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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第一章

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今だけ,もう少しだけ




 ラファエルの結婚式が一週間後にせまった。


 ジャスミンとチェスターは一緒に参加するために準備をしていた。最近ユイカは全く出てこなくなった。


 ジャスミンが起こしても「また後で!」と言って出てこない。


ユイカは自分の役割が終わりつつある事を悟っていた。だから出来るだけ皆と関わらないようにしていた。これ以上関わってしまったら、、別れが来た時、、耐えられなくなる。


 一方でラファエルはユイカに何度も会いたいと言った。しかしユイカは「結婚を控えてる人が異性に会うなんてダメです」と言って出てこない。


 ジャスミンはユイカの気持ちをわかっていた。ユイカは自分の気持ちにけじめをつけようとしている。本当はラファエル様に会いたい、話がしたい,そう思っていることは痛いほど伝わってくる。だけど頑なに拒否し出てこない。ユイカの決心は固い。


「ジャスミン、ユイカに話したいことがある、ユイカに会いたい」


 ラファエルは結婚の準備で忙しい中,何度もジャスミンを捕まえてユイカに会いたいと言っていた。けれどユイカは出てこない。それでもラファエルは諦めることなくジャスミンに言い続けていた。


 そんな諦めの悪いラファエルを初めて見たジャスミンは驚いた。


全てに興味のなさそうなあのラファエル様が、こんなにもしつこくユイカに会いたいと言うなんて、、迷ったがユイカが深夜遅くに公園に行くことを教えた。ユイカ、、ごめん。




「ああ、もうすぐ満月か。」


 ユイカはいつものように公園の噴水の近くに腰をかけラファエルにもらった指輪を月にかざして見つめていた。


 なんだろ、ラファエル様が結婚する、結婚する人を結婚前から好きで、結婚しても好きだとその気持ちが美しく感じられなくなるのはなぜだろう、、。


好きな相手が結婚したからと言って急に気持ちの切り替えが出来れば恋愛ドラマや映画、小説等成り立たなそう。

自分の気持ちも相手の気持ちもコントロール出来ないからこそ誰かと愛し合えることは奇跡のようだと思える。


海でラファエルを助けた時に人魚姫を思い出した。人魚姫は自分の気持ちを伝えることなく海に消えた。幼い頃はなぜ王子様は人魚姫を好きにならなかったのだろうと思った。人魚姫もなぜそんな王子を愛したのだろうと、、。

王子の気持ちはわからないが、人魚姫の気持ちは、、今、少しだけわかる気がする。

人魚姫は王子を愛していたからだと。、、ユイカはラファエルにもらった指輪を握りしめた。


 この世界に来てずいぶん時間が経った。ジャスミンの中に入り込み一緒に過ごした日々は宝のような日々。ジャスミンはチェスターに出会い愛し合うようになり、私は、、ラファエルを好きになった。


愛、、。愛にはたくさんの種類がある。親から子への愛、子から親への愛、恋人、友人、周囲に対する愛、、。人生の中で様々な種類の愛を知り、経験し、またそれぞれの愛を周りに与え受け取ってゆく。

ジャスミンは幼い頃の愛は少なかったがこれからは愛が溢れる人生を歩んでゆくだろう。


 私は実体のない人間だ。そんな私が誰かを好きになることがあるなど考えてもいなかった。でもラファエルは私とジャスミンを見分けた。チェスターも。


実体の無い私を人として扱ってくれた。けれどそんな人間が人を愛する事は問題があったのだ。それでも愛さずにいられなかった私は、ジャスミンがチェスターを愛している今、これ以上ジャスミンの中には居られない。


ジャスミンに人生を返さなければ。だからラファエルに会わないと決めた。


ユイカは握りしめていた指を開き手の中にある指輪を見つめ深いため息を吐いた。



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