな、俺様の指をにぎにぎしてやがる」

「そのまま折られちゃえばいいのに」

「あ? なんか言ったか姫?」

「何でもない」

「コイツなんでも握るな……閃いた!」


「通報するわよおにい」

「……あっ、もしもし警察ですか?」

「もうしてるぅぅぅぅぅうううう!!??!?!?」

「魔王様達は一体何をしてるんですか?」



 馬鹿なコントをしている姫達の元へ戻ってきた中ボスは、呆れ顔でミルクを魔王に渡すとそう言った。


「哺乳瓶片手にエプロン姿の中ボス。なんか新しいジャンルが開拓できそうだわ――じゅるり」

「…………」


 一歩後ずさる中ボスだったが、元祖・魔王が「この子の名前は?」と聞かれた事によりその足も止まる。


「セガールです」

『は?』


 中ボスと当の本人である赤ん坊を除いた、この王室にいるメンバー全員が呆けるように赤ん坊と中ボスを交互に見比べ、魔王も「ほんと?」と言いながら赤ん坊に指を指すが、冗談では無いのか中ボスはただ「はい」と答えた。


「懐かしいな、僕のところに来た時はまだまー君もこれくらい小さかったんだからね」

「俺様は一寸法師か何かかな?」


 元祖・魔王が5センチくらいを指で表すと、魔王は冷ややかな目でそうツッコんだ。

 魔王も魔王で、慣れた手つきで赤ん坊にミルクを飲ませ、忘れる事無くゲップをさせ。何事も無かったかのようにベビーベッドへと寝かせた。


「アンタ本当に慣れてるのね、正直引くわ」

「おにい含め、私や中ボス。果ては小ボスだって赤ん坊のお守りは可能よ?」

「えっ? どういう事?」

「最盛期の魔王城には女性の兵士達や、多くのお手伝いさん達がいましたが、あまりに子持ちの方が多かったので、その為だけにベビーシッターを雇っていたのですが、あまりに数の変動が激しく、急遽対応できない時は私や魔王様。妹君や小ボスも手伝いに駆り出された時も多かったのです」


「普通に考えて、アンタ達を子供のお守りで使うよりは、多少余分でも多めにベビーシッター雇った方が良くない? アンタ達の代わりなんてそう居ないでしょうが、子供のお守りを代われる人は居るでしょ?」

「はは、姫ちゃん。まー君達はね、子供が大好きなんだよ。だからそう言う理由が無いと中々子どもと触れ合う機会は無いからね、まー君が小学生だった時の将来の夢は、保育士だったくらいの子供好きだよ。そして現にまー君は、しっかりと資格すら取ってるくらいだから、魔王引退後はそっち方面の仕事に付こうと今でも思っている始末だよ、はははは」

「クソ親父、そんな恥ずかしい事いちいち言うな!」


 このこの――と魔王は元祖・魔王の脛を蹴り続ける。

 そんな間も中ボスと妹は寝息を立てている赤ん坊を見つめていた。


 なるほど、子ども好きなのはホントのようね。


「馬鹿らしくなるほどアンタ達って平和よね」

「姫。子供は良いぞ! なんせ自分の教育の仕方で大きく人生が変わると思うと、何だが人生という時間を使ったシュミュレーションゲームやっているようだ。俺様もプリンセスメーカーで何百人と可愛い娘を立派に育ててきた!」

「育て過ぎよ! アンタがあのゲームをやっている時の計算振りを見ていると恐怖する覚えていたけど、なんか合点が言った気がする……」


「魔族社会は実力競争が激しいですから、親の教育はそれはもう凄いもんですよ。親自身も立派に子供を育てなけれいけないというプレッシャーが酷いもんですから、実際。子供を育てる為の知識を学ぶ学校があるくらいですからね」

「へー、そんなにも魔族の親って厳しいのね。例えばどんな感じで厳しいの?」

「そうですね~。私がまだ家に居た時はでは、分単位でスケジュールを管理されていましたね。それを維持する為のマネージャーのような方が、四六時中付いて回っていたくらいですから」

「友達と遊ぶ時間もなさそうね」


「他の一般家庭はそこまでではないわよ。中ボスの家が特に厳しいのよ。おにいのような≪魔王≫になった主人に仕える為の家だしね。だけどおにいがまだ魔王としての席に着く前から、中ボスっておにいに付いているわよね?」

「それはまあ……魔王様ですし」


 言葉に出し辛そうに中ボスはそういい、姫の方をチラチラと顔を窺う。

 しかし姫は、別段そこらへんは興味がないのか、他の話しを続けた。


「ふーん。魔族も大変ね。私の家も教育に煩かったけどそこまででは無かったし」

「姫はこれでも本当に姫だしな」

「本当にってなによ失礼ね。正真正銘に姫よ」

「自分より強い男を見つける為に家を出た……それにしても姫。最近勇者来ないわね」


 そう言えばそうだったな。姫の魔王城を占領した理由を改めて思い出した魔王。

 最近勇者が来ないとか言っても、現在の魔王城には元祖・魔王である親父が常駐している事を考えると、今は来ない方が正解だな。と魔王は思った。



「おぎゃおぎゃぁ! おぎゃぁっあ!」

「うぉっ!? 泣き出したぞ!? 姫が不細工過ぎて泣き出したぞ!」


 丁度姫が赤ん坊を覗き込んでいたので、これ見よがしに喧嘩を売ってみる魔王。



「誰が不細工よ! これでも舞踏会では引っ切り無しに声が掛かるくらいの美人よ。誰にも話しかけられないアンタなんかにそんなふうに言われたくないわよ!」

「俺様だってオフ会では超人気者だわ! 『デュフフwww魔王殿。先週出たばかりの話題のエロゲ。あれはやったでござるか? 拙者はもうプレイ済みでござるよwwww』ってよく話し掛けられるぞ」

「随分と古き時代(アナログ)なオタクですね……それにしても草が多い」と中ボス。


「アンタの友達ってそんなのばっかりね。それよりも早くこの子を泣き止ましてやりなさいよ!」


「おむつは大丈夫だし、ミルクも問題ない。熱いのか? いやそうでもないな。眠いは違うだろうし、体調が悪い訳でもなさそうだ。やはり姫が不細工である以外に泣く理由は無いな!!」

「ホント、ぶっ飛ばすわよアンタ!!!」


 姫と魔王のやり取りを見て、へそを曲げ泣き叫んでいた赤ん坊が無邪気に笑いだした。


赤ん坊「wwwwww」

一同『!?!?』



 あれは何だったんだろう。筆舌に尽くしがたい笑い方。

 結局その疑問が解けぬまま、赤ん坊は返って来た母親に抱かれ、魔王城を後にした。


オチが弱い。その一言に尽きる……また少し考えて無いようを変更するかも知れません。

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