第二十三話『まお☆らじ』前編
すごい久しぶりの更新。
今後は順調に更新できたらどんなに良いか……。
第二十三話『まお☆らじ』前編
企画書片手に王室へと入る中ボス。
ラジオ企画で、各々“リスナー”へのプレゼントを用意するように言ったが。正直どんな物が来るか中ボス自身も予想がつかなかった。
その為、本番の前に事前打ち合わせを場を設けた。
中ボスが今回用意したのは“魔王様お手製ブランケット”。四日前に作成を頼んだら快く引く受け、その仕事振りも中ボスの満足のいくものだった。
市販されていてもおかしくないほどの高完成度の一品なだけに、不満が出る事も無いだろう。むしろ魔王様お手製ということで、プレミアがつく事が安易に予想できる。
他の者は何を用意したのだろうか、そんな不安と期待が入交ながら、席へと着く。
既に魔王様、姫様、元祖魔王であるパパ上様。小ボスに妹君、それとネコ。実際にラジオに出るのはこの中の半分程度であるが、リスナープレゼントなだけに、一応全員呼んだのだ。
「正直、ここまで集まりが良い事が珍しいので、少々驚いてしまいましたが……。それではさっそくラジオ企画のプレゼントコーナーの為の“プレゼント”を集めようと思うます」
待ってました! と各々声を上げ、皆ウキウキしたような顔で箱やビニール袋を取り出す。
あの中には色々な夢と希望と“絶望”が詰まっているのだろうと思い嘆息する。
そして私は、まずは……と呟きながら、一番最初に私がもっとも苦手としている人物である妹君のプレゼントを手に取る。
「これは……?」
明らかに布、小さな布。手触りの良い、触っているだけで品質の良さが伝わってくるような生地。
その小さな布を広げ。そして無言でそれを妹君の前へと戻した。
「えっ? 駄目なの?」
「駄目も何も……これ、パンツですよね?」
「中古だから?」
「もっと駄目です!!」
どう見てもアウトです。どうもありがとうございました。
可愛らしいピンク色のイチゴ柄のパンツを残念そうな顔でポケットへとしまう妹君。
仕方ないな~っとめんどくさそうに代わりにと言わんばかりに取り出したBLゲーを「取り出さなくて結構」と軽くいなし、再び話を戻す。
「では姫様どうぞ」
布に巻かれた長物を取り出す姫。
帯を解き、長物が正体が分かる。赤い液体で濡れながらも光を放つ物体。
「真剣……ですか? それも両手剣と呼ばれる部類の大ぶりの剣ですね」
「そう、せっかく“りすなーさん”だっけ? そんな人にあげる訳だから、不備があっちゃいけないと思って試し切りしてきたのよ。だがら実質妹ちゃんと同じ中古ね」
皆の喉からは、ゴクリと生唾を飲む音が聴こえ。明らかに妹君の時より空気が重かった。
「その赤い液体はなんですか?」
「えへへへ。なんでしょう?」
可愛らしくぶりっ子しながら聞いてるのだが、皆が安易に想像した物が正解だと思うと笑えなかった。
苦笑い気味に、次はと小ボスへと話を振る。姫様以外のメンバーは皆「(面倒だからスルーしたよ!!)」と言わんばかりに見つめていたが、それを突っ込む者も居なかったので、そのまま強行進行へと移る。
「僕が選んだのは“飴”だよ」
食べ物であるものの、日持ちする上に、先ほどまでのプレゼントは散々だっただけに平和的に進行できると
考えていたが、その考えは五秒後には飴だけに甘かったと自覚する。
「一つ目はピーピーキャンディーでしょ。後、食べると10才若返るキャンディーと食べると10才年を取るキンディーあとね、あとね~」
「なんか色々と年代が露呈するので、そのくらいで……」
時間が無いだけにサクサク話を進めていく。
予定ではラジオ放送を今週中に行いたいと考えているだけに、やや駆け足である。
「では魔王様どうぞ」
「マジで魔王に恋しなさいS。縮めて≪マジ恋S≫」
「引きこもって何をしているかと思えば、そんな物制作していたのですか? まあ人気ゲームに乗っかり過ぎです却下」
「じゃあアーマー○・コア5――」
