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第一話『支持率を維持せよ!! 魔王様(ラジオ)演説!?』パート②(コメディーパート)

第二章、最初のコメディーパートです。ストーリーパートとは全く時間が異なっているので、いきなり平和になった事に困惑せず、気ままに『あっ単発コメディー回なんだな~』と考えて下さい。

第一話『支持率を維持せよ!! 魔王様(ラジオ)演説!?』パート②






 王室には現在、魔王に姫と妹が集まっており、女性陣はテーブルで中ボスお手製のお菓子を食べながら会話を楽しんでいた。

 魔王は楽しくなさそうに、同じテーブルで、提出しなければいけない書類を書き上げていた。


「そういえば、今日。まお☆らじの収録日だったよな」

 書類から顔を上げ、お菓子を食べている二人に話し掛ける魔王。


「ええそうよ、午後からだから、もう一時間もないから、そろそろね」と姫は壁に掛かっている時計を見ていった。


「おにぃ、今度は何をしてるの?」と妹は何やら関心があるのか、書類の一つを手元に引き寄せると、声に出して読み上げる。


「何々『地域要望』? なにこれ?」

「街に住んでる人たちからの要望だよ。ほら、これとかは『衛生害獣駆除への補助予算』だろ。こっちは『三区に井戸が欲しい』とか」

「衛生害獣って?」と姫。

 

「ネズミとかの事だ。感染症を広げたりするから早めに個体数を減らしに掛からないと本当にひどい事になる。下手をするとそれだけで街は壊滅する」

「小さいのに危険なのね。ネコを派遣させたら? ほらアニメでそんなのあったでしょ『アトムとジェリー』」


「“アトム”ではないぞ、“トム”だ。何で“鉄腕のロボット”が登場してるんだよ……十万馬力じゃあ、ジェリーに勝ち目無さ過ぎるだろうに」


 妹が名案とばかりにそう口にするが、冷凍マウスですらビビって食えないネコが、デカくで凶暴なネズミを相手に戦えるはずもないので却下し、魔王はそう言葉を付け加えたのだった。


「うーん。結構アンタも仕事してるのね」

「失礼な奴だな……」

「まあアンタがそうやって苦労しているから、その上で私はあぐらを組めるんだけどね」

「お前、本当に悪魔だよな」

「魔王に言われるなんて光栄ね――っと」


 ニヤリと笑いながら、魔王に返事をした姫だったが、突如地面が揺れた事に気がつき、口を閉ざす。


「あ、結構大きいわね」

「うん、これはかなりデカい」


 地面が揺れ、最近このような事が頻繁に起きているので特別驚く事も無いのか、地震と言われる自然現象に適応し始めた二人。

 だが魔王だけは場違いな一言を告げる。



「最近、どんどん大きくなってるわよね」

「姫もそう思う? 私もそう思ってたの、この分だと次回もっと大きくなりそうね」


「……あっ、もしかして俺様のチ○コの話し?」


「「違うわよ!!!」」


 完璧なるツッコミを貰い、凄く満足そうに頷きながら笑う魔王。


 馬鹿なやり取りをしている間に、ラジオ収録の時間がやってきた。





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ヒメ 「はい、皆さん今回もこの時間がやってきました、まお☆らじ! スタートです!」

中ボス「今回の進行役は、姫様と私が担当させて頂きます。それとテンポよく進める為に、今回は音楽をまったく掛けない方針です」

ヒメ 「なんか、“音楽著作権”なんとか煩いらしいのよ。まあいいわ、とにかく今日のゲストを呼びましょう。我らが魔界の王。魔王様と、妹ちゃんでーす。どぞ~」


魔王 「同じ収録室に居て、呼ばれるまで話せないと言うのはここまで苦痛だとは思わんなんだ。はい、皆の者、俺様が魔王だ」

妹  「ゲスト扱いなのは嫌だけど、なんかよく分からないけど、連続出演してるから許してあげる!」



ヒメ 「何だかんだで、レギュラーメンツで揃えた今回。紹介は不要と思い、そのままコーナーに入りたいと思います。それと『姫』と『妹』だと表示的に見づらいので今回のみ私の言葉の前に『ヒメ』と表示させてもらってるわ」

