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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第二章

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月夜の誓い



 テラスから見える真夜中の街はとても静かで美しい。城の明かりが見える。あの何処かにラファエルがいると思うと切なくなる。この世界に戻ってくる前はあの城に勤務して毎日ラファエルに会って仕事して、ジャスミンの恋を応援して、、


 ラファエルの事いつから意識したんだろう、、。今でも思い出すのはテラスでエレノアとキスをしていたラファエルの事、悔しいけどとても似合っていて素敵で、ラファエルは理想の王子様だと思った。かたやこちらは池に落ちて、、でも、楽しかった。



 あの頃は違う苦しみがあったけれど今の苦しみはとても複雑な感情をはらんでいる。

エレノアと私、同じような時期にラファエルを好きになった。アダムがこの世界に来た頃にエレノアはラファエルと出会ったと言っていた。


もっと早く自分の本体に戻って、国を背負うお姫様に負けないくらい大きな仕事をし、この国の更なる発展に貢献し誰もが納得出来る功績を積んでいたら、何か変わったのかな、、。海岸で瀕死のラファエルを助けたのは私だったともっと早くに言えてたなら、もっと早く気持ちを伝えていたのなら、もしかしてジャスミンの妹達のようにラファエルの側に、行けたのかな、、。そんな取り戻せない過去のことを考えてしまう。


 、、ダメだ、違うこと考えよう。


 ユイカは立ち上がりロデオのマントを見ていた。騎士のマント。帝国の紋章が刺繍してあり少し重い。このマントは騎士の誇りだ。借りているのが申し訳ない。だけどカッコいい!ユイカはマントを羽織り手を広げたり風に靡かせたりして柔らかく重々しい動きを見て一人喜んでいた。


 月と城を背後にして立つと雰囲気が出る。「ああ、スマホがあれば、、」

ユイカは自分の姿を写真に収めたいと思ったが不可能なので仕方なくテラスの柵にもたれかけ街を見ていた。


 突然一台の馬車が現れ真下に止まった。ユイカは下を覗き込むとラファエルが出て来てユイカを見て目を細め中に入っていった。こんな遅くにラファエル様が?何?こんな真夜中にラファエル様が?


「ユイカ!」振り向くとラファエルがとても嬉しそうな顔をしてユイカを呼んだ。


「ラファエル様?こんな夜中に??」ユイカは首を傾げ驚きラファエルを見た。ラファエルはユイカの目の前まで歩いてきた。


「身体は大丈夫なのか?」ラファエルはユイカの額に手を当てながら言った。ラファエルの手が額にあてられ心の中に温かいものが広がった。心配してくれるラファエルを見上げ言った。「はい、熱も下がり気分も良いです。」

ユイカはラファエルを見つめた。ラファエルは髪が濡れており一瞬、第二夫人との事情の後に来たの?と勘繰る自分にうんざりした。胸の中に重たい気持ちが湧いてくる。少し視線を逸らした。


「ユイカ、昼前にユイカに会って、ユイカはまた熱が上がって寝てしまって、私も城に戻らなければならなくて、、こんな時間になったからここに来るのを我慢していたが、ユイカの寝顔だけでも見たいと、、来たらユイカが起きていた」ラファエルは両手でユイカの頬に触れながら言った。ああ、嬉しい。そんな事を思ってくれていたのね、、。ユイカは視線を戻しラファエルを見つめるとラファエルの濡れた髪から水滴が落ちて来た。


「ん、ラファエル様、髪が濡れています。風邪ひいちゃうから部屋に入りましょう」ユイカはラファエルから離れいつかのエデル達の真似をして笑顔で敬礼をした。私の皇帝様はいつも私を大切してくれる。大好きです。そんな気持ちを込め笑顔で敬礼をした。ロデオのマントが揺れ雰囲気がある。



 その姿を見たラファエルはパッと笑顔になり跪きユイカの手の甲にキスをした。私がユイカに跪きあなたの言う事をなんでも聞きたいんだ。


「ラファエル様、このマントを見て?騎士は私。逆でしょ?私がしなきゃ」ユイカは笑顔を浮かべラファエルの前で跪いたが徐に立ち上がり「ちょっとまって」と言って部屋を出てロデオに剣を借り、戻ってきた。


「これがなきゃ!!」ユイカは楽しそうに剣を抱えラファエルの前に来た。ラファエルはユイカが楽しそうにしている姿が可愛くて微笑みながら幸せを噛み締めていた。私はこんな日常が欲しい。


「ラファエルさま、もう一回」ラファエルはユイカの前に立ちユイカはラファエルに剣を差し出した。


 ラファエルはその剣を受け取りユイカの肩に置いた。

 

「心に芯を持ち、揺らぐことのない忠誠をあなたに誓う。裏切ることなく信じ、信じた先に得るものはあなたと分かち合う。礼儀と品位を保ち、己を高め続け、真の強さを持つ。私は愛を持って時には剣に、時には盾となりあなたを守ります。己の全てを捧げれば一生涯私は愛され続け未来永劫に続く騎士としての誇りを手に入れる。」


 ラファエルは驚いた。ユイカは騎士の誓いをラファエルにしたのだ。ラファエルは剣をしまい手を出した。ユイカはその手にキスをして上目遣いでラファエルを見た。


 ああ、ユイカ!!


 ラファエルはユイカを抱きしめた。「私がユイカの騎士でありたい、ユイカ愛しています」


 ユイカは嬉しそうに抱きしめるラファエルを見つめ言った。

「うふふ、皇帝陛下、私も愛しています」二人は見つめ合いキスをした。



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