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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第二章

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現実は、、





 現実は想像よりも苦しい。


 エレノアは誰もが認めるラファエルの正妻だ。何があってもラファエルはエレノアを最優先する。



 ユイカがどんなにラファエルが好きでも、そんな思いを抱くこと自体許されないのだと今まさに思い知らされた。握ってくれた手をラファエルから離されると悲しいと思い自分から離した。


 この世界に戻ってきて、この世界は八ヶ月も過ぎていて、、きっとラファエルとエレノアはもっと愛を深めたはず。ただ会いたいだけで戻ってきてしまった私はこの辛い現実を甘く見ていた。


 ソファーに腰をかけ湖畔を見つめているとまた飛び込めば元の世界に戻れる様な気がした。


 どうしよう、どうしよう、、ユイカは何度も立ち上がってガラスの向こうの湖を見てため息をついた。


「ユイカ!」


 ジャスミンが部屋に入ってきた。


「ジャスミン!」ユイカは咄嗟に気持ちを隠し笑顔でジャスミンを迎えた。ジャスミンに心配をかけたくない。


「ユイカ、沢山話したいことがあるの、私の事,ラファエル様のこと、あ、妹たちは結婚解消されたの」

 

ジャスミンはユイカの手を握り話し始めた。


「え?ダフニーとドリス?」


 ユイカは驚いた。ラファエルは気に入っている様な気がしていたから。ジャスミンと話しながら昔に戻ったような気がして先ほどまでの悲しい気持ちも和らいだ。ジャスミン、ありがとう。大好きよ。ユイカはジャスミンの手を握り返した。


「そうよ。あの日ラファエル様の看病をしたのはユイカだとラファエル様が気がついて、ホワイト男爵はもう悲惨な状況よ」


 ジャスミンは少し笑いながら話してくれた。


「お父様はラファエル様に問い詰められてぐうの音も出なかったし、ダフニーとドリスは半狂乱になってお父様はとお母様を責めてね。嘘を言えと言ったのはお父様達で私達は関係ありません!って、城に乗り込んできてラファエル様に言ったら、、下がれって一言よ。感情も無く氷のように冷たくて、二人が震えながら帰って行ったの。、、昔のラファエル様を思い出してちょっと怖かったわ。」


ジャスミンはクスクス笑いながら言った。


 ユイカは楽しそうに笑うジャスミンを見ながら思い出していた。あの家族全員本当に最低だったわ。でもジャスミンはそれを乗り越えて今がある。がんばったね、ジャスミン。


それにしてもラファエル様って相変わらずなのね。昔海で助けた時は可愛かったけど城に勤務し始めた時は冷たかった、でもまた優しくなって、、今さっきは別人かと思うほどキャラが変わってたわ。


 「ホワイト男爵家、、ザマアミロだわ!」ユイカはジャスミンの手を強く握りニヤリと笑った。


「ふふふ、ユイカらしい」ジャスミンも笑いながらユイカの手を強く握り笑った。


「でもね、ユイカ、ラファエル様、、ずっとユイカを探していて、あの日も突然ユイカが消えて、ラファエル様何度も私にお願いして、、」


 ジャスミンはユイカと別れたあの日を思い出し涙を浮かべながら言った。本当にあの日は自分もラファエル様も辛い日だった。ラファエル様は感情を殺し和かにされていたけれど、式が終わりすぐにどこかに出かけてしまって、、チェスター様が極秘で教えてくれたけど、、エレノア様との初夜はずっと延期されていた。それほどまでにユイカを失ったことを悲しんでいた。新婚のエレノア様には悪いけど、、。


「ラファエル様、、探してくれていたんだ、、」


 ユイカはポソっと言った。ラファエル様が私を忘れないでいてくれた上に、、探してくれた、、。胸が締め付けられる。さっきまでの悲しい気持ちが喜びに変わって行くのを感じている。


「ラファエル様ってすごく淡々とされた方だからあまりどなたにも興味がなさそうに見えるけど、唯一ユイカにだけは違うの、ユイカはラファエル様にとって特別なのよ」


 ジャスミンはユイカを見つめた。さっきもユイカが教会を出て行った時,ラファエル様はエレノア様に用事ができたと言って先に戻られた。すぐにユイカの所に行ったんじゃないかってチェスター様が言っていた。ユイカは特別なんだと。


「,,特別だったとしてもラファエル様はエレノア様の夫よ。エレノア様の方がもっと特別なの。異世界の人間の私にだってわかる。諦めなきゃいけないって。」


ユイカは涙を浮かべジャスミンに言った。


「ユイカ、、」


 ジャスミンはユイカを抱きしめた。ユイカもジャスミンを抱きしめた。折角の結婚祝いのパーティなのに、、ごめんね。


「ありがとうジャスミン。ごめんね、引き止めて、、そろそろ行かなくて良いの?」


 ユイカは主役のジャスミンを独り占めしてはいけないと気が付き言った。


「大丈夫、チェスター様がお客様のお相手して下さって、ユイカに会っておいでって」


 ジャスミンは嬉しそうに言った。ジャスミンの頭の中にいる頃はわからなかったけど、こんな可愛い顔をして笑うのね。愛しいジャスミン。


「ジャスミン、私はね、ジャスミンがこんなに素敵な女性に成長してくれて本当に嬉しいの。七歳だったあなたは傷ついた子供で私は絶対にあなたを幸せにしたいって思ってたけど、ちゃんと自分で幸せ掴んだね」


 ユイカはジャスミンの頭を撫でた。かわいいジャスミン、、。


「ずっとこうして撫でてあげたかったよ。本当に頑張ったね。私のジャスミン」


 ジャスミンはもう一度ユイカに抱きつき泣き出した。ユイカはジャスミンを抱きしめて


「私の娘と思っていたんだから」と言って頬にキスをした。ようやく夢が叶った。ユイカは腕の中で泣いているジャスミンの幸せが続くことを心から願った。


「コンコン」


 ドアがノックされチェスターが現れた。


 泣きじゃくるジャスミンを見てユイカに言った。


「ユイカ、俺、ユイカを探し出して結婚式にきてもらおうと思って、、ずっと探していたんだ。」


「、、」


 ユイカは頷いた。返事をしたら泣きそう。ありがとうございます、、チェスター様、、。


「だから今日、ユイカが突然現れた時、初めて神様に感謝したんだ。」


 初めて神に感謝した?!


「プッ!もう、本当チェスター様って面白いわ!!初めて神に感謝したって今まで感謝してなかったの?最高ね!」


 ユイカは目を丸くし口に手を当てて爆笑している。チェスター様って面白すぎる!本当にこの人は愛されキャラだわ!!ジャスミンと明るい家庭を作ってくれそう!!


「おい!ユイカ、お前今笑うとこじゃ無いだろ?感動するとこだよ?本当お前って相変わらずだな!」


 チェスターは呆れたように両手を上げ愛情を込めてユイカに言った。


「ハイハイ、チェスター様も全然変わっていないわ!」


「もー二人とも!!」


 そんな二人をみてジャスミンも笑い出した。


 またこうして笑い合える日が来るとは。寂しかった日々が嘘の様に思えた。



「ところで、、エレノア様が、、ユイカの事聞いてきた」


 チェスターが言った。


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