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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第二章

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静かな日々



 ラファエルが公務に出かけた。内容は知らない。ユイカが知りたく無いと言ったからラファエルは言わなかった。ジャスミンは結婚式を挙げてすぐに新婚旅行に出かけて三週間居ない。会いたいと思うけど仕方がない。

 

 あまり考えないで過ごそう。


 ユイカは気分転換にジャスミンだった頃に行ったダットの農場に行きたいとアディにお願いした。

アディはすぐに行く手配をしてくれ、アディと護衛騎士と共に行く事にした。


 突然見知らぬ女が訪ねてきたら驚くかな、、ユイカはそう思いながらもダットの農場がその後どうなったのか知りたくて訪ねて行った。護衛騎士、通称グリーンはダットが驚かない様に馬車で待機させアディがユイカに付き添ってダットに会いに行った。アディは執事をしているが実は優れた騎士を輩出している名家出身で腕も確かだ。



 久しぶりに訪ねた小麦畑は立派なじゃがいも畑になっており、作業所も新築されユイカはそれを見て心から喜んだ。ダットが自分を信じてくれた事で彼は小麦農家から方向転換し、努力を重ね成功した。本当に良かった。


 それに、ダットがきっかけになりラファエル様と信頼できる関係になった。



 ダットは初めて見る女性が訪ねてきたことを不思議に思っていた。

ユイカは自分がユイカだと忘れあの時と同じ気持ちで突然話しかけた。


「ダットさん、このじゃがいもは?」山積みになったじゃがいもをみてユイカは聞いた。


「はあ、これは廃棄する物です」


 ダットは突然の質問に驚きながらも懐かしい口調についため息を吐きながら言った。


「何故ですか?」


 ユイカはじゃがいもを一つ手に取りなるほどと思った。


「傷物,虫食い」ダットは視線を落としつぶやく様に言った。


「あの、これ畜産農家に安く売ったら如何ですか?」ユイカはダットに説明し始めた。


「なんて言うか,農家は農家だけじゃなくて、畜産業や他の業種と協力し合う仕組みを作ってお互いがお互いを支え共に利益を出してゆく仕組みを作るんです。そうすればこの国の農業だけじゃなく畜産業やその他の業種も活性化すると思うんです」


 ダットはこの人を知っていると思ったが容姿が違う、でも、、


「あ、、あんた、、ジャスミン様、、」


「あ、、、、そうとも言えるし違うとも、、」


 ユイカはしどろもどろになった。うっかり以前と同じ気持ちでダットに接してしまいユイカだと忘れていた。


「いや,俺たちと話したのはあんただ!あんたのおかげでみんな生活が楽になったんだ!!本当に感謝している、、」


 ダットはユイカの手を取り泣き始めた。何がどうなっているのかわからないが、この人が居てくれたおかげで小麦農家は救われた。我々にとって女神様の様な人だ!!


「ダットさん、これからです。もっともっと成長しましょう、あ、私はユイカと言います。」


 ユイカはダットがわからないなりにユイカを受け入れてくれた事がわかった。説明など要らない。ダットとの絆はユイカがユイカに戻っても変わらないんだ。、、ありがとう。


「ユイカ様、、」ダットは世の中には不思議なことがあるとわかっている。なぜならユイカ様は誰も見向きもしなかった我々に手を差し伸べてくれた唯一の人で、また手を差しのべてくれている。ユイカ様は女神様なんだと思った。


「先ほどの話、興味があったら会いに来て下さい、あ、私、、今、住んでいる場所が違って、、」


 ユイカはどうしたら良いのかわからなくなりアディを見た。


「ユイカ様、これを」アディはユイカに連絡先を書いた紙を渡し、ユイカはそれをダットに渡した。


「あの、ここに連絡くだされば、、」


「?え!これは、、王家専用の連絡先ですか?」ダットは驚いてユイカを見た。ユイカもわからずアディを見た。

「ええ、こちらに連絡ください」アディはにこやかにダットに言った。ダットとユイカは驚き恐縮したが、アディは「ラファエル様のご命令ですから」と答え、二人は連絡を取り合う事となった。




 ユイカは帰りの馬車の中で先程の事をアディに聞いた。


「アディ様、私は王家の人間でもありません、特別にしていただけるのはありがたいですが、気が引けます」


 王室専用の連絡先、、ラファエル様はそんなことまでして下さるの?ラファエルの事考えないようにしていたが、彼に優しさに触れまた胸が痛んだ。


「ユイカ様、あなたはラファエル様が愛する方。あなたより大切な人は居ないのです。」


 アディは少し悲しそうに俯くユイカを見つめ優しく言った。


「、、正直,私はラファエル様に愛されるなんて夢みたいで、、特別なことといえば異世界人なだけで、それに、、エレノア様や、、これからラファエル様の夫人になる方々に,,申し訳なくて、、。」


 ユイカは膝の上に置いていた両手を握りしめた。


「ユイカ様,私は幼い頃からラファエル様をずっと見てきました。ラファエル様は王の資質があるお方で、実際もそうです。でも彼の方は全く全てに興味がなく、とてもクールな方だと思っておりました。ユイカ様に出会うまで」


 アディは強く握りしめられたユイカの手を取り言った。


「ユイカ様が居なくなってラファエル様が人間らしい方だと初めて知り、ユイカ様が戻ってこられてラファエル様がこんな情熱的な方だと初めて知ったのです。ユイカ様は本当に特別な方です。誰よりも特別な方」


 ユイカはアディにそう言ってもらえて嬉しかった。

ラファエルが本当に自分だけを愛してくれていると客観的に言われると自信が持てるような気がした。それもずっとラファエルを支えてきたアディの言葉はユイカの心に届いた。自分勝手な恋愛をしている私をそんな風に思っていて下さるなんて本当に嬉しいし、同じだけ申し訳ないわ。

でも、自分の存在がラファエル様を助けているならばもう少し頑張らないといけない。前向きに過ごそう。


「アディ様、ありがとうございます」


 ユイカもアディの手を握り返して微笑んだ。

 

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