飲みに行こう!
「ふー、とりあえず無事?終わりましたね」ユイカは執務室に戻り明日の準備を始めた。
ジュリアナはユイカに聞いた。「ユイカ様、なぜはじめに頭を下げたのですか?なぜ不正が分かったのですか?」
ユイカは突然爆笑し始めた。「アハハ!頭下げたあれ、、偶然、、つい癖でね、元の世界の習慣て言うのかな、意図してなかったけど面白かった!頭下げたらあの人たち態度変わったものね。俺の方が偉いってあの瞬間に見分けられたわ。人間性?これからも頭は下げよう。うん。それに不正はすぐにわかったわ。彼らが提出した出荷量と販売実績、多少の違いはあって当然だけど一度出荷してまた追加出荷が沢山あってね。ダットのじゃがいもの廃棄分を見た時にここまで徹底して出荷しているのにおかしいと思ったの。それぞれ個人的に流通業者と契約しているから不正があっても分からないのよ。それに不良品が出てるなど評判に関わる事だから誰もそんな事言いたく無いわ。それをいいことにリック達は不正を続けられたのよ。横のつながりができればどこもかしこも追加出荷していたなどおかしいと気がつけるでしょ?だから流通代表がこの件を反対した時確信したのよ」
ジュリアナはユイカの話を聞いて心からユイカという人物を尊敬した。物事をよく観察し見抜く力、プライドが無いように思える行動はユイカという人間の奥行きを表している。
ラファエル様が愛する唯一の女性だと納得せざるを得ない。誰一人ユイカ様には敵わないと確信した。
エレノア様がユイカ様を気にしているとエデルから聞いている。同じ女性としてはっきりとわかる。ユイカ様はエレノア様と真逆の人間でエレノア様はユイカ様には永遠に勝てないと。
「ところでジュリアナ、明日のパーティ出るでしょ?私は一人で大丈夫だから行ってらっしゃい。明日はロデオにお願いするから」ジュリアナは言った「私は仕事をします!」ユイカは生真面目なジュリアナの前に立ち鏡を見せた。「ジュリアナ見て、働きすぎて肌はボロボロ髪には艶がない、ダメよ、仕事と恋愛両立を覚えなさい。」ユイカは無理矢理休みを取らせた。大好きな人と一緒に出られるパーティ、私には到底無理な話だからせめて身近な人には大好きな人と幸せな時間を過ごしてほしい。今頃ラファエルは第二夫人とパーティを楽しんでいるかな、、。私はこの城で仕事以外にラファエルに会う事も出来ないから今は一生懸命自分のすべき事をするだけ。
、、さてと、帰ろうかな。
ユイカは帰り支度をし、部屋を出た。城の廊下は薄暗く窓から夕陽が見える。寂しい。この棟の向こうでは華やかな宴が繰り広げられラファエルはその場所の主人として妻と過ごしている。ユイカは唇を噛み締めた。どんなに願ってもその場所に行くことが出来ない。考えれば考えるほど胸が苦しくなった。
だめ。考えてはダメ、帰ろう何も考えず。でもこんな夜は居酒屋に寄りたい気分だわ!
この世界に居酒屋ってあるのかしら?
