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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第二章

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また貴賓室に



 ラファエルはエレノアの声を聞いたユイカが緊張したのがわかった。体を硬くし身を縮めるように丸くなり自分にピッタリとくっついたユイカを強く抱きしめた。


 エレノアの問いに短く答え城の中に戻った。ユイカを怖がらせたくない、不安になどさせるものか。城に入るとユイカは安心したように顔を上げ気まずそうに微笑んだ。そんなユイカを見て愛しさが込み上げる。


すぐにアディに指示をし入浴の準備をさせユイカを着替えさせるために貴賓室に連れて行った。


「この部屋,懐かしい、、でも同じ理由で戻ってくるとは、、」ユイカはバツの悪そうな顔でラファエルに言った。


 ラファエルはユイカを下ろし濡れたユイカの髪に触れた。編み込んだ髪が解け、肌に張り付いている髪がとても艶かしくそれに触れながらユイカの首筋に指が触れた。ユイカはくすぐったそうな顔をしながらラファエルを見つめて微笑んだ。ああ、もう我慢できなさそうだ。そんなユイカを見て理性が吹っ飛びそうになった時、メイドがユイカを迎えに来た。入浴をする為ユイカは部屋を移動して行った。


 ラファエルはギリギリのところで自分を保った。ユイカを見送り入浴のため自分の部屋に戻った。

ラファエルが入浴を済ませた頃アディが伝言を持って来た。ヘレンが会いたいと言ってきたのだ。無視する訳にいかずアディにユイカはどうなったか聞いた。まだ少し時間がかかると返事があり、その隙にヘレンに会うことにした。


 妃達はそれぞれ城の中に屋敷を構えている。ヘレンの屋敷に行くには時間がかかる、時間があまりないからと伝えると昼にエレノアと食事をし、まだ城の一室にいるといった。それならばと、会うことにした。


 エレノアと一緒にいたのか、、。ヘレンにユイカの事を悟られたくない。ヘレンはエレノアに対して対抗意識があることはわかっている。それをユイカにまで向けられたら厄介だ。だからできるだけ悟られないように対応しようと決めた。


 ヘレンの待つ部屋に入るとヘレンはラファエルに抱きついてきた。ラファエルはそんなヘレンをやさしく抱きとめた。


「ラファエル様、先程なにかありました?エレノア様は気にするなと仰いましたが私もあなたの妻です。」ヘレンはラファエルそう言って泣き出した。ラファエルは黙っている。「だ、だからラファエル様、何かあったら教えてくださいませ。エレノア様にされるように私も同じように愛して下さいませ。」ヘレンは何も言わないラファエルに圧力を感じた。でも言わずにはいられない。「ラファエル様!どうかすぐにでも私の屋敷にいらっしゃってください。私だってラファエル様の妻でございます!」ヘレンは言いたい事を一方的にラファエルにぶつけた。ヘレンはエレノアの余裕ある態度を見せつけられ不満が一気に溢れラファエルに言わずにいられなくなったのだ。


 そんなヘレンを見つめながらラファエルは思った。ヘレンを迎えた時ユイカが戻ってきたタイミングだったこともあり城に連れ帰ったヘレンを放っておいたことは否定しない。その点は私が悪い。けれど結婚前からヘレンは終始エレノアを気にし、エレノアを基準に自分の欲求を伝えてくる。常にエレノアと比べるヘレンと楽しく会話することも不可能だ。

 

 エレノアもヘレンも姫として育った人間で傲慢なところがある。二人の共通点は常に私に対し何かを求めることだ。だが、ユイカは違う。ユイカは常に周りの状況を考え私を尊重してくれる。彼女は誰に対しても同じだからこそ人に好かれ、私に愛されるのだ。


 ラファエルは自分の気持ちを隠すように優しく微笑みながら腕の中のヘレンを見つめ言った。

「ヘレン、寂しい思いをさせてすまない」そう言ってヘレンを抱きしめた。ヘレンは潤んだ瞳でラファエルを見つめ言った。「ラファエル様、いつ来てくださいますか?今宵ですか?」、、、私の都合はお構いなしなんだな、、。ラファエルはヘレンを自分から少し離し言った。「また改めて連絡する。もう戻らないと、、すまないヘレン」そう言ってヘレンから離れドアの方に歩き始めた。


「ラファエル様!お待ちください!」ヘレンは後ろからラファエルを抱きしめるように捕まえた。「どうしたのだ?」ラファエルは笑顔だが感情なくヘレンに言った。「キスを、キスをして下さい」ヘレンはラファエルを強く抱きしめ言った。ラファエルはヘレンの方を向き、ヘレンの頬にキスをし部屋を出て行った。


 ヘレンは泣き崩れた。頬にキス?!ラファエルは私を愛していない、、。


 一方でエレノアは怒りに震えていた。あの後ヘレンはラファエルに何かあったのかと聞いてきた。エレノアは怒りを抑えながら「ラファエル様に何かあったようですが、大丈夫でしょう。気にしないで食事を続けましょう」というのが精一杯だった。ラファエルの腕に抱かれる女を見た時、あの女を真っ先に思い出した。まさかユイカ?顔が見えなかったことが悔しい。けれどヘレンの前で感情を見せることは負けだ。膝の上で拳を握りしめヘレンに微笑んだ。


