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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第二章

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ユイカを妻に



 エレノアは恐れていたことが現実になったと嘆いた。


 ユイカ


 ラファエルはやっぱりユイカを愛していた。ラファエルはユイカを三番目の妻にすると言い、議会でユイカの帝国に対する大きな貢献が認められ認証を受けたのだ。チェスターとジャスミンの結婚パーティの時、ラファエルは私の目の前でユイカを連れ出し自分のタウンハウスに住ませた。そして私の知らぬ間にユイカは城に勤務し大きな功績をあげ、ラファエルの妻に。あの日あの通路で会ったのはユイカだった。あの日一言も話さなかったラファエルの態度に今更ながら怒りを覚える。だけどもうどうしようも出来ない現実が目の前にある。


 許し難いことに私やヘレンと違いラファエル自身が愛している妻になるのだ。


 昔は部屋で泣き叫ぶと周りが邪魔な人物を排除してくれた。でも今は違う、ジャスミンの時ラファエルに殺された。私の目の前で。それがどんな意味を持つのかわかっている。次は無い、彼はそう言ったのだ。


 そんな冷たいラファエルを愛した私の負け。だけど皇后の座は絶対に譲らない。



 ヘレンは晴天の霹靂だった。数ヶ月前に結婚したばかりのラファエルが、第三夫人を迎えることに衝撃を受けた。しかもラファエルが命をかけても惜しくないほど愛している女性だと巷では噂になっている。国民にも圧倒的に人気があり帝国に大きな功績をもたらした人らしい。


 そんな人物が居たとは、、、。



 ユイカが三番目の妻になると発表された朝、大変な騒ぎになった。ラファエルとユイカをお祝いする人々が城を訪ねてきたのだ。城の前の広場は人で埋め尽くされ皆口々にラファエルとユイカを祝った。


 ラファエルはユイカを連れて人々の前に姿を現した。こんなに歓迎される花嫁はユイカだけたっだ。ラファエルは人々に対し手を胸に当て頭を下げた。祝福してくれる国民に対して最大の感謝を示したのだ。ユイカもいつものように頭を下げた。


「田舎娘の酒場の女王が本物の女王になったぞ!!」


 最前列にいたダット達が叫んだ。その言葉を聞いて皆大盛り上がりになった。ユイカは「ちょっとそれ恥ずかしいですね」 とラファエルに微笑んだ。ラファエルは少し恥ずかしそうに微笑むユイカを見つめ愛を込めてキスをした。


 その様子を端で見ていたジャスミンは感極まり泣き出した。チェスターはジャスミンを抱きしめ二人の愛を祝福した。


 ラファエルはユイカを抱きしめ、ユイカは多くの人が見守る中惜しげもなく愛を表現してくれるラファエルに、それを見て幸せを喜んでくれる人々に感動しラファエルの胸の中で喜びの涙を流した。集まった人々はその姿を見て二人の深い愛に心を打たれた。



 ユイカは他の姫と違い後ろ盾がないが、チェスターとジャスミンがユイカの後ろ盾となり、誰一人ユイカに手を出せなくなった。ラファエルはユイカのために邸宅を作ろうとしたがユイカは拒否した。適当な城の一室で良いと言ってラファエルの部屋から引っ越し、城の三階にある南側の部屋に住むことになった。

 

 ラファエルの自室の隣だ。ラファエルが決め、誰も文句は言えなかった。


 部屋の中には扉がありラファエルの部屋と行き来できるようになっていた。「ラファエル、これは一体、、ほぼラファエルの部屋ではありませんか?」ユイカが抗議するとラファエルは「愛する妻にいつでも会えるように皇帝の権限で作ったのだ。ユイカ、皇帝を癒すのが妻の勤めだから」ラファエルはニヤリと笑い言った。


「暴君よ!ラファエルって本当自分勝手な人。まあ,そんな人の妻になったのだから仕方がないですね」ユイカはラファエルの顔を見ながらタウンハウスから連れてきたメイドのパトリシアに笑いかけた。パトリシアはようやく二人が堂々と愛し合える事を心から喜んだ。


「ラファエル様」アディがユイカの部屋の調度品をチェックしながらラファエルに声をかけた。「どうした?」ラファエルがアディの方を向き、ニヤリと笑った。「もう、私のお伝えしたいことはお分かりですね。ユイカ様を一ヶ月も軟禁されてて次はどうなるかと思っていたらこの部屋、溜まった業務がございますから程々に」アディは口ではそういっているが,ラファエルの結婚を一番喜んだのはアディだ。

 

「ああ、アディには苦労をかけたな」ラファエルはアディの肩を叩き「これからもよろしく」と言って笑った。

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