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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第二章

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仕事




 翌朝起きるとラファエルは居なかった。寂しいけれど、仕方のないこと。


 ユイカは朝食を済ませ紅茶を飲んでいるとアディがメモを持ってきた。先日会いに行ったじゃがいも農家のダットから連絡が来たのだ。


 ユイカは近くのカフェで会おうと伝言し、着替え出かけた。街を歩くと人目を引く、エデル達がいるからだ。


 ラファエルに護衛は要らないと何度も伝えたがラファエルは絶対に引かなかった。心配してくれるのは嬉しいけど、、

たった一人を守るために騎士が五人もいるの?と思うが、ラファエルは頑なに譲らなかった。

 

 カフェに入るとダットが手を振った。「今日は!ダットさん」ダットはユイカの後ろにいる騎士をみて振っていた手を下げた。


「ユイカ様って何者?この間と言い、この騎士様と言い、、」ユイカは返事に困った。「あはは、気にしないで、それよりダットさん、考えてくださったんですか?」ユイカはダットの目の前の椅子に腰掛け聞いた。「ああ、ユイカ様の言った話、進めたいって思って、、どうしたらいいかと相談に乗ってもらおうと、、」


 ダットが話し始めたとき、突然エデル達が直立し、カフェの入り口の方に敬礼をした。


 ま、まさか?!


 ユイカは恐る恐るカフェの入り口を見て愕然とした。なんとラファエルとチェスターとジャスミンが入ってきた。な,なんて事、、。案の定店の中はパニックになったが、ラファエルは片手をあげ、「私達のことは気にしなくて良い」と言って歩いてきた。ダットとユイカは放心状態だ。


 嬉しそうに歩いてくるラファエルをみて我に帰った。ユイカは立ち上がり「な、なに?なぜここに?」

笑顔の三人に聞いた。


「ユイカに会いにいったら出かけたって聞いてきたんだ」チェスターが笑顔で言った。


「ユイカ、突然でごめんなさい」ジャスミンは申し訳なさそうな顔をして言った。


 ラファエルは何も言わずにユイカの手を取りキスをした。それを見た店内の人間がユイカに注目した。ラファエルは自分の好意を隠さずユイカに微笑んでいる。


 ユイカはそんなラファエルに驚き放心状態だが、ダットは更に呆然としている。ユイカ様って何者?


「あ、ダットさん、しっかりして!ごめんなさい、大丈夫?」ユイカが我にかえり声をかけるとダットも我に返り立ち上がって震えながら三人に挨拶をした。


「こ,、、こんにちは、、ダ、ダットと申します。ユ、ユイカ様にはお世話になって、、」ダットは被っていた帽子を握りしめ頭を下げた。「ダットさん、私とは会っていますよ」ジャスミンはそんなダットの緊張をほぐすように笑いかけた。


「ハイ、ジャスミン様にはじゃがいもの出荷先などお手伝い頂いて、、」ダットは緊張で笑顔をこわばらせながらジャスミンに言った。その言葉を聞いたラファエルがダットに声をかけた。


「ああ、お前があの時ユイカが会いに行った小麦農家で、全国の小麦農家の収穫量を調査してくれたものか」

ラファエルがユイカの手を握りながらダットに言った。


「ハッ、ラファエル様、そのような事を覚えていてくださるとは!」ダットは嬉しそうにユイカの顔を見た。ユイカは頷いた。


「で、ユイカと何の密会をしているんだ?」チェスターが笑いながら言った。ラファエルが密会という言葉に反応をして嬉しそうに聞いてきた。


「ユイカ、何の密会だ?」ラファエルはもう一度ユイカの手にキスをしながらニヤリと笑って聞いた。


「もう、チェスター様って!もっと違う言い方して下さいよ!ラファエル様、密会ではありません。農業と畜産業の横のつながりを作りたいと思って」ユイカは三人に椅子を薦め、説明した。


「横のつながりは想像を超えるメリットがあるんです。この国がその仕組みを構築すれば多くの信頼と利益が生まれます。いかがでしょうか?」ユイカは笑顔でダットに頷き、三人に説明した。


「ユイカ!素晴らしい考えだわ!」ジャスミンは久しぶりに興奮をした。ユイカと共にやってきた日々をもう一度本物のユイカと出来るなんて、、


「これは早速取り入れたい、相乗効果は莫大だ」チェスターもユイカの考えに賛同した。


「ユイカ、私はユイカが思うようにやれば良いと思う、今までユイカは一度も負けて居ないから。」


 ラファエルが言った。ラファエル様あの言葉覚えていてくれたんだ。負け戦はしない、、嬉しい。



「で、ユイカまた城に勤務しないのか?」チェスターがラファエルに聞いた。ラファエルは少し考えて言った。


「ユイカをあそこに連れてゆきたくない」ラファエルは首を横に振り言った。


 ジャスミンは察した。いやでもエレノア様やヘレン様に出会うこともあるかもしれない、、。お茶会やパーティで二人を連れて出席するラファエル様をユイカが見るかも知れない、ラファエル様はそんな姿をユイカには見せたくないんだわ。


 ユイカはその言葉を聞きすぐにダットに話しかけた。「ダットさん、色々決まったら連絡しますね、今日はこの辺で、」この話はダットに聞かせたくない。それに緊張して小さくなっているダットを解放してあげたかった。


  「で、では、また、、失礼します」ダットはぎこちなく立ち上がり三人に頭を下げて緊張でロボットの様になりながら店を出て行った。その様子を見ながらユイカはラファエルの顔を見た。さっきの話、、。ラファエル様は私に城に来て欲しくないと言った。仕方がない事だとわかる。だけど、、。


 ラファエルはユイカを見つめため息を吐いた。


 あ、なんか私ラファエル様を困らせているのかしら、、。ラファエル様の妻達に会うかもしれないけど、今日話した事はタウンハウスでは出来ない。でもラファエル様は私の事を思って城に行かせたくないと言っている。私は、私は、、どうしたいのだろう?仕事はしたい。でも、、妻達に会いたくない、けど、やり甲斐のあるこの企画はやりたい。けれど、ラファエル様を心配させたくない、、。


 仕事をしたい私はラファエル様にとってとても厄介な存在なのかもしれない。ユイカは黙って俯いたその時、ジャスミンがユイカの手を握って言った。「ユイカ、新婚旅行のお土産をもってきたの、手を出して」


 ユイカは言われるがまま手を出すとジャスミンはユイカの腕に真珠のブレスレットをつけた。「ジャスミン、とっても素敵、、ありがとう、大切にします」ユイカはジャスミンを抱きしめた。ああ、ジャスミンはこんな華奢な子だったんだ、、あの七歳だった子が今は私の気持ちを察して手を差し伸べてくれる。こうしてジャスミンを抱きしめることが出来る今は本当に嬉しくて幸せ。


 頭の中にいた頃なんでも話し合ったし分かち合えた。こうして実体に戻ってもジャスミンは私の言いたいこと、私の気持ちをすぐに察してくれるのね。ジャスミン、、大切な私のジャスミン。


ユイカはジャスミンを抱きしめながら涙が溢れてきた。


何も言わなくてもわかるよ。ユイカ。ジャスミンはユイカを抱きしめた。




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