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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第二章

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ラファエルと朝食



 入浴を済ませて身支度を整えパトリシアが鏡を見せてくれた。


 今日は膝下の花柄のワンピース、ベースはミントグリーンにピンクや赤の花柄が鮮やかで可愛い。


 白の編み上げブーツもテンションが上がる。髪はハーフアップにし、毛先のワンカールが動くたびに柔らかく動き黒髪の強い印象を和らげてくれる。


「ありがとうパトリシア、とても可愛くて嬉しいです」


 褒められてはにかむパトリシアの手をキュッと握って微笑んだ。


「コンコン」


 ドアがノックされた。


「ユイカ様、お支度は終わりましたでしょうか?」


 アディがドアの向こうから声をかける。


「はい、お待たせいたしました。」


 ユイカは軽い足取りでドアの方に歩いて行きアディが部屋に入ってきたと同時に弾むような声で話しかけた。


「アディ様、こんな可愛いワンピースをラファエル様が用意してくださって、本当に嬉しいです!」


 ユイカはクルッと回って微笑んだ。朝から本当にテンション上がる!!


「本当に、、ユイカ様は、、、ラファエル様もお喜びになるでしょう、とてもお似合いです」


 アディは素直に喜ぶユイカにつられて微笑んだ。ユイカ様は素直で明るいお方。ラファエル様の氷の心を溶かす唯一のお方だ。


「さあ、こちらに」


 アディはユイカを連れて部屋を移動した。


 昨日の夜食事をした場所にラファエルが腰をかけており新聞を読んでいた。


 こんなにリラックスしている姿、初めて見た。けれど普段着?のまま新聞を読むラファエル様も輝いて見える。かっこいい。こんな姿を見せてもらえるなんて幸せ!ユイカは軽い足取りでラファエルに近づいていった。


 ラファエルもユイカに気がつき立ち上がって嬉しそうに微笑みながらユイカの目の前に立った。


 ユイカは目の前に立ったラファエルに胸がときめいた。優しくこちらを見つめるラファエルに対し喜びに頬を染めながらお礼を言った。


「ラファエル様、こんなに可愛い洋服を用意して下さってありがとうございます。とっても嬉しいです」


 ユイカはワンピースのスカートを持ち改めてラファエルに挨拶をした。ラファエルは嬉しさを素直に表現するユイカが可愛くてスカートを持ち上げるユイカの手を自分の方に引っ張り抱きしめ言った。


「ユイカ,とても似合うよ」


「うふふ、ラファエル様,抱きしめたら見えませんよ」

 

 ユイカは腕の中で笑いながらラファエルに言った。


「フフ、それもそうだな」


 ラファエルはユイカの額にキスをし、そっと離れユイカの手を引いて先ほど座っていた自分の隣の席に連れて行き椅子を引いた。


 目の前のテーブルには朝食が並べられている。

 

「あ、すみません、失礼します」


 ユイカがそう言って腰掛けるとラファエルは声を殺して笑っている。


 ユイカは何がおかしいのかわからない。就活の時に目上の方に対してこう言えば良いと教えてもらったけど、この世界では違うのかな?


「ラファエル様、やっぱりこの言い方と座り方、おかしいですか?」


「ユイカ、おかしくなんかない、ただ思い出したんだ」


 ユイカもピンときた。あ、、またアレか!


「あの日ですね、朝、皇帝と皇后と、、、」


「ユイカ、可愛かったぞ。」


 ラファエルはユイカの手を握り持ち上げてキスをした。ユイカはそんなラファエルを睨みながら口を尖らせ早口で弁解した。


「昨日アディ様にも言ったんですけど、本当にあの時パニックで、ジャスミンは居ないし本当に困っていたんです!」


 ユイカは顔がだんだんと赤く染まる。本当に恥ずかしいわ!


「ユイカ、私はその前の晩に部屋にエスコートした時、ユイカは私の手を握ってニコニコしていたな、忘れられない」


 ラファエルはもう一度ユイカの手にキスをした。


「あーーーもー、本当嫌!もうラファエル様忘れて!」


 ユイカは恥ずかしくて仕方がない。ラファエルは作法も完璧で上品でそんな人から見たらユイカは突拍子の無い女性だ。異世界人といえども作法もわからない自分は流石に恥ずかしい。


 隣で怒っているユイカにラファエルはサラダを取り分け


「どうぞ」


 と勧めた。怒っているユイカも可愛い。こんな幸せな朝を迎えられるとは、、。


 「どうも!」


 もう知らない!ユイカは恥ずかしさを誤魔化すようにサラダを食べ始めた。


「ん?!このドレッシング美味しい!」


 ユイカはドレッシングの材料を思い浮かべた。ラファエルは嬉しそうにユイカを見つめている。


「このオイルはオリーブオイルですか?」


ユイカは給仕をするメイドに聞いた。

 

「少々お待ちください」


 アディがコックを呼んできた。


 ラファエルは変わらず微笑みを浮かべユイカを見ている。ずっとユイカを見ていられる。


「ユイカ様、コックのジョンと申します。」


 ジョンは緊張気味にユイカを見つめ言った。


「あの、このオイルはオリーブオイルですか?とってもフレッシュでどこのでしょうか?」


「ユイカ様の仰る通り、オリーブオイルで、南の地域で取れる上質な物です」


「これ量産しているんですか?」


 ユイカはこのオイルは最高級で量産は勧めないと思った。


「いいえ、このハイド王家のみの物です」


「え?!そうなんですか?!これめちゃくちゃ美味しいですし、高く売れそう」


 ユイカはそう言ってラファエルに微笑んだ。


「ユイカは本当に相変わらず仕事が好きだな。」


 ラファエルはユイカの手を握りキスをした。そんなラファエルにトキメキ過ぎて心臓が破裂しそう、、。幸せ、嬉しい。


「だって、こんなに美味しいのに、、王家だけで消費するの勿体ないです。」


 手を握ってくれるラファエルを見てユイカは言った。


「いつも食べているとわからないが、ユイカが喜んでくれて嬉しいな」


「ラファエル様、私働かないと、ユイカになって実績がないと申し訳なくて」


 ユイカはラファエルの方を向き直し言った。手は握られたままだ。


「ユイカの好きにすればいい」


 ラファエルは少し屈んでユイカにキスをして言った。


「確かに美味しいな」


 二人は見つめあい微笑みあってもう一度キスをした。

 

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