中ボス「物凄いメタ発言ですね……。え~次のコーナーではランダムで……っと、はいスタッフの皆さん、よろしくお願いします。……よろしいですね。では改めまして。このコーナーでは二名が端的に言うと“ハブられ”ます。そして今回選ばれたのは、姫様と妹君です」


魔王 「一体何が始まるんだ?」

中ボス「魔王様や私を含め、皆さまが付けているヘッドフォン。その内妹君と姫様だけ音楽が掛かっており、私達二人の声は届いておりません。そしてその間にコーナーを進めさせて頂きます。では魔王様読んでください」


魔王 「あ? 俺様ゲストじゃないのかよ。まあいい。えーと≪○○返し!!!≫のコーナー……ってなんだこれは? 全然内容が掴めないんだが」


中ボス「このコーナーではリスナーより頂いた、○○の言葉を用いて、“ハブられ”た方とナチュラルに会話を続けるコーナーです。つまり特定の言葉しか話せないという事ですね。必要な進行はハブられた方とスタッフに投げるという、誰が考えたか、超適当な企画となっています」


魔王 「何が面白いんだそれ?」

中ボス「さあ、私に判りかねますが、では進めていきましょう、鬼畜メガネさんからの投稿です。これは魔王様に担当していただきましょう。これから魔王様が話せるのはこの言葉だけです」


魔王 「ん。どれどれ……『この前の尿検査。俺、再検査喰らったわ……』……うわっひどい内容!!」

中ボス「はい、魔王様、姫様達がヘッドフォンを取ったらそれしか話せませんので、しっかり覚えていて下さいね。えーと私へのお題は『おう、まず一発やらせろや、話はそれからだ』……えーと……これ私、姫様に殺されません?」

魔王 「だっははは、こりゃいい、ではスタッフの方。二人の音楽を切ってやってくれ!」

中ボス「あ! まだ心の準備が!」


ヒメ 「ふう、っで私は何をすればいいの?」

妹  「中ボスの顔色が異常に悪いわね」

中ボス「…………」


ヒメ 「ねえってば! ん? スタッフさん何? えーと『次のコーナーに』? 入って良いの? じゃあ私が進めるわよ」


ヒメ 「≪お願い♪ 助けて♪ 魔王様♪≫のコーナーです。前回好評だった。リスナーより頂いた、『こんな時、魔王様ならどう行動するの?』と言った、ご意見に、魔王様自ら答えるコーナーです。前回とは違い沢山のお便りが御座います」


ヒメ 「では一通目『小ボスマジ外道』さんからの質問です。『最近親知らずが生えてきて、その周囲が痛み、どうやらすぐにでも抜いた方がいいと聞きます。ですが、どうしても勇気が足りません。こんな時魔王様ならどのようにしてその覚悟を決めますか?』との事です、では魔王、ばっちりと解決してやって!」


