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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第二章

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すれ違いの果て



 ラファエルは執務室に向かった。やっとユイカに会える、悲しい思いをさせてしまった。早く会いたい、抱きしめたい、愛していると言いたい。先程エレノアに懐妊の兆候が見られるという噂は一瞬にして城内に広まっていた。エレノアの仕業だ。今そんな嘘がユイカの耳に入ったら、ラファエルはノックもせず執務室に飛び込んだ。

 

ラファエルが執務室に入るとこの時間いるはずのユイカがいない。


 直感でわかった。ユイカは去ってしまった。


 全身の血の気が引いた。小刻みに震える指先を握りしめすぐにアディとグリーンを呼びユイカを探すように伝え、ラファエルもユイカを探した。城に来ていたことはわかっている。そのあとユイカは消えたのだ。


 ユイカ!!行かないでくれ!!ラファエルはエデルにユイカが行きそうな場所はないかと聞いた。

エデルはラファエルに言った。あの日、エレノアに絡まれた日、ユイカは海岸で泣いたと。

マイクは昨日の話をラファエルに伝えた。ユイカは黙って令嬢達の話しを聞いていたと、ラファエルとヘレンが乗った馬車も見たと。ユイカに話しかけられた使用人も見つけた。ユイカはエレノアのことも知った。



 全てが後手に回ってしまった。ユイカならわかってくれると心のどこかで都合の良い事を思っていた。けれど現実は私のあの姿を見てユイカは去ってしまった。ユイカがいなくなった現実を受け入れられない。この世界から消えたのか、ここから出て行ったのか、、急いでタウンハウスに行きユイカの部屋を見た。いつもいるソファーにもベットの上にもバルコニーにもユイカはいない。ラファエルはユイカがいつも抱きしめていた枕を抱きしめユイカのベットの上で倒れ込んだ。ユイカ、どんな気持ちでここで過ごしていたんだ?後悔しても後悔しきれない。ユイカ、どこに消えてしまったのだ?私はユイカを諦める事ができないんだ。なんとしてもユイカを探す!


 ラファエルは全ての予定をキャンセルしユイカを探し続けた。ジャスミンもチェスターもユイカを探した。

ジャスミンはユイカいなくなった事にショックを受け倒れてしまった。


 どこを探してもユイカは何処にもいなかった。ラファエルは命をかけても惜しく無い人を大切にできず、愛してもいない人間を選ばざるを得ない自分の立場を呪った。あの日ユイカに約束したこと何一つ守れず、ユイカは黙って私の元から去ってしまった。この現実をどう受け止めて良いのか分からずラファエルは苦しんだ。それでも皇帝として生きなければならない。ラファエルは皇帝として最低限のことだけをし、それ以外はずっとユイカを探し続けていた。そのうちラファエルは以前のように冷たいラファエルに戻って行った。何をしても誰と会っても微笑みみを浮かべることが無くなり氷の皇帝と呼ばれ始めた。


 そして嘘の噂を流したエレノアは謹慎処分となり、ラファエルとの公務は許されなくなった。その代わりとしてヘレンが公務を担うようになるかと誰もが思っていたがラファエルは一人で行うようになり国中で妻との不仲説が出回るようになった。



「おい,ラファエル、お前一体なんだ!皇帝としてやる気あるのか?!」執務室でチェスターはユイカがいなくなってからのラファエルの態度に我慢ができなくなった。「別に、、」ラファエルは淡々と短く答え書類にサインをしている。ジャスミンはずっと休んでいる。「ラファエル、お前の気持ちも理解できる。だけどユイカはそんなお前が好きだったのか?そうなることを望んでいたのか?」チェスターはラファエルが使っているテーブルに手をついてラファエルに言った。「、、、、」ラファエルは答えない。「ラファエル、ユイカが今回お前のためにやってくれた事の意味考えろ、ユイカが今のお前を見たら悲しむぞ」チェスターはそれだけ言って執務室から出て行った。



 わかっている。ユイカは今の投げやりな私を見たら悲しむ。だけど既に彼女を悲しませ私の元から去ってしまった今、私が何をしてもあれ以上ユイカが傷つくことは無い。去るほど傷つけてしまったから。それに、ユイカがいないのに、この世界はいつも通り回っている。それに耐えられない。ユイカがいなくなった時点で私の人生は終わったのに、生きる意味が見出せないのに。


 

 ラファエルはあの日以来ずっとタウンハウスのユイカの部屋に滞在している。ユイカが帰ってきてくれるかもしれない。そんな気持ちと、彼女を感じられる場所にいたかった。


 ラファエルは毎晩深夜に公園に出かけユイカを待った。ジャスミンの時のように深夜に現れるかもしれない


 公園のベンチで寝転びひたすらユイカを待つ。現れるはずもないユイカを。

 

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