第21回
この物語は、フィクションです。登場する団体や個人は、実在しません。
また、登場する団体や個人は、実在の物と関係ありません。
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闇探偵 西園寺 美園(21) 相良 凌
2 美園 初の闇探偵業(20)
しばらく都内を走ると、
「何だ、組に戻ったのか・・・」
コンクリート造りの吟勇会ビルの前に停まった、黒塗りのセダンを見ながら、つぶやいた、上沼垂。
若頭が車を降りる様子を上沼垂は、撮影している。
だが、その人物が若頭だ、という事は、今の上沼垂には、まだ分からない。
☆
空が夕焼け色に染まる夜6時、自動車運転休憩所に、吟勇会とは、別の黒い車が、やってきた。
それを見て、西園寺は、
「何か、別の車が来ました・・・」
と、言うと、紗些平と名乗る女性は、
「どうやら、何かありそうね・・・」
と、応じた。
吟勇会の現場リーダー格の男性は、吟勇会の黒い車を降り、先ほど来た、少し離れたところに停まっている、黒い車に乗り込むと、打ち合わせを始める。
紗些平と名乗る女性は、パラボラ型集音機を、その車に向けた。
「夜8時までに、浦安マリーナのエスメラルダという、ボートのキャビンに、やる相手を、入れといてください。それで受け渡しは、完了です。それでよろしいでしょうか?」
と、始末屋が言った。吟勇会現場責任者は、
「それで構わない。これは、前金の1000万だ・・・」
と、言って、紙袋を始末屋に渡した。
「ありがとう御座います・・・。では、片が付いた、あかつきには・・・」
「成功報酬1000万をやる。ヤクザの約束だ、二言は、無い。」
「分かりました・・・。」
「その代わり必ず片を付けてくれ・・・」
「はい。受け渡しが成功すれば、必ず・・・。」
と、始末屋がいい終えると、吟勇会の現場責任者は、車を降り、吟勇会の黒い車に戻った。
その打ち合わせの一部始終を西園寺と共に聞いていた、紗些平と名乗る女性は、
「いいこと聞いたわ! 武闘派じゃなくても、チャンスありそうね・・・」
笑みを浮かべた。
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探偵の助手時代の西園寺美園も登場する、より、スケールの大きい、相良 凌 作品 特命探偵シリーズをよろしくお願いします。(下の〔【VictoryProjectWin☆特命探偵シリーズ☆】〕のリンクからアクセス出来ます)