魔王 「……この前の尿検査。俺、再検査喰らったわ……」

ヒメ 「……はぁ? 今そんな事どうでもいいでしょ? 今は質問に集中して」

妹  「あ、姫。なんか次の手紙に行けって」


ヒメ 「え? まあそう言うならそうしますけど……中ボス、どうしたの黙っちゃって?」

中ボス「……おう、まず一発やらせろや、話はそれか――ぶぁはっ」

妹  「きゃあ! 凄い飛んだわね! あれは痛そうね~」

魔王 「殴られた、今思いっきり殴られたよ(小声)」



ヒメ 「まあいいわ、次のお便りは――え? もういいの? なんかさっきからスタッフの様子までおかしいわよ」

妹  「ニヤニヤというか、邪悪な大人の笑みね」

魔王 「この前の尿検査。俺、再検査喰らったわ……」

妹  「おにぃヘコみ過ぎ!!?」


ヒメ 「もう、兎に角コーナー進めるわよ、中ボスもいいわね?!」


中ボス「おう、まず一発やらせろや、話はそれからだ」


ヒメ 「今日の中ボス、なんか壊れてるわね。妹ちゃん、魔族ってこういう時期でもあるの?」

妹  「え~聞いた事ないよ、でもそんな時期があるんなら、私今日から魔族辞める」


魔王 「この前の尿検査。俺、再検査喰らったわ……」

ヒメ 「はいはい、ご愁傷様。話し、進めるわよ」

中ボス「おう、まず一発やらせろや、話はそれからだ」


姫&妹「一発やらせないと進めさせないつもり!?」


魔&中「(ハモった……)」 姫&妹「/// (ハモっちゃった……)」


ヒメ 「ゴホン。次のコーナーでは私達の日常で、最近あった話題を話すコーナーです。言ってしまえばフリートークですね」

妹  「この空気でこんなコーナーやだな……。でも仕方ないわね、おにぃは最近なんかあった?」


魔王 「この前の尿検査。俺――」

ヒメ 「もう分かったわよ。アンタの不健康アピールはこれで終わり! 次、中ボス!」


中ボス「おう、まず一発やらせろや、話はそれからだ」


妹  「……なんか中ボス、今猛烈に繁殖したいみたいだから、姫。一発やらせてあげたら?」

ヒメ 「このラジオ大丈夫なのかしら……放送できるの……?」


魔王 「この前――」 中ボス「おう、まず一発――」


ヒメ 「だぁぁ! もうホント! 殺すわよ!!!!」

魔&中「…………ぐすん(帰りたい)」

妹  「さっきからどうも様子がおかしいわね、と言うかどう考えても、同じ言葉しか言ってないし、そう言うお題目なんじゃない?」


ヒメ 「……ふーん。ねえアンタ達。今迄の言葉は“強制”なの?」

魔&中「……はい(小声」


妹  「ん? スタッフがなんか出してるわよ。『普通に喋っていい』だってさ」


魔王 「ぷはぁ~、よかった中ボスのセリフが俺様のじゃなくて」

中ボス「鼻が折れるかと思いましたよ……こんなコーナーはこりごりです……」

ヒメ 「やっぱりグルだったのね、じゃあ本当に次のコーナーに進めるわよ。妹ちゃんパ~ス」

妹  「仕方ないわね、えーと。『魔王様の、ひ・み・つ』のコーナーです。このコーナーではリスナーからの様々な質問に魔王様が答えるコーナーってアンタのコーナーばっかりね、最初のコーナーと丸被りじゃないこれ?」

中ボス「まあほとんどの人は魔王様の声を聴くために、このラジオを聴いている訳ですから……」

妹  「おにぃの人望に改めて敬意を払うわ~」

魔王 「そう言いながら、俺の所から回答原稿を持っていくのを止めろ! ちょ、テンプレ回答が! こら!」

ヒメ 「じゃ最初の質問」

魔王 「ええて、好きなだけ答えてやるわ!」


ヒメ 「おっやる気になって来たわね、『好きな食べ物』どぞ」

魔王 「ケーキ」

ヒメ 「予想以上に乙女な回答ね、どの程度好きなのか分かり易く例えて貰える?」

魔王 「昨日一人で、ケーキバイキングに行ったくらいには好きだぞ」


妹  「おにぃ私達より乙女してるわね~、ねこカフェとかにも結構行くものね」

中ボス「昔は私と一緒にお料理教室に参加してた事もありましたよ。参加する時に料理を上達させたい理由に『美味いケーキ屋が近くに無いから』って記入した時には、その行動力に私は脱帽しましたよ。ちなみに私の参加理由は普通に『料理の上達』です」


