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茶漬け

作者: 桜椿

暗い話(?)が続いたので、明るい作品を書いてみました

 なんだ、おい、元気がないじゃないか。シャキッとしないか、シャキッと。エッ、なんだって?フムフム…昨晩酒を飲みすぎた?おっと、それはいけない。しかし、だからって朝飯を抜くってのはなしだぜ。朝飯ってのは俺たちの身体に一日の始まりを合図するための大切な仕事さ。これがねぇと、俺たちの身体は昼過ぎまで寝たきりになる……昼を過ぎたら直に夜だ!無為な生活をしないためにも朝飯はとっておけ。何?ものが喉を通らないから仕方ないじゃないかって?ワハハ、ま、聞けよ。この俺が最高の一日のための最高の朝飯を教えてやろう。俺は確かに居候の身だが、()()()()()()としているわけじゃあないんだぜ。こう見えて俺は日々、幸福と創作について思索をしているのだ。その俺が言うなら間違いない。

 まずは飯を用意するが、ここで気をつけなくちゃいけないのは一度冷ました米を温めることだ。炊き立ての米は美味いが、ここで欲しい食感はそうじゃない。飯が準備できたら、次に出汁を用意する。ま、なんでもいいが、カツオが無難だろう。出汁が取れたら醤油、酒、みりんを加えて汁を……何?めんどくさい?ま、いいだろう、それなら、市販の麺つゆでも使っておけば、間違いない。かく言う俺も普段は麺つゆで代用しているのだ。ここまで来たら、もうひと踏んばりだ。用意した飯に白胡麻とネギを散らし、その上から汁を回しかける。最後に梅干しでものっければ、立派な梅茶漬けの完成だ。おっと、忘れるところだった!最後隠し味にごま油を垂らすんだ。これがあるとないとじゃ雲泥の差があるからな。さ、できたぞ、いい香りがする?当然だな、さぁ、一気にかき込むんだ。……ウンウン、美味いだろう?しかし、いただけないな。こういうモンはズズーッと音を立てて食べるんだ。見ていろ、ズズーッハフハフ、ムグムグムグムグ…見たか?こんな具合さ。ほら、お前さんも真似て見な。ホォ、よくなったじゃないか、それに、顔色だってさっきよりずっといい。気分が良くなれば、早速、出かけたくなっただろう。人間ってのはそういうモンだ。そうだ!腹ごなしにひとつ女遊びなんてどうだい?いい店を知ってるんだ。おいおい、冷たいことをいうなよ。もちろん俺もいくぜ。俺は才能もあるし、見た目もなかなか悪くないが、お金だけには恵まれないのだからなワハハ。

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