その夜
その夜
タウンハウスに戻り、オープンテラスのある部屋に通されるとテーブルの上にさまざまな料理が並べられていた。
「ユイカ様,こちらに」
アディは公園と城が見える席にユイカを案内した。
そこら見える景色は絵画の様に美しく、おおよそ一キロほど先に見える美しい城にラファエルが居ると思うだけで胸がときめいた。
「ユイカ様どうぞお召し上がりください」
アディはユイカにワインを注ぎながら言った。
ユイカはいつかの朝アディにつれられて朝食に行ったらそこに皇帝と皇后、ラファエルとエレノアがいた事を思い出しクスクス笑い始めた。
「ユイカ様、いかがなさいましたか?」
アディはクスクスと笑うユイカを不思議に思い声をかけた。
「アディ様、思い出し笑いです。池に落ちた翌日、朝食に行ったらすごいメンバーがいる部屋に通されて私はパニックでしたよ。」
ユイカは笑いながらアディに言った。
「懐かしいですね、あの時ユイカ様は部屋を間違っていると仰って、、」
アディもあの日を思い出して笑い始めた。
「もう、どう挨拶して良いのか,どこに座って良いのかわからなくて、ジャスミンは出てこないし、、」
「ユイカ様にとって大変な試練でしたね」
アディはあの日のユイカを思い出しカラクリ箱の事も思い出した。
「あのカラクリ箱をすぐに解体してしまったユイカ様には驚きました。」
、、「あれ、私の祖母の家にあったものと同じタイプで。だから解体できました」
ユイカはアディに言った。
「ユイカ様、不思議なことばかりございますが、ユイカ様にはここにずっといていただきたいと思っています。」
ラファエル様は何かに興味を持つことがなかった。淡々と生活するある意味で心がない様な方に見えていたが唯一ユイカ様にだけは感情をあらわにする。
ユイカ様を絶対に守らなければ。
「アディ様?アディ様は食事は?一緒にいかがですか?」
ユイカは屈託なく笑いアディを食事に誘う。
「ユイカ様、ありがとうございます、お気持ちだけで充分でございます」
アディはユイカを愛したラファエルの気持ちを理解した。
やはり姫や令嬢とは全然違う、ラファエル様がこの先に何人妻を迎えようともユイカ様以外愛す事はないと確信をした。
ユイカ様がその事をどう受け止めるのかわからない、、が、ラファエル様が唯一愛するユイカ様を支えてゆこうとアディは決めた。
食事を終えてドレスから寝巻きに着替えた。
池に落ちた日に着たあの可愛いネグリジェを思い出す様なネグリジェでユイカはテンションが上がった。
「可愛い!嬉しい!!」
ユイカは今日一日が一年の様な長さだったと感じた。
いなくなった日から全て巻き戻し取り戻した様な一日。