魔王 「だって最近の回転寿司にあるようなチョコレートケーキが、六百円とかだったら誰だって嫌だろ?」

姫&妹「確かに」


ヒメ 「では次の質問です『好きな色』は何?」

魔王 「小豆色」

ヒメ 「だからそんなクソダッサイ色のジャージ着てるのね」

魔王 「今すぐ、この色が学校指定で着ている学生たちに謝れ!」

ヒメ 「私、アンタのジャージ談義に巻き込まれるのやだから、この話しはもうこれで終わりにしていい?」

妹  「おにぃはジャージの事なら半日ずっと語れるもんね、縫い目のタイプが色々あるとか知らなかったもん」

中ボス「ジャージ道を極めるとか言っているくらいですしね、魔王様はエロゲとジャージの事なら右に出る物無しのレベルにまで達していますよ」

魔王 「ほ、褒められてる!」

ヒメ 「おめでたい頭ね、じゃあ次の質問『好きなエロゲ』は何ですか?」

魔王 「え!? いいの? 語っちゃっていいのか!? たぶん引くくらい長くなるぞ?!?!」

ヒメ 「……タイトルだけで終わりそうにないわね、はい次~『好きな女優』は?」

魔王 「それって前にAVって付く?」

妹&姫「付かない付かない」

中ボス「止めて下さい、見えないからって思いっきり拗ねるのは……それに例えAVってついても魔王様、その手の物あんまり見ないでしょうに」


魔王 「ああ、正直どっちにしても分からん。代わりに好きなエロゲのキャラなら――」

ヒメ 「はい次の質問……って全然答えられないのばかりね、何かあるかしら……これなんてどうかしら『好きなスポーツ』」

魔王 「夜の?」

ヒメ 「……あんまり下ネタに走るなら、そろそろ本気で怒るわよ?」ビキビキ

魔王 「もう怒ってるじゃん……ゴホン。バスケとかなら得意だぞ」

ヒメ 「あっ、良いじゃない、そうよ。そう言う回答を求めていたのよ!」


中ボス「でも魔王様が参加すると、他の選手達が恐ろしくて手を出せないって、相手選手が涙目になるくらいにひどい展開ですからね」

妹  「そりゃおにぃが何かしなくたって、おにぃのボールを奪うだけで会場からブーイングの嵐だもんね、おにぃがボールを持つと、モーセの奇跡で海が二つに割れるみたいに道が開くのは、いつ見ても笑えるから私は楽しいけど」

ヒメ 「無視させるか、警戒されるかどっちかにしなさいよアンタ……」

魔王 「正直心苦しいので最近はやってません……はい……」

ヒメ 「次の質問ね『好きな女性のタイプ』」

魔王 「二次元例えていい?」

ヒメ 「特徴だけ上げるなら……」


魔王 「美人で優しくて、いつもは強気なキャラなのに、一人の時は意外と可愛い趣味に没頭してて、それを俺様に見られると、怒るのではなく、意外にもしゅんとしてしまうような性格で、お金持ち学校に通っていて、俺様もそれに通えたら文句ないな。あと胸は大きい!」

中ボス「(明らかに姫様の方見て言い放つとは、我が主ながら、何とも愚かな……)」


ヒメ 「喧嘩売ってるなら買うわよ? いくら?」

魔王 「非売品です! ごめんなさい申しませんので勘弁を!」

妹  「おにぃは姫をからかうの好きね。小学生の男子みたい」

魔王 「俺様のはそんなに小さくないぞ。ちゃんと皮もむけ――いたたたた!!」

中ボス「アイアンクロー……」

妹  「おにぃは全力ね。そこだけは感心するわ~」


ヒメ 「ふん、魔王アンタこれ以上私を不快にさせたら磔刑ね!」

魔王 「……ぐすん。判りました」

ヒメ 「宜しい、では次の質問『好きな本』は何?」


魔王 「……エロ?」

ヒメ 「魔王、減点二十ポイント」

魔王 「はぁ゛!? それは何ポイント溜まったら磔刑なんだ!」

ヒメ 「十九」

魔王 「おわったぁああああああ!!!! それにポイント超過してるぅううう!!」

ヒメ 「ちなみに二十点だと磔刑プラス火炙りが付くわよ」


中ボス「魔女狩りみたいですね、これは見ものですね」

妹  「でもおにぃは現に、魔王だしね。ある意味相応しい死にざまね」

魔王 「あっそっかなら仕方な……ってやっぱり納得できるかぁあ!!」


妹  「おにぃノリノリね! って姫そろそろエンディングの時間よ!」

ヒメ 「えっもうそんな時間? じゃあ本日はこの辺で、次の放送に使う“木の柱”と“可燃物”をリスナーから募集してるわよ。どしどし送ってね」

魔王 「その二つは何の為に使うのだよ! 俺様の磔刑の為か! なあ俺様の火炙りの為に使うのか!? やめてぇええええええええええええ!!!」


中ボス「『まお☆らじ』の御静聴ありがとうございました」

姫&妹「ありがとー御座いました~」

魔王以外「せーの。またね~」


魔王 「いやだぁあああああああああああああ」


 魔王の断末魔は放送終了と共に途切れたが、放送終了後にリスナーより集まった“物”で姫が有言実行をしたのは、また別の話しである。


このように時折ストーリーパートの合間にコメディー回も挟んで行きますが、基本的には一度ストーリーを完結させたいと思っているので、コメディーパートが少なくてもしばし我慢を……

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