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第四話『不幸の手紙!?』

なるべくタイトルの前に『新』って付けようと最初思ってたけど、今回何も浮かばなかっただけにあえなく断念。

正直この前の話に関しては事前にある程度形は整えてあったので、ちょっと見直して出すだけだったのですが、この四話目に関しては今日、大急ぎで書いた次第です……はい。

あと、他の作者様の作品は嗜む程度ですが、御拝読させて戴いているのですが、私の作品と比べると、一つ一つの区切りが大変短いので読みやすいです。ですが、私はまだまだ未熟な所為か、何処で切ればいいのか? 分からないと言った状態です……正直、あまりに長くなってしまうと、読み難いのでは? と思って今が、今現在の自分自身の技量と話合った 結果、不可能の三文字が脳内会議で決定致しました。

 


第四話『不幸の手紙!?』 


 バタバタバダバタ

 俺、魔王は今、猛烈にピンチであった。

 この緊急事態をいち早く皆に伝えなければ。

 俺はそう思い廊下を走っていた。

 バーン


「皆! 聞いてくれ! 俺『不幸』になる!」


 …………。


「「はあ?」」

 

 魔王の言葉に姫や小ボスは訝しげな顔を向けた。中ボスはどうやら買い物に行っているようだ。


「まあ大体、想像付くけど、何が起きたのよ?」


 どうやら、まだ皆には『不幸』は訪れていないようだ……良かった。

 そう思い、魔王は席に付いた。


「この城って、何人いるんだ?」


「えーっと。魔王様合わせて、九名です」

「足りない! あと一人足りない!」


「一人足りないってどういう事よ? あんたまずは落ち着きなさいよ。はい深呼吸」


 姫に諭され、大きく息を吸って、ゆっくり吐いた……幾分かマシになったような気がする。


「で、落ち着いた?」

「ああ、大丈夫だ」


 魔王は再び二人に向き直り、先ほど起きた事を伝えた。


 かくかく、しかじか。


「あー、なに。不幸の手紙? それって。○○人にこの手紙を送らなければ不幸になる的な?」


 この女! 何故内容を知ってる!? まさか姫にもこの手紙が既に届いた事が!?


「まさかお前……」

「そう言えば昔流行ったわね」


 !? クッ、思っていた以上に、不幸の手紙による犠牲が多い。

 この負の連鎖はなんとしてもここで食い止めねば…!


「決めた」

「すごい、苦渋の決断。みたいな顔してるけど、そんな覚悟いらないわよ」

「貴様、この俺に十人もの人々を不幸に落としいれろと言うのか!!」


「魔王様、別に不幸の手紙って特に何も起きませんよ? 所詮は迷信ですよ」

「なん……だと?」


「では、俺が朝、ベットから起きた時に足を()ったのは?」

「――ただ、ミネラルが不足気味なだけだと思います」


 ミネラル不足だと! 確かに最近はカロリーメ○トばっかり食べているからな……偏り過ぎだか?


「では、エロゲのキャラが攻略出来ずに、毎回バットエンドなのは?」

「それはただの選択ミスだと思います」


 俺は一度攻略してからじゃないと攻略参考ページは見ない! CG回収のためにやるのは別ね!


「では、体重が増えたのは?」

「単に、自堕落な生活のせいです」


「では……」


 そこで聴き絶えなくなったのか姫は勢いよく席を立ち、呆れながら言った。


「不幸の手紙? ふっ、魔王が不幸の手紙如きで騒がないでよ。

 そんなもので不幸になるだったら、戦争の相手に送りつければそれで勝ちじゃない」


「そうか! この手紙は国王軍の策略だったのか! くっ、何て姑息な手を……」


 姫が魔王を平手で叩くと、スパーンと乾いた音が響いた。


「アンタ馬鹿じゃないの! どうやって理解すればそんな奇想天外(きそうてんがい)な解釈になるのよ!」


「だって『戦争相手に送りつければ勝てる』と言ったのは貴様であろう?」


「――はあ~」


 ……なな、なんだ、あの冷めた目線は? 俺何か悪いことしたか? 

 ――だけど、ゴミを見るような蔑んだ目…… ドキドキしちゃう!



