表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/107

離れていても



 夕方、久しぶりにタウンハウスに戻るとパトリシアが待っていてくれた。


「ユイカ様がいつまでも帰っていらっしゃらないのでとっても寂しかったです」パトリシアはユイカの髪を梳かしながら言った。「ごめんね、、色々とあって」「ユイカ様の首を見ればわかります。」パトリシアはサラッと言った。あ!忘れていた、、ラファエルが、、ユイカは私のものだと言って、、、身体中に、、ユイカは何も言わずあははと笑って誤魔化した。



 朝、チェスターが乗り込んできた後ラファエルは渋々服を着替え公務に出かけ、ユイカは仕事に戻りジャスミンに謝った。


 ジャスミンは突然仕事に戻ってきたユイカを抱きしめ笑顔で言った。「ラファエル様ってすごく淡白な方だと聞いていたのに、、一週間もユイカを手放さないってすごいわね。」ユイカもジャスミンを抱きしめながら言った。


「彼は見た目と裏腹のとても情熱的な人で、、彼の胸に抱かれているととても安心したのよ。まるでジャスミンの頭の中にいる頃みたいに暖かくてそのまま寝ちゃった。そんなことをくりかえしていたら時間の間隔がわからなくて、、チェスター様とジャスミンに迷惑かけちゃった。ごめんね」


 ジャスミンはユイカから離れユイカの両手を握りしめ言った。

「ラファエル様って、、本当にユイカにぞっこんなのね。チェスター様が呼びに行かなかったらきっとずっとユイカは離してもらえなかったと思うわ。でもね、私達二人が幸せなら良いねって話していたのよ。周りにはラファエル様の調子が悪いって言っていたんだけど、一週間経つと周りが騒ぎ始めてね、、ウフフ、チェスター様もごまかすのが大変だったみたい」


 「まあ、チェスター様に悪いことをしたわ、、でもラファエルとチェスター様っていいコンビよね。ラファエルに何か言える人ってチェスター様しか居ないじゃない?!」ユイカはそんな人がジャスミンの旦那様で良かったと思った。「ユイカ、ラファエル様を呼び捨てしてるの?!」ジャスミンはユイカの言葉を聞いて驚いた顔で言った。「うん、ラファエルって呼んでほしいって言われたから、、」ユイカはジャスミンから手を離し照れ隠しするように頭をかきながら言った。


 「本当?!」ジャスミンは倒れそうになった。あの孤高のラファエル様が、、「ユイカって、、ユイカって、、本当にすごいわ!、、ねえ、ユイカ、エレノア様やヘレン様ユイカに何かしないよね?心配、、私たち毒飲まされたし、、」ジャスミンは急に不安になった。ユイカが狙われるかもしれない。「うん。ヘレン様はまだ分からないけど、、エレノア様、、何か感じてて、、自己紹介した時驚いた顔されて、それにラファエルに近づく女性全て監視しているような雰囲気あるし、、。気になる。」ユイカはデスクに戻り資料に目を通しながらいった。


 「エレノア様、ユイカの事チェスター様にも私にも聞いてきたの。いつ、どこで知り合ったのか、どこの生まれで身分はとか、、すごくしつこくて。もちろん私たち言わなかったけどちょっと普通じゃないくらい。だってパーティの最中に手を握りながら答えるまで離してくれなかったのよ。チェスター様が助けてくれたけど」

「やっぱりあの人異様な怖さあるわね、、。ジャスミン、ユイカは異世界人だからわかんないって言っちゃえ!そしたら逆に何も言えなくない?」ユイカは笑いながらジャスミンに言った。「あはは!ユイカ!最高ね、私の頭の中にいましたって!!」ジャスミンも楽しそうに笑いながら言った。「きゃー!!面白すぎ!、。私って本当不思議な人だよね。自分でもわかんないの、どうしてこうなったのか」ユイカは頭を左右に振りながらため息を吐いた。そんな様子を見つめながらジャスミンはユイカに微笑み言った「ユイカが居てくれたから私も、ラファエル様も幸せなのよ。」ユイカもジャスミンに微笑みながら言った。「私も同じ気持ち。ありがとう」





