二刀流令嬢・ラファエルと朝稽古する・1
次の日の朝。
ヴァレンティーナは毎朝、体力作りと剣の稽古を欠かさない。
父に見つかると嫌味を言われるため、どんどん早朝になっていったが今日は流石に日が登った頃に起きた。
アリスはまだスヤスヤと眠っている。
ヴァレンティーナは自分で髪を後ろに結い、服を着た。
さすがにそろそろ洗濯もしたい……ラファエルに相談しようかと思うが、外はまだ雨が降っていた。
「今日も雨か」
肌寒さを感じてシャツと体型を隠す大きめのジレの上に、ガウンを羽織る。
彼のガウンのオレンジの香り。
何故か懐かしいような……。
彼の剣の流派……ラウドュース。
聞いたことは無い……はずだが、聞いたことがあるような。
屋敷の廊下も古いが、綺麗に掃除されている。
ここの皆がこの屋敷を、大切に思っているのがわかった。
外はまだ嵐だ。
客室は二階だった。
一階へ降りる階段の途中、肖像画があって見上げる。
ヒゲを生やした茶色い髪の男。
ラファエルに似ている……。
「父の肖像画だ」
声がした方を向くと、ラファエルだった。
ゆっくりと階段を登ってくる。
「おはよう、ラファエル」
「あぁ、おはよう」
「勝手に歩き回ってすまない」
「気にするな。面白い仕掛けなどはないが、好きに歩いてくれ。起きるのが早いな」
「それは君もだ。あれからまた盛り上がったのでは?」
「酒はヴァレンと飲んだので最後だよ。朝稽古をしないと落ち着かない身体になっててね」
「! 今から稽古を!?」
ヴァレンティーナの反応を見て、ラファエルはニヤリと笑った。
「一緒に、やるか?」
「あぁ! 是非!!」
いつも冷静でクールなヴァレンティーナが、子どものように無邪気に笑った。
それを見て、ラファエルが止まる。
「ラファエル?」
「あ、いや……なんでもない。行くか!」