「うっ……まあ……あれだ。手紙の内容はこの際どうでもいい、だが、これを誰が送ったのだ?」


 小ボスが突如、嬉しそうに「そう言えば魔王様」そう言いながら懐に手をやり、一枚の手紙を出した。


「実は、僕の所にも手紙が届いたのですよ」


 ううっ、不幸の手紙のはずなのに、何故か笑顔! その笑顔が眩しい……

 俺は姫の方にも目線を向けると、同じように手紙を机に置き「私もよ」つまらなそうに呟いた。

 これはどういう事だ? 既に身近な人に手紙が届いている……


「それにしても誰がこんな子供じみた悪戯したのかしら?」


 机の上に集まって三枚の手紙を見つめながら姫が言うと、小ボスはおもむろに手紙を持つと


「誰が送ったんでしょうね……住所とか書いてあればいいのですが……、」


 そう言い、小ボスが手紙を裏返すと。

「あっ、書いてある」


「えっ? まさか~さっき見たけどそんな物書いて……あるわ……」


「何よ、ちゃんと確認しなさいよ」


「ごめんごめん、不幸になると言う内容だけで頭いっぱいで、でもお前らだって気が付かなかったんだろ?」


「私はどうせ、あんたの悪戯だろうと思って持ってただけよ」


「でも、魔王様。この住所、魔界からですよ」

 

 小ボスに渡された手紙には確かに、魔界の特有の住所が書かれていた。


「何よ、もしかしてあんたの故郷からの手紙? でも魔界からの不幸の手紙って本当に効果ありそうね……」


「うーん、住所自体は確かに見覚えがあるな。何処だったけ?」


「ちょっと貸して下さい」

「ほい」


 俺は中ボスに手紙を渡すと、中ボスは少し考えると


「あっこれは魔王様の『パパ上』様の住所ですよ」

「そうか、パパ上か……って! 中ボス!? いきなり現れるなよ!」


 買い物袋を片手に持つ中ボスは、いやに家庭的な雰囲気を醸し出していた。


「さっき戻って来たんですよ、帰ってきたら皆様が妙な顔つきで手紙を見てたので気になって近付いて見たんですよ」


 そう言い、中ボスは「さっきポストに私宛で、もう一通」と言い、もう一枚不幸の手紙を机に置いた。


「それにしても何でポストが別々なのよ? 集合住宅じゃあるまいし」


「ああ、それはですね、魔王様が『プライベートは大切だ』と言い、設置したのですが。

 本当は魔王様が頼んだアニメキャラの抱き枕カバーを小ボスによって開封されて、公開恥辱を受けたからですよ」


「ちょ! 違うよ! 姫! 違うから! 

 あれは俺が……その、友達! そう友達に頼まれて俺がアマ○ンで代わりに頼んでやっただけだって!」


 必死に弁解するも、姫からの冷ややかな視線が突き刺さる。

 我ながら中学生の男の子みたいな言い訳だと思う。


「魔王様、中ボスと僕以外に友達居たんですね!」


 純粋に喜んでくれているのか、それとも全て分かった上での嫌味なのか、真意の程は分からないが、今は小ボスの言葉が、唯唯痛い……


「ふーん、友達ねえ~。まあいいけど、あんたの部屋って抱き枕何て置いてあったっけ?」


「ああ、その事か、カバーは丁寧に畳んでしまってあるぞ」


「?? 抱き枕なんだから抱いたりするんじゃないの?」

「はは~ん、甘いな貴様!」


 魔王の言葉に「何がよ?」と訝しげな返答をする姫。


「真の抱き枕ラーは、抱き枕カバー単体で使うのだよ!」

「どうやって?」

「カバーの中に自ら入るのだよ!!」


 バァァァァン! 決った……と言わんばかりに、椅子の上に立ち、ポーズをとる魔王。

 今ならオラオラ言うスタンドも使えそうだった。


「はあ?」 呆れた声を出す姫、まあ驚くのも無理は無い、これは抱き枕道を窮めた者にしか分からぬ神意。


「まあやり方は至って簡単だ、まず抱き枕カバーを持つ」

「そして……」


≪そして?≫


「そして入る!」


≪入る!?≫


 皆が混乱に至る中、悠然と説明を続ける。


「カバーの中に入り、そして悟る……『俺が嫁』と!」


≪俺が嫁!?≫ 


 ああ……聞こえる……神が「よくぞ気が付いた」と言っている……気がする。


「でも、魔王様、今の言葉で、抱き枕カバーは自分の為に買った物だと言うのが白日(はくじつ)の下に晒されましたよ」

 

 仕舞った! 見事誘導尋問に引っ掛かってしまった!


「はあ……まあいいわ随分話が脱線しちゃったわね」


 何故か皆が俺から視線を外している。

 いや、わざと逸らされている!? まさかこれが『哀れみ』と言うものか!?


「それにしても魔王の『パパ上』とやらからの手紙なんでしょ? 