 一方でラファエルは公務を終え城に戻った。アディがいない今ラファエルのそばにはダスティン執事がいる。


「ラファエル様、本日はエレノア様、ヘレン様と夕食がございます」ダスティンは服を着替えるラファエルに言った。「わかった」 ラファエルは答えダスティンは下がった。


 一週間情熱的に愛し合ったユイカが居ない。ラファエルはベットに行った。ベットの上にユイカが好んで羽織っていた自分のブラウスが綺麗に畳まれているのを見た。


 そこにはメッセージが書いてあり「寂しくなったら私だと思って抱きしめてね。愛しています ユイカ」と書かれていた。ブラウスを抱きしめるとユイカの甘い香りがした。今すぐにタウンハウスに行って会いたい、この胸に抱きしめて、全てがどうでも良く思えるほどユイカに溺れたい。



「ラファエル様、お迎えにあがりました。」ダスティンが迎えにきた。

ラファエルはメッセージにキスをして部屋を出た。



 案内された部屋に入るとエレノアとヘレンが立ち上がりラファエルに挨拶をした。

ラファエルは笑顔で手をあげ椅子に腰をかけた。エレノアとヘレンも腰をかけラファエルを見つめる。ラファエルは何も言わずダスティンが注いだワインを一口飲んだ。


「ラファエル様、体調が悪かったと伺い心配しておりましたが、いかがですか?」

エレノアが微笑みを浮かべラファエルに言った。


 そういえばそんなことになっていたんだな、、そう思いながらエレノアの方を向き返事をした。

「ああ、ありがとう。心配かけたがもう大丈夫だ」ラファエルは手短に答えまたワインを含んだ。エレノアは先日私が抱えていた女は誰だと城中の者に聞いていたことはダスティンから報告されている。幸いなことにユイカが出勤して初日だったため誰一人その存在を知らないから答えられる者はいなかった。ラファエルはもう一口ワインを含んだ。ユイカは手出しさせない。


「私くしは妻としてお見舞いに行きたいと申し上げましたが、必要ないとアディに断られてしまい、心配しておりました」エレノアはヘレンを見ながら正妻は一番最初に話しかける権利があると何気なくアピールした。いいこと?ラファエル様の前では私が一番なの。私が常に優先されあなたは私がいる限り一番にはなれないのよ。


 ヘレンはそんなエレノアを見て内心ムカッとしたが微笑みを浮かべエレノアに会釈し、ラファエルに話しかけた。「私もラファエル様を心配しておりました。早く良くなるようにと教会でお祈りをいたしました」

ヘレンも負けずにラファエルを心配していたアピールを始め、静かな女の戦いが始まった。

あんたは心配するだけ、私は教会でお祈りしたのよ。ヘレンはラファエルを見つめ元気になったラファエルを見て心から喜んでいるように胸に手を当て微笑んだ。


 エレノアはその言葉を聞き一瞬真顔になったがすぐに微笑みを浮かべラファエルに言った。「ラファエル様、婚約した当初に行った祖国の大聖堂でラファエル様のためにお祈りを捧げるように神官に頼んだのです。そのお陰でこうして元気になったラファエル様を見て安心しましたわ」エレノアはチラッとヘレンを見て微笑み言った。「あ、ヘレン様のお祈りが効かなかったと言う意味ではありませんのよ」エレノアは申し訳なさそうにヘレンに微笑んだ。


 ヘレンはエレノアの言葉を聞き闘争心に火がついた。「ラファエル様、私も今度私達の結婚式を行う大聖堂の神官様にもお願いしていたのです。ラファエル様がおっしゃった通り素晴らしい方で新郎に何かあったらと私を心配してくださって、ラファエル様のためにご祈祷もされたそうですのよ。こうしてお元気になられて嬉しいですわ」ヘレンは勝ち誇ったような微笑みを浮かべエレノアを見た。


エレノアはもうすぐ行われるラファエルとヘレンの結婚式に参列しない。ラファエルの希望で少人数で行いたいと一番格式高い大聖堂で行うことにしたのだ。先日チェスターの結婚式があったところだ。そこは大人数は入れないが、誰もが憧れる場所だ。

 エレノアは自分の結婚式は盛大に行いたいという希望があったため城の中の教会で行い多くの人を呼んだ。けれど格式とステータスを考えると大聖堂に軍牌が上がる。ヘレンはそれを知ってその発言をしたのだ。エレノアは怒りを抑えるためにワイングラスを握りしめながらニコッと笑い一気に飲み干した。


 ラファエルは微笑みを浮かべながら二人の会話を聞いていた。この二人は私が皇帝だから結婚したのだ。欲しいのは権力。それが政治だとわかっているがこんな人間に囲まれているから私も心を無くしていったんだ。ユイカがいなかったら私は生きる意味を見出せないまま抜け殻のように生きていただろう、、。ラファエルは終始無言で微笑んでいたが目の前で繰り広げられる醜い女の戦いに嫌気が差していた。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