「XBOX36○でしたら採用です」
「謎のマイ○ロソフト派!?」
小さく「よっしゃ」と呟く魔王様をよそに、どんどん進行していく。
「じゃあネコ、どうぞ」
「俺は猫缶――」
「採用です」
「うわっ早ッ!? ボケればよかった!!」
華麗なスルースキルでネコの話を流し、そして今回の大ボスと考えている元祖・魔王へと話を振る中ボス。
「(ゴクリ)……それでは元祖――パパ上様どうぞ……」
「デアゴス○ィーニ・ジャパンに依頼しておいたんだよ!! これが僕のプレゼント!!」
そう言いながら、自身満々で取り出したのは。
「ち○こね」「でけ~」「オチ○ポで言った方が男には受けるよわ姫、ついでにミルクを付けると――」
「貴様ら品が無さすぎるだろう!! 特に女共ッ!!」
姫やネコ、妹が食いつく中、魔王が注意するが、元祖・魔王は得意げに説明を開始する。
「これはね。まー君のチン――ぶへっ!!」
「黙れクソ親父!! どこの世界に息子の“息子”を模ってプレゼントする親がいるか!!」
「息子の“息子”……あはっ、まー君上手い事言うねぇ~。座布団一枚、とか言った方がいい?」
「要らん!!」
親子コントが始まった魔王コンビをよそに、姫と妹君はノリノリで魔王様? の陰茎を模った物体を弄んでいた。
「おにぃの“これ”。この大きさはまさに魔王級ね~あははは」
「裏筋まで作り込んでるわよこれ。完成度高いわねぇ~。色塗り師の魂を感じるわ」
意外と男性より女性同士の方が酷い下ネタを話すと言うが、それを表すように、陰茎片手に盛り上がる女子メンツ。
「何だこの扱い! これは何か?!
『生ける伝説≪魔王≫が1/1サイズでついにフィギュア化!?
肌触り、弾力共にこだわり抜いた素材選びは、まさに魔王様そのもの。
毎週付いてくる魔王様パーツをあなたの手で組み立て。
緩やかに稼働する間接で、貴方のお好きなポーズをとり放題。
あんな事やこんな事が思いのまま。
創刊号は790円!!』 とかで発売するのか!?」
「デア○スティーニ♪」
うるさい!! と涙目に反論する魔王様に、元祖・魔王は更に嫌な付け加えを行う。
「あっでもこれ、85週やる予定だけど、毎週付いてくるの全部、バリエーション違いのまー君の陰茎だけだよ」
「最低に最低だろうがッ!! 85個もチ○コ集める馬鹿がどこに居るのだ!!
それに、何だバリエーションとは!!? まるで芋虫がサナギから蝶になるように、進化過程を事細かに模型にしていくのか!? もはや安価で買える創刊号だけでお腹いっぱいであろう!!」
取っ組み合いの親子喧嘩を始める魔王コンビ。
そして楽しそうな女子メンツ。
「姫、見て見て!! チョンマゲ!!」
「妹ちゃん下品過ぎ~」
「姫もなんかやってよ!!」
「え~。じゃあ……――天狗!!」
「ぶはっ!! 姫も大概じゃないあはははは」
「貴様ら本当に頼むから黙ってろよ!!!!!!」
姫達から自分の息子を奪う魔王。何故か姫と妹からはブーイングの嵐である。
「おにぃのオチ○ポが二つ……『な……なんと奇遇な!』」
「すごい少数しか分からないネタを仕込むな!!」
「夢のツインバスターライフルできるわね」
「良い傾向ではあるが、最近エンドレスワルツ見たからって無理矢理ガンオタネタ使わなくてもいいんだぞ姫」
「まー君の陰茎で――」
「これ以上下世話な話を広げるな!! この話は終わり!! いいよな中ボス!!」
顔を真っ赤にし、もはや半泣きというより、ガチ泣きに近い顔で凄むように真剣にそう訴える魔王様に、私は頷くだけしかできなかった。
まお☆らじ。進行度40%。
しっかりと元祖・魔王。パパ上を降臨させました。
いやはや……魔王様も変態ですが、パパ上は魔王様にのみ有害です。
それ以外には割と気のいいおっさんです(笑)
ラストに書いた≪まお☆らじ≫の進行度の方ですが、正直次の更新でらじお回をやるかどうかは不明な為。進行度として曖昧にしておきます。
ワンクッション何か違う回を入れると思ってて下さい。