 何で私にまで届くの? と言うのはこの際放っておいて。

 どうして貴方の父上がそんなものを?」


「姫様、パパ上としっかり呼んだ方が身のためですよ。

 あの方は『パパ』か『パパ上』と言う呼び名以外で呼ぶと泣きます」

「泣くの!?」


 うっ……自分の父親ながら恥ずかしい……


「すいません、不出来なパパ上が迷惑を掛けます……」


「じゃあ、そのパパが何でこんな悪戯を?」

「お前がパパって言うと、水商売の姉ちゃんみたいだな」


「……、そうね。それに関しては私が悪かったわ。今度からはパパ上様に統一するわ」

「そうですね、姫ちゃんもなるべくその呼び名で呼ぶようにしたほうがいいよ。

 パパ上様、一回泣くと機嫌直すの大変だから」


「分かったわ、なるべくこの呼び名で呼べるように癖を付けるわ。あと気になっている事が一つあるんだけど」

「なんだ気になってる事って?」

「パパ上様はあんたの父親なのよね?」


 魔王は黙って頷くと、姫が更に言った。


「じゃあ元・魔王なの?」

「ああ、正確にはパパ上は『元祖・魔王』だ」


 姫は「へーそれで」と言い、更に言葉を待っているようなので続けた。


「お前が聞いた事のある様な有名RPGに出てくる魔王は、あれは俺の親父だ」


 唖然、そんな言葉がまるで顔に書いてあるかの様な表情である。


「お前にはこの気持ちが分かるか? 好きなRPGの世界間に感情移入したくても、最後に出てくるのは大体自分の親父なんだぞ」

「考え方によってはすごく斬新なゲームよね」


「弱い親父から、クリアー不可レベルな程、強い親父、それ全部親父」


「授業参観で友達に」

『おい見てみるよ、あそこの人、D○SATの人○羅に凄い似てないか』

『本当だ、似てる、似てる』


「こんな事を後ろの席から聞こえて来るんだぞ! だが俺はそれに対してガツンと言ってやったんだよ!!」

「何て思ってたの?」


「どちらかと言うばデビ○サマナーのキョ○ジだ!」

「…………、全然言ってる事が分からないけど、あんたも相当の馬鹿だと言う事だけは伝わったわ」


「そうですね、魔王様が楽しみにしているゲームが延期した時、大体はパパ上様が機嫌悪いのが原因所為で、その所為で遅延を招いていますもんね」

「小ボスの言うと通りですね、RPGの延期の原因はパパ上様です」


「嫌だな、その原因」


 姫は、本当に、心底嫌そうな表情を浮かべ


「とりあえず、その手紙を書いたのはパパ上様で、それに対して何らかのアクションをしなければ、RPGの発売日は延期され、如いては全てのRPGファンを『不幸』にさせる事になってしまう訳ね?」


「それなら俺に考えがあるぞ」


 魔王は皆にその案を伝えると


「それは妙案ですね」

「そうね、これ以上ないほどの上策ね」

「すごいです! 流石は魔王様」


 皆の喝采を浴びる中、俺は一つの手紙をパパ上宛てに書いた。



「ん? やったあ魔王君からパパに返事が届いてる! 

 パパ感激だな~魔王君が僕に手紙を書いてくれるなんて小学校以来じゃないかな?」

「えー何々?」


 拝啓(はいけい) 時下ますます御健勝(ごけんしょう)のこととお喜び申し上げます。

 さて、弊社(へいしゃ)ではかねてから魔王城立て直しを計画しておりましたが、度重なる不況の波を受け。 資金繰りに苦労しておりましたが、このたびパパ上様の資金援助のおかげで、工場開設の運びとなりました。無事、立て直しが完了した暁には当地方の人間界派遣魔王軍が微力ではございますが、人間界魔界化計画のお役に立てれば幸いでございます。

 つきましては工事の費用に関しての話しですが、現在、『パパ上様』から提示していただくはずの金額に届いてない為に、工事の方が、著しく滞っております。

 弊社と致しましても金銭的に余裕があるわけではないので、一日も早くご入金して頂けないでしょうか。

 催促する形になってしまった事を、ここに深くお詫び申し上げます。弊社計画に一層の御理解を賜りますよう、今回計画についてご説明申し上げます。何卒弊社の意のあるところをおくみ取りの上、御出席賜りますようお願い申し上げます。

 略式ながら書中にてご案内申し上げます。

                     敬具

            記

 添付書類   請求書    1通

 以上


 請求金額 一千万PP


「……ぐすん……銀行行くか」



 この後、大人気シリーズのRPGは延期されてしまったが、予約するのを忘れていて困っていた魔王には特に悪影響は無かった。

最後の方の失速感が自分でも酷いと考えています……今後はもう少し、熟考し、皆さんに喜んで頂ける様な作品を出せるようにしたいです。

元々ショートストーリーですので、話の進行速度自体はあまり早くないかもしれません、なので思っているよりもグダグダに長編化してしまうのでは? と自分思っています。

長編化した場合、自分の技量が後半から上がっているといいのですか……

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