ジャスミンとチェスターの恋
ジャスミンはユイカの話をするためにチェスターを呼び出した。
一応ラファエルにも声をかけてあるが、結婚を控え忙しいラファエルが来るのかはわからない。
場所は執務室だ。
「おはようジャスミン、、、」チェスターが執務室に入ってきた。
「おはようございます、チェスター様」
ジャスミンは緊張しながらチェスターに挨拶をした。
「あ、えっと、ジャスミン、話があるって言ってたけど、、返事かな?」
チェスターはすこし遠慮気味に聞いてきた。
「返事?」
ジャスミンはチェスターが言ったことの意味がわからず聞き返した。
「、、この前、ジャスミンに、、プロポーズした、、返事かな?」
チェスターは気まずそうにジャスミンを見て窓のほうに歩いて行った。
ジャスミンはあれがプロポーズだと思っていなかったので目を丸くしチェスターに言った。
「チェスター様?まさか本気で私に言った訳ではないですよね、、チェスター様は女性に人気があるし、付き合ってらっしゃる方もいらっしゃるそうですし、こんな地味な私なんて相手にされる訳ないでしょ?」
ジャスミンは自分の気持ちを誤魔化すように早口で言った。
「ジャスミン!」
チェスターは徐に歩き出しジャスミンの前に立った。
「確かに俺は女性に人気があるし、付き合ってる令嬢も沢山いる。だけど、自分が好きだと思った人はジャスミンだけだ。」
チェスターはそう言ってジャスミンを抱きしめた。
「嘘,チェスター様、私を揶揄っているんでしょ?チェスター様が私を好きだなんてあり得ない」
ジャスミンはチェスターの胸の中で泣き出した。
「ジャスミン、俺はジャスミンと一緒に仕事をして、ジャスミンがどんな人なのか知ってゆくうちに君のことしか考えられなくなって、あの日美しい君を見て、、誰かに取られてしまうんじゃ無いかと思っていたんだ。、、、俺が嫌いですか?」
チェスターは胸の中で俯くジャスミンを上から覗き込み聞いた。
「、、いいえ、、チェスター様が大好きです。」
ジャスミンはチェスターに自分の気持ちを伝えた。チェスターはジャスミンを強く抱きしめた。
ジャスミンも泣きながらチェスターを抱きしめ二人はお互いの気持ちを通い合わせることが出来た。
「ところで、そろそろ、、いいかな?」
ラファエルがドアの前で二人を見つめながら待っていた。
「うわっ、ラファエル、驚くじゃないか?!」
チェスターはジャスミンを抱きしめながらラファエルに言った。
「ラファエル様!あ、今はジャスミンです!」ジャスミンは一瞬慌てたが、ラファエルの顔を見て安心した。
ラファエルはジャスミンとユイカを見分けている。ジャスミンに笑顔を向けた。
「お前たち二人が愛し合っていることは本当に良かったと思っているよ。二人とも大事な人だから」
ラファエルがソファーに腰掛けながら言った。
チェスターはジャスミンをソファーに座らせ、その隣に座った。
「ところで,ユイカの事は?」
ラファエルがジャスミンに聞いた。
「あ、まだ、、これからチェスター様に話します」
ジャスミンが言った。チェスターは何のことかわからない。
「ユイカ?」
チェスターがジャスミンに聞いた。
「チェスター様、ユイカは、、私の中にいるもう一人の人間で異世界の人、、」
ジャスミンは不安げな顔でチェスターを見つめた。チェスターはすこし固まっていたがふぅと息を吐き言った。
「そう言うことか、、やっとわかった。時々ジャスミンに見えないジャスミンを感じていたから、その人がユイカ、、」
「はい、チェスター様、ユイカはいつも私を助けてくれる大切な人です。」
「ジャスミン、ユイカは出てこれる?」
ラファエルが聞いた。
「、、あ、大丈夫です、、」
ジャスミンは目を瞑り、目を開けた瞬間ユイカに代わっていた。
ユイカは何も言わずにチェスターを見つめた。
「君は、、ジャスミンじゃない」
チェスターは言った。ユイカは立ち上がりチェスタを見つめ言った。
「うふふ、ジャスミンを幸せにしてあげて、チェスター様、改めまして異世界人のユイカです」
ユイカは笑顔でチェスターに挨拶をし、ネックレスにぶら下げていた真珠の指輪を左の中指にはめてラファエルを見て微笑んだ。
「君がユイカ、、」
チェスターが言った。
「チェスター様、実は何度もお会いしてますが、チェスター様は私じゃなくてちゃんとジャスミンを見分けジャスミンを愛してくださって、、本当に嬉しいです」
「ユイカとジャスミンは全然違うからジャスミンの姿形でも違う人に見えるよ、ラファエル、すごいな!」
チェスターは驚いている。
「ああ、全く違う,ユイカとジャスミンは別人で、ユイカは実体がどこに行ったのかわからないんだ。」
「実体、、」
チェスターは複雑な気持ちになった。
「例えば、あくまで例えなんだが、ジャスミンとキスをしたり、そ、それ以上のことになった時にいきなりユイカに代わるとか、、ないよな、、。」




