表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/107

もう少しだけ我慢して



 今日も明日もお休みだけど、最終報告書をまとめるために城に行こうと思った。丁度アディも城に出かけると聞き一緒に向かう事にした。


 城に行くためユイカは着替えた。今日は休日で誰にも会わないからと、白のワンピースに髪はハーフアップでレースのリボンを結んでもらった。

馬車に乗り込むとアディとグリーンのマイクが待っていた。「お待たせいたしました。」二人は頭を下げて返事をした。ユイカも頭を下げて微笑んだ。


「ユイカ様、今日は先日と雰囲気が違いまた素敵ですね」アディが誉めてくれた。「ありがとうございます。あの三日間は出来るだけ地味に親しみが沸くようにしていたのですが、最終日に田舎娘って褒められたんです。褒め言葉に思えないって抗議したけど、、。笑っちゃう」ユイカは思い出して笑った。


「ユイカ様は唯一ラファエル様が愛している方、その魅力を改めて教えられているようで、、」アディが言った。


 唯一愛する人か、、ユイカはため息を吐いて言った。「、、、愛してくれている事は、嬉しいです。でも,やっぱり城で見かけるラファエルはとても遠い人で、現実を思い知らされて、、飲みたくなりますね!!」ユイカは話しながら本音を誤魔化した。


「あ、ユイカ様、あの日の翌日エデルはひどい二日酔いで、、クククッ」マイクが思い出し笑いをしている。「何かあったのですか?」ユイカはマイクに聞いた。「あの日エデルは二日酔いで青白い顔をしパーティに参加していた所ラファエル様の目に止まり、、一部始終告白させられて守るべき対象を前に酔い潰れるとは何事かと怒られておりました。」マイクは恐縮するエデルを思い出し大笑いしている。「まあ,それは気の毒だわ、私が飲ませてしまったんだから、でもみんな弱くて、、」ユイカも思い出しながら笑った。本当に10杯で酔い潰れるなんて驚いたわ!でもかわいそうな事しちゃったかな。今度お詫びに飲みに誘おう。そうだ、今日も飲みに行こう!気分転換が必要だわ!


 城に着き執務室に入り最終報告書をまとめ窓の外を眺めていた。お昼が過ぎた頃で日差しが強い。

 帽子を持ってこればよかった、、そう思いながら執務室を出て帰りの馬車の方に歩いてゆくと丁度ラファエルとヘレンが馬車に乗り込む所だった。


 最悪、見たくなかったのに。どうしてこんなタイミングであっちゃうの?ユイカは一気に気持ちが沈んだ。きっとラファエルは私の気がついた。けれど何かが起こるわけがないのだ。私は黙って頭を下げるしかない。ユイカは頭を下げ馬車が出発するのを待った。ふと下を見ると女性物の美しいグローブが片方だけ足元に落ちている。何も考えずそれを拾った。誰のかしら?


 

「そこの使用人、そのグローブを持って来なさい」徐に馬車の方から声が聞こえた。顔を上げちらっと見るとミルクティー、第二夫人がこちらを見ている。最悪。でも逃げられない。使用人と間違えられる事は仕方がないしどうでもいい。でもこんな形で二人の姿を見なければならない事が辛い。けれど逃げる事はできない。ユイカは唇を噛み馬車の方に歩き出そうとした。


「持って来なくても良い、ヘレン、新しいものを買おう」ラファエルが言った。「嬉しいですわ!」ヘレンがそう言うと同時に馬車の扉が閉まり馬車は走って行った。ユイカは頭を下げ馬車を見送った。


 ユイカはそのグローブを握りしめた。悔しさや悲しさや複雑な感情が一気にユイカを襲い立っていられなくなりその場にしゃがみ込んだ。辛い、でも全部自分が選んだこと。甘んじて受け入れるしかない。これをずっとずっと受け入れるしかない。そう思ったらあまりの苦しさにまた逃げたくなった。


 ラファエル,私は逃げたくなった、、逃げたくなったの。今すぐに、、、。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