 食事が終わり早々に部屋に戻り髪飾りやネックレスを床に投げつけた。着替えを手伝いに来たメイドがモタモタしてなかなかドレスが脱げない。イライラしメイドを平手打ちした。どんなに泣き叫んでも、怒り狂っても昔のように私の気持ちを察して動いてくれる人間はだれもいない。国から連れてきた人間は全員ラファエルに殺されてしまった。


 さっきの女はユイカだったのか?それとも違う女なのか?どちらにせよラファエルは私に顔を見せないよう足速に行ってしまった。先ほどの女がラファエルにとって特別だったとしても私が彼の正妻。

 この先何があってもラファエルを諦めるつもりもこの座を渡すつもりもない。例えユイカがこの城に来ようとも皇后の私の前に立つことも顔を上げ私を見ることもできないんだと思い知らせてやりたい!!



 

 ラファエルは一刻も早くユイカの所に戻りたかった。しかしヘレンに会わないわけに行かず、勤めだと割り切って会いに行った。だけどユイカが待っていると思うと一分一秒が惜しい。すぐに部屋を出て貴賓室に向いノックもせず中に入った。丁度ユイカは着替え終え,髪をとかしていた。


 突然現れたラファエルに驚きながらもユイカは笑顔でラファエルを迎えた。「ラファエル様もお風呂に入ったのね。本当にご迷惑をおかけしました。」ラファエル様、髪が濡れててすごくセクシーだわ。ユイカはそんなラファエルを見てときめいた。


 ラファエルはユイカの近くに行き片手を上げメイドを部屋から追い出した。早く二人きりになりたい。


 ユイカは目の前に来たラファエルを見つめ言った。「ラファエル様、ごめんなさい、昼からのお仕事出来なかったね。」ラファエルは申し訳なさそうに頭を下げるユイカを優しく見つめ言った。「まさか池に落ちるとはな、なかなかの経験だった」そう言いながらユイカを抱き寄せそのままソファに腰掛けた。


 どうしよう、なんだか変な気分だわ。ラファエル様に抱かれるのはよくある事なのに意識してしまう。ラファエル様がセクシーの見えるから?それとも昔を思い出してときめいているから?。ラファエルの胸の中にいるユイカはラファエルのブラウスのボタンを触りながら言った。何かしていないと彼を意識しすぎておかしくなりそう。


「皇帝って誰かを助けたりするんですか?」


「ん?どういう意味?」ラファエルはユイカの髪を撫でながら聞いた。


 「皇帝は、たとえばエレノア様とか?襲われそうになったら助けたりするのですか?」

 なんだろう?こんな何でもない会話をしているのにとても甘い時間に感じる。このままラファエル様と一緒にいたい。ユイカはラファエルのブラウスのボタンをはめたり外したりしながら聞いた。


「まさか、皇帝は助けてもらうことはあっても助けることはない、なぜなら皇后の代わりはいても皇帝の代わりは居ない」ラファエルは話しながらボタンを触っているユイカはを見つめている。艶めく唇を奪いたい。


「でも、、さっきラファエル様は私を助けようとして一緒に池に落ちました」

ユイカは顔を上げてラファエルを見つめた。


 ラファエルはユイカの美しい髪が自分の胸の上にサラサラと落ちてくる様子を見つめながら言った。

「ユイカの代わりがいないからだ。」


 ユイカはその言葉を聞いてラファエルに優しく微笑んだ。


その微笑みを見たラファエルは心の中に幸せが広がってゆくのを感じた。


 これが愛



 ラファエルはもう我慢が出来そうになかった。ユイカにキスをしたい。この想いをユイカにぶつけたい。

「ユイカ、キスをしても良いでしょうか?」


「うふふ、ラファエル様。最近そう聞くのは何故ですか?」ユイカは熱を持った眼差しで見つめるラファエルをじらすようにラファエルのボタンを触りながら聞いた。


「、、キスを拒否されたら悲しいからな、だから聞くんだ」ラファエルはユイカの髪に触れ言った。これはいつも思っている事。拒否される前に聞きたいんだ。


「、、ラファエル様は私が大好きなのですね」ユイカは笑いながら言った。ラファエル様って繊細なところがあって可愛い。


「ああ、今頃気がついたのか?私はユイカが大好きでユイカのためなら命も惜しくない皇帝だよ」

 ラファエルは笑うユイカに大真面目に答えた。


「じゃあ皇帝様、私にキスをしてください」

ユイカはクスクスと笑いながら言った。こんな真面目に言われるとラファエル様が可愛くて仕方がない。母性本能くすぐるわ。


 ラファエルはガバッと起き上がりユイカを押し倒して両手を上に上げユイカが逃げられないようにし初めて激しくキスをした。


 

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