表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/107

ジャスミンの結婚




 ユイカが居なくなって半年が過ぎた。


 ジャスミンはチェスターとの結婚を控えている。


 ジャスミンは既に公爵家に住み花嫁修行を行なっているが、聡明なジャスミンは短期間で全てをマスターしてしまい、チェスターの両親を驚かせた。


 そして義理の父母はジャスミンを可愛がり、あの遊び歩いていたチェスターがこんなにしっかりとした女性を選ぶとは思っていなかった。


 ジャスミンとの結婚はこのフェルトン公爵家にさらなる幸運をもたらせてくれると歓迎している。


 そんな中で結婚の準備を進めているジャスミンが時々寂しそうに空を見つめる事をチェスターは知っていた。


 ユイカを待っているんだ。


 チェスターもジャスミンの気持ちが理解できる。


 四人で過ごした日々は楽しく、ジャスミンとは違う異世界のユイカは自由で風の様な人だと思っていた。


 風の様に現れ、風の様に去っていった実体のないユイカ。


 ジャスミンの為にユイカを捜したが、見つかるわけもない。そもそも見つける方法も無い。



 今日も寂しそうに空を見上げるジャスミンをそっと抱きしめて、共にユイカを思った。



 ユイカが居なくなって八ヶ月。


 ジャスミンとチェスターの結婚式の当日。


 歴史のある教会で行う式に賓客達が入ってきた。

 

現皇帝のラファエル、皇后エレノア、チェスターの両親が最前列に座った。


 そして一端の空席はユイカのために用意した。



 ジャスミンの両親は2列目、双子の姉妹は三列目に居る。


 チェスターは両親と妹達を招待するのかとジャスミンに聞いた。


 ジャスミンは愛情はもらえなかったがそれでも男爵家に置いてもらえた事でチェスターに出会えたと言った。


 チェスターは優しいジャスミンを抱きしめ、必ず幸せにすると誓った。



 ジャスミンはウエディングドレスに着替えた。鏡の前に立ち目を閉じた。

ユイカ、どう?このドレス私に似合ってる?ユイカが居なくなって八ヶ月、毎日ユイカの事思い出してた。ユイカ、私は今日チェスター様と結婚するんだよ。信じられないでしょ?あのジャスミンが、、よ。


全て,ユイカが居てくれたから、、、、。ジャスミンはギュッと目を閉じて涙を堪えた。折角のお化粧が台無しになっちゃうよ,ジャスミン。ユイカはきっとそう言うよね。


 ジャスミンは目を開けてもう一度自分の姿を見つめた。ユイカに見てもらいたかったな。ジャスミンは両手を握って窓の外を見つめた。



 今日教会でジャスミンをエスコートするのは本来なら父親の役目だが、チェスターはその役目をラファエルに頼んだ。ラファエルはユイカが大切にしていたジャスミンを同じように大切に思っている。だからラファエルは「喜んで!」と引き受けてくれた。



 結婚式が始まりラファエルはジャスミンの手を取り教会に入った。


二人はユイカの事を想っていたがお互い口に出さなかった。けれど二人の気持ちは同じだ。


緊張し震えるジャスミンの手をラファエルは優しく握りしめゆっくりと頷いた。ジャスミンはラファエルを通してユイカを感じた。握られた手から安心感が伝わった。ジャスミンはラファエルに微笑み小さく頷いた。


 多くの貴族達はラファエルにエスコートされるジャスミンを見て驚いた。


 いつも城の中で地味にしていたジャスミンがこんなに美しい人だと誰も気が付かなかった。


 チェスターはそんな貴族達の反応に満足していた。ジャスミンの魅力が今更わかってももう遅い。


 チェスターはラファエルからジャスミンの手を受け取り、ラファエルに感謝を込めて頭を下げた。


 ラファエルは胸に手を当てて、二人を祝福し、ユイカが座る空席を見つめた。


 ユイカ、あなたが大切にしていたジャスミンが結婚する。



 ラファエルはエレノアの隣に腰をかけ幸せそうに見つめ合う二人を見てもう一度、端の空席を見つめた。

 


 ジャスミンはチェスターを見つめこんなに素敵な人が自分を愛してくれる奇跡が起きたのはユイカが居てくれたからだと思い、涙が止まらなくなった。


 チェスターは涙を流すジャスミンを優しく抱きしめキスをして永遠の愛を誓った。


 ユイカ、お前が大切にしたジャスミンを永遠に大切にすると誓うよ。チェスターはジャスミンを抱きしめながら空席を見つめた。


 二人は指輪を交換して晴れて夫婦となった。




「ちょっと!すみませんが、ここを開けていただけませんか?」


 突然教会のドアの向こうから女性の声が聞こえてきた。


「あんたずぶ濡れじゃないか?何者だ?そもそも招待状はあるのか?」


 ドアの前で警備している兵が矢継ぎ早に質問する声が静かな教会の中に聞こえてくる。

 

「招待状?あるわけないじゃ無い、だって私今きたばかりだもの、濡れているのはついた場所が海だったからよ、って、とにかく開けてよ!急いでいるんだから!」


「おいおい,あんたよくみると見慣れない格好しているが、何処からきた?」


「もー、面倒だわ、すみませーん、中の人?開けて下さい!」



 その声を聞いたジャスミンは徐に教会のドアに向かって走り出した。


まさか?!!


 ラファエルも、チェスターもジャスミンの後を追った。


 教会の中は騒然となった。一体何が起きたのだろうと。


 ジャスミンがドアノブに手をかけた瞬間扉が開いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