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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第一章

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辛い日々



「妹たちとは性格が全く違うな」


 ラファエルが言った。


「そりゃそうだろ、あの根暗を具現化したような容姿、磨けば綺麗だと思うけどな。」


 チェスターは遠慮なくズバッと言った。


「ダフニーもドリスはあかるいし」


 ラファエルも双子と比較し言った。


「ラファエルどうする?毎日あの子見てたら暗くなりそう、、」


 チェスターはため息を吐いた。


「皇帝陛下が決めたことだから覆せないけど、本人も嫌になるだろう、そのうち自分が役に立つ人間じゃ無いと気がつくだろう」


 ラファエルは淡々と言った。女なんて美しく着飾ることしか興味がないと思っている。


「そうだな、少しの我慢か」


 ジャスミンはそんな陰口は山ほど聞いてきた。でもユイカは初めてそんな会話を聞いて驚いた。

 

 ジャスミンはこんな毎日を耐えていたんだ。


 しかし命を助けたラファエルは目が見えなかった時優しかった。だけどその優しさは命の恩人に対しての感謝の優しさだったんだ。


 なるほど、優しくされたいなら結果がいるんだ。


ユイカは怒りを堪えながらドアの前から離れ、庭園に向かった。お昼は食べないで自分の出来る事探そう。


 小さな事から、その積み重ねでいつか大きな事ができるようになる。小さな事を探そう。


ジャスミンが表に出てきた時に笑顔になれるように。


 一時間時間がある。まずはこのお城の中を見て回ろう。ユイカは広い庭園の中を歩き始めた。




 一時間歩き回り感じたことはまだ何もなかった。だがきっと何か見つかるはず、明日も同じ事をしようと思った。


二階に戻りドアの前からまで来た。先程の陰口を思い出し中に入る事を一瞬躊躇したが、声が聞こえてこなかったので中に入った。


「失礼します。」


 誰もいなかった。どうしたら良いのだろうと突っ立って居ると、昼食の後片付けをする為メイドが入ってきた。


「あの、ラファエル様たちはどこに行ったのかご存知ありませんか?」


「はい、今日は午後からお出かけされると聞いております。」


「ありがとうございます」


 そんな予定は聞いていなかった。一人部屋に残されて何をすれば良いのだろう。


 でも勝手にどこかにゆくこともできず勤務が終わる三時半まで待っていたが、ラファエルたちは帰ってこなかった。


 四時まで待ったが帰って来なかったので帰宅した。



 翌日も同じように出勤し、ただただ二人の会話を聞いていた。ジャスミンは出てこない。


 昨日お昼から居なくなったことは全く気にしていないようで、ユイカの存在は二人の間では空気にような存在だと感じた。


 ただ、勝手に何かをする訳にはいかないので、黙って座っていた。


 更に一週間が過ぎた。ジャスミンは夜に表に出て、朝はユイカに変わっている。そんな生活も慣れ始めていた。


 お昼の時間、いつものように庭園を歩いて居ると庭園の池の鯉が死んでいた。


 ユイカは使用人たちが死んだ鯉を回収しながら話している事が気になった。


「最近鯉が死ぬんだよな、、今月で十二匹目」


「先月の長雨の時から水が変わったのかな、、」


 ユイカはその使用人に聞いた。


「このお水はどこから引いているのですか」


「ここは地下水が湧き出る場所です。」


「ちょっと水に触らせて下さい。」ユイカはは池に手を入れ、手を見つめ、濡れた手を触った。そして徐に長い髪の毛先を水に浸し、ハンカチで拭き毛先を触った。


 ギシギシ、、収斂してる。この池の水は酸性に傾いているが、火山灰があれば中性からアルカリ性に戻せる。


 昔祖母の家で鯉を飼っていた時に祖母がやっていたことを思い出した。

 

 おそらくこの水が極度に酸性に傾き鯉が死んでしまったんだ。


「あの、火山灰ありますか?」


「火山灰?ああ、庭園の土に混ぜたりするからあるよ」


「この池に少しずつ入れると,恐らく鯉は死なないと思います」


 簡単に説明し、使用人はやってみると言った。


 それからユイカは毎日池に顔を出すようになり、一週間もしたら毎日死んでいた鯉が死ななくなったと喜んで報告してくれた。


 よかった。こんな些細なことしかできないけど、出来ることは見落とさずやろう。

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