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擦過の蓮  作者: Mal’sha
プロローグ
1/5

学校の屋上で青春してみたい。


誰しもが一度は抱くであろうそんな夢。

友人とお弁当を食べたり、だらだらと駄弁ったり。放課後に呼び出されて告白されるなんていうのも、べただけどとても良い。その時は恥ずかしさでどうにかなりそうだけど、振り返れば何にも代えられない経験になる。

どれもが誰だって喉から手が出るほど欲しい宝物。でも、悲しいことに多くの学校ではそれが叶わない。

それは、そこで生まれるストーリーが幸せなものばかりではないからだ。


他の学校がそうであるように、この綿野花高校も例外じゃない。

屋上への扉は一日中閉められていて、生徒はそれ以外の場所で生活を送っている。特にそれに対して不満が出ることもないし、皆それが当たり前といった感じで気にも留めない。

ただ、こんな噂はあった。

真夜中。日付を跨ぐ頃、校内全ての鍵が開けられる。校門や教室、職員室、体育館、放送室――そして、屋上。

その時間帯の屋上には幽霊が潜んでいて、辿り着いた瞬間に魂が抜かれて死んでしまう。事実、過去に何人かの生徒が夜中屋上に踏み入り、亡くなっている。だから、夜の学校には絶対に入ってはいけない、と。

しかし、噂が鵜呑みにされることはなかった。

好奇心に駆られた生徒が、実際に試したからだ。

連日夜中に忍び込もうとするも、結果は失敗。屋上どころか、校門の錠すら解けていなかったらしい。それを聞いて、じゃあ自分も、などと試す者はおらず、その話題は一時のブームとして過ぎ去っていった。

その後もその話が大きく持ち上がることはなく、誰一人として噂を信じる者はいなかった――――あの日までは。


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