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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第二章

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嫉妬



 頭が痛い、、


 朝目覚めると体の節々が痛くて、頭も殴られたような重い痛みがあった。起き上がろうとしたが目が回り起き上がれず呼吸も口でしてしまうほど辛い。


 パトリシアがユイカの体を支え白湯を飲ませた。それからスープをすこし飲み、処方された薬を飲んでまた眠った。


 次に目覚めた時,ラファエルが心配そうな顔をしてこちらを見ていた。


「、、ラファエル様?」ユイカは目の前にいるラファエルに驚き身体を起こそうとした。いつからここにいたんだろう?


「ユイカ寝てて良い」ラファエルはユイカに言った。昨夜よりは苦しくなさそうな様子を見てラファエルは安心した。それにユイカは何事もなかったかの様に接してくれる。ユイカ、、すまない。


 ユイカは起き上がりラファエルに挨拶をした。「ラファエル様、おかえりなさい、、こんな姿で申し訳ありません」昨日ラファエルの姿を見た後に張りつめっていた糸がプツリと切れてしまった様になり、元の世界から来た時からの精神的、肉体的疲れがどっと出て雨に濡れた事もあり風邪を引いてしまった。あーあ、元気な姿で迎えたかったな。ユイカはラファエルに頭を下げた。


 「少し楽になったのか?」ラファエルは心の中に第二夫人を迎えた事に対する負い目がありユイカに触れたいが拒否されたらと思いそれが出来ない。けれど目の前のユイカを見て罪悪感と愛おしさが胸を圧迫する。


「ありがとうございます、気分は良いです。」ユイカはラファエルに微笑んだ。複雑な表情のラファエルを見て、ユイカは悲しかった昨日の気持ちを飲み込んだ。ラファエル様は今ここにいる。それが全ての答えだから。


「、、ユイカ、抱きしめても、良いか?」ラファエルはユイカの笑顔を見てようやく自分の気持ちを言葉にできた。拒否されてもそれは仕方がない事。だけど諦めるつもりは無い。何度でも聞く。ユイカは私の唯一の居場所だから。


 ユイカは頷いた。ラファエル様の少し悲しげな表情を見て、どこか安心している自分がいる。私に嫌われたく無いと思ってくれるラファエル様に安心するなんて。ごめんなさい。そんな醜い気持ちを持っている私も私だから、、。


「ユイカ」


 ラファエルはユイカを抱きしめた。一週間離れていた時間はラファエルにとって永遠に感じるほど長く感じた。

自分が第二夫人を迎えにいっている間にユイカがいなくなってしまったら、、そう思うととても平常心では居られない。だから逐一ユイカの様子を報告させていた。アディには呆れられた。けれど、それほどまでにユイカは私にとって大切な存在なのだ。一度失ったあの苦しみは二度と味わいたく無い。


 先ほども朝食を終え一緒のいたいというヘレンを置いてここ来た。一秒でも早くユイカに会いたい。高熱で苦しんでいるかも知れないと思うだけで心配で、不安で生きた心地がしなかった。腕の中のユイカは微熱があり身体が温かい。だけど穏やかな表情でこの胸の中で瞳を閉じているユイカを見つめるだけで安堵感が全身に伝わるのだ。



ラファエルはユイカの額に自分の額をつけて熱を測った。その時ユイカの吐息がラファエルの心をくすぐりそのままユイカにキスをした。


「ラファエル様、ダメ、風邪がうつります」ユイカはラファエルを押し退けた。風邪はうつされた方が酷くなるんだから!ユイカは咄嗟に顔を両手で覆った。


 「ユイカの風邪なら喜んで」ラファエルはユイカの両手を片手で掴みユイカを抱き寄せキスをした。

何の感情もない女には何も感じないキス、ユイカだけは胸が苦しくなる。このままずっとこうしていたいと思う。

離したくない。ずっとこのままでいたい。愛している。



 ユイカはラファエルにキスをされ熱が上がったかのように身体が熱くなった。ラファエルのキスは優しく愛を感じるキス。愛されていると実感できるキスだ。


 こんなキスを第二夫人やエレノアはしてもらっているのかしらと考えると悲しくなってしまう。


 ラファエルの気品溢れる横顔と私を見つめる瞳、全て自分のものになれば良いのにと思う私は贅沢なのかもしれない。昨日帝都に戻ってきたばかりなのにここに来てくれて、、。


「ラファエル様、来てくださってありがとうございます。」ユイカは改めてラファエルに感謝した。


 ラファエルは首を横に振り言った。「私がユイカに一秒でも早く会いたかったから来たんだ」


 ユイカはラファエルにそんなふうに思ってもらえることが嬉しかった。

第二夫人を迎えたばかりのラファエルにそう思ってもらえる事を幸せに感じるなんて、、罪悪感を感じた。



「コンコン」


「ラファエル様、アディです」


 アディがラファエルを呼んだ。ラファエルは抱きしめていたユイカを離しため息をつき、「ユイカ休んでいて」と言いながら部屋を出ていった。


 ユイカは部屋を出て行ったラファエルを見て聞かせたくない内容だとわかった。きっとラファエルは城に戻らなきゃいけないのだろう。


 寂しくないといえば嘘になる、だけど自分で選んだ事だから。


 ユイカは横になって目を閉じた。少し熱が上がったようで身体がだるく眠い。


 そのまま眠った。



 次に目覚めた時は夜中だった。身体が楽になって熱も下がっている。気分はいいが、ラファエルがいないことだけが寂しく思う。仕方がない、。



 ユイカはため息を吐きベットから降りて窓の外を見ると優しい月明かりが街を照らしている。


 ラファエルのいるお城は月を背景に背負っており映画のワンシーンのような風景に感嘆の声が出た。


 綺麗、、。


 ユイカはテラスがある部屋に移動しようと部屋を出ると騎士のロデオが部屋の前で待機していた。


「ユイカ様、お加減は?どこに行かれるのですか?」ロデオは堅物な男で笑顔なくユイカに聞いてきた。


「ロデオ様、顔怖いわ、笑って!」ユイカはロデオに笑いながら言った。


「お加減はよろしいようですね」ロデオもはにかみながら言った。


「ちょっとテラスに出たくて、、」


 ユイカが言うとロデオはユイカをエスコートしてテラスに連れていってくれ、自分のマントをユイカに貸してくれた。


「またぶり返すといけませんから」


「ありがとう」


 ユイカはテラスに出てソファーに腰掛け街を眺めた。

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