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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第一章

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ジャスミンとユイカの恋





「ちょ、ちょっとチェスター様、冗談でもそんなこと言わないでください!!本当無理ですから!!」


 ユイカはチェスターの言葉に恥ずかしさを感じた。そんな想像はしたことがなかったし冗談じゃない!ユイカは顔を赤く染めながら語尾を強め言った。


「いや、ユイカ、俺も無理だから、ジャスミンと思って見たらユイカだったらもうショックで、、」


 チェスターもユイカの言葉に反論している。


 

「何ですって!こっちのセリフです!!」


 ユイカもチェスターの言葉に反論し、腹が立ってきた。何なのよ!私だって嫌だわ!


「二人とも、やめろ」


 ラファエルは少しイラつきながら言い争う二人を止めた。


「、、私は自分の出番じゃない時は眠りますから心配無用ですし、恐らく、、この先ジャスミンから出てゆく可能性が高いと思います」


 ユイカは腹が立っているがラファエルの前だからと極力冷静に、穏やかな口調でチェスターに言った。


「ユイカ、そう感じるのか?」ユイカの言葉を聞いたラファエルは複雑な表情をしユイカ見つめた。


「、、はい、私は消える気がしています。でもジャスミンが幸せなら、私も幸せですから!」


 ユイカはラファエルの方を向き、心とは裏腹に笑顔で答えた。前は言いづらかったけどこんな形で言うのは申し訳ないがラファエルに伝えることが出来た。でも、、本当はラファエルと離れたく無い、怖い、消えたく無い、、。


 ……「私はユイカが居なくなると、、寂しく思う、だから嬉しくない」


 ラファエルが悲しげな表情を浮かべ言った。


「俺も、ユイカが居なくなるなんて嫌だ」


 チェスターも言った。ユイカはその言葉を聞いて胸が詰まって泣きそうになった。


「あ,ちょっとジャスミンに代わります」ユイカは気持ちを隠すように慌てて指輪をネックレスに戻し目を瞑った。


 ……「あ、ジャスミンです。」チェスターはジャスミンの手を握りその手にキスをした。


 ラファエルはそんな二人を見つめていた。


「ユイカはいつもジャスミンが幸せになったら私はきっと違うところに行くんだと思って言ってるんです。」


「違うとこ?ユイカはまた誰かの頭に入るってことか?」


 チェスターが聞いた。


「分かりません。ユイカは自分の身体がどこにあるのかわからないって、。私はユイカには自分の身体を取り戻して欲しいと思っています。」


「ただ、この世界じゃ無かったら、、、二度と会えない、、、」


 ジャスミンは泣き出してしまった。チェスターがジャスミンを抱きしめようとした時ユイカが出てきた。


「あ、チェスター様ユイカです。ちょっと、勝手に私を消さないで下さい,私だって消えてくないです、、せめてジャスミンの結婚式には出たいしって,出れないか、ラファエル様の結婚式が先ですね、、」


 ユイカは抱きしめようとしていたチェスターを押し退けて言った。チェスターを押し退けながらユイカの気持ちは複雑だった。消えないで残っても幸せになれないし、ジャスミンとチェスターの邪魔をしてしまう。やっぱりこんな状態はダメだ。

 

「あ、ラファエル、今日はエレノア姫のドレスを一緒に見に行く日じゃないか?」


 チェスターが突然思い出したように言った。ユイカはその言葉を聞いて胸が苦しくなったが、悟られないようラファエルに言った。


「そんな大事な日に、、すみません、あとはジャスミンとチェスター様に任せて私は消えましょう」


 そう言ってユイカはジャスミンと代わった。


ラファエルは黙ってジャスミンを見つめ、無言で部屋を出て行った。




 翌日、ジャスミンとチェスターが交際を始めた事は大々的なニュースになった。ホワイト男爵家は驚きチェスターに面会をお願いしたがチェスターは一切面会しなかった。チェスターは誰よりもジャスミンを大切にし周りを驚かせた。


 誰一人そんなチェスターをみたことが無かったからだ。


 あの日以来ユイカが表に出てくることが殆ど無くなった。


 ただ、ラファエルとチェスターと三人の時だけ時々入れ替わっていたが、普段は殆どジャスミンが表に出ていた。


 ただ、ジャスミンが夜熟睡してからユイカは表に現れるようになった。

 殆ど深夜だがユイカは外に出て夜の街中を散歩する事が日課になった。


 、、、ジャスミンがチェスターに愛され自分に自信を持ち始め、自分を取り戻してきた。


 だから私の出番がなくなりつつある。


 これは本当に嬉しいこと。


 あの小さな傷ついた女の子が、、今は立派な女性になって、、


ユイカはまるで母親の気持ちでジャスミンのことを考えていた。


もう安心ね。本当に良かった。



深夜の散歩は誰にも会わずにゆっくりと過ごせる。


ユイカは街の公園に入り噴水の近く腰をかけラファエルにもらった指輪を見ていた。


 左手の中指で優しく輝く光の粒はどこか懐かしく、帰るべき場所があると思えるような気持ちになった。


 指輪を夜空に掲げると月のように見える。遠くで輝く三日月が満月になる日,ラファエルは結婚する。



 

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