アディはまだ仕事が残っておりユイカはエデル達と帰る事になった。馬車に乗り込みこのまま帰りたくなくてエデルに聞いた。「エデル様、ちょっと飲みたいんですけど、お酒飲む場所あります?一般の人が行くところが良いのですが」エデルは笑い出した。「本当にユイカ様って突拍子がないというか、、。民衆が好んで行く良いところあります,お付き合いしますよ」エデルは笑いながらユイカを見た。ユイカは首を傾げながら言った。「そんなに突拍子がないかなぁ?だって今日色々とあったしね。飲まずにいられなくない?」ユイカも笑顔でエデルを見た。「ユイカ様飲みに行きましょう!!」二人は夜の街に出かけて行った。馬車は繁華街に向かった。
馬車の中でエデルは「失礼します」と言って制服の上着を脱ぎ、シャツ一枚になった。エデルも良い体してるわ。ユイカがまじまじとエデルの事をみている。エデルはその視線に耐えられなくなり言った。「ユイカ様、ラファエル様の前で他の男性の体を見てはいけませんよ。その男性の首が飛びますから」ユイカはその言葉を聞き笑い出した。「え?ダメなの?だって美しいものを見たいという気持ちは誰にでもあるわ。エデルはとてもいい体しているもの。怠りなく鍛えた結果だから見せるべきなのよ」ユイカはそう言って笑った。エデルはユイカの発言を聞きラファエルの事を思った。ラファエル様のユイカ様を愛する気持ちを理解できる。エレノア様は私が平民出身だという理由で話しかけない。どんなに功績を積んでも生まれは変えられない。だけどラファエル様はそんな事を見ない。ユイカ様もそんな事を一切気にせず人間性だけで人を判断している。こんなに素晴らしい女性はそうそう居ない。大切に守らなければ。
ユイカはエデルと共に大衆食堂に入って行った。「ユイカ様、飲めるんですか?」
エデルは袖を捲りながらユイカに聞いた。「笑っちゃうくらい強いです」ユイカは笑いながら言った。エデルは自分も酒が強いという自負がある。ユイカの言葉に反応し言った。「ユイカ様勝負しませんか?」ユイカはエデルの言葉を聞いてニヤリと笑った。「え?良いですよ、何を賭けます?」エデルもニヤリと笑った。「そうですね、、」エデルが考えていると隣の男性二人組が声をかけてきた。
「面白そうだな!俺たちも混ぜてくれ」エデルはユイカを見た。ユイカはエデルに頷き言った。「良いですよ!何賭けますか?」隣の男達はメガネをかけた地味な娘に負けるわけがないと思い財布に中の全財産を賭けると言ってきた。ユイカも自分が負けると思っていない。彼らのお金をもらうよりお互いに良かったと思える勝負がしたい。
「それはダメよ、それよりもお兄さん達、何をしている人?」ユイカは聞いた。
「おう、おれはビリー、物を運んでいる仕事だ!馬は十五頭いるんだ!」「俺はポール、ビリーと一緒で、俺は二十頭だ!」ユイカはこんなラッキーがあるんだと嬉しくなった。今進めているプロジェクトの要になるのは物を運ぶ元の世界で言えばトラックだ。この世界ではまさしく馬が必要になる。この勝負負けるわけにいかない。ユイカは笑顔を浮かべ二人に言った。「それを賭けてください。」男達は笑った。「金じゃなくて?お嬢ちゃんが一体何ができる?まあ、俺たち負けるつもりはないし、、いいぜ!それをかけよう、で、あんた達は何を賭けるんだ?」
二人は田舎娘のようなユイカを見て聞いた。こんな素朴な娘が賭けるとするなら家事手伝いくらいが関の山だ。
「うーんそうね、、私ってお金持っていないし、エデル、私って何かお金になる物持っているのかな?」
ユイカはエデルに聞いた。「ユイカ様は存在自体が国宝ですから、、」国宝?私には賭けるものがないから「じゃあ私を賭けるしか無いですね」エデルは慌てて言った。「おやめください、万が一があればここにいる全員死にます」男達は驚いている。こんな冴えない女の子が国にとって重要?
「面白い!俺たちが勝ったらあんた、偉い人を紹介してくれ、あんたが勝ったら俺たちはあんたに従うよ」
ユイカは笑顔で答えた「じゃあ勝負、あ、エデル様は?」「私は、、そうですねラファエル様に忠誠を誓っていますが、その次に忠誠を誓うというのは?」エデルは長い髪を縛りながら言った。「あ、よく見たらエデル様じゃ無いか!!あんた憧れなんだ!!」男達は興奮している。
「じゃあそれで行こう!」
四人はビールを乾杯し飲み始めた




