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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第一章

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言えない



 ジャスミンはローマン医師にこの症状は毒だとラファエルには言わないでほしいとお願いしていた。

 

 アディもラファエルが毒か?と言ったが返事を濁した。


 ラファエルの婚約式が始まり、終わったら晩餐会、ラファエルは息つく時間さえない。


 けれど何事もなかったように笑顔でエレノア姫と幸せそうに過ごして見える。


 ラファエル様は流石だ。アディはほっと一息をついた。


 しかしなぜジャスミン様は毒を盛られたのだ、、。ラファエル様に言うなと釘を刺され、ローマン医師と先程話をして、胃潰瘍ということで話はついたが、、。


 落ち着いたらジャスミン様と話をしなければ。

 


 美しい二人の婚約式は多くの人を感動させ、そのまま晩餐会が行われた。


 二人は着替え華やかな雰囲気で終始幸せそうに過ごし全ての行事が終わった。


 エレノア姫はその夜もラファエルと過ごしたかったが、ラファエルは婚約式が終わると慌ただしくその場を離れ 話しかけることさえ出来なかった。



 ラファエルは着替えず飛び出すようにジャスミンのいる執務室に向かった。




 

 随分長い時間眠っていた、、。ユイカは表に出ていた。


 目を覚まし天井を見て自分が城の執務室で倒れたことを思い出した。


 ローマン医師が輸血をしてくれ大分楽になった。


 重い体をゆっくり起こしまだ貧血気味でグラグラする頭を手で押さえた。


「気分最悪だわ、、、。目も回る、、」


 ユイカはふと視線を感じ向かいのソファーを見ると正装のままのラファエルがソファーに腰をかけこちらを見つめていた。


「ラファエル、、様!」

 

 ユイカは慌てて立ちあがろうとした。


「そのままで」


 ラファエルは無表情でユイカに言った。


「、、、、申し訳ありません」


 ユイカは体だけ起こしラファエルを見た。


 婚約式が終わって着替えずにここに来て下さった、、大切な日なのに水を差してしまった。


 ラファエルはユイカを見つめたまま何も言わない。何か言わなければ、、


「ラファエル様、ご婚約おめでとうございます。素晴らしい日に、、水を差してしまい、、申し訳ありません、、」


「、、、」


 ラファエルは何も言わずユイカを見ている。多分、、怒らせてしまった、、


 ユイカは緊張で口の中が乾いている。でも話さなくては、、


「ラファエル様、二週間も、、無断で休んでしまい、申し訳、」


「どこの病院にいたんだ?」


 ラファエルは少し強い口調でユイカの話を遮り聞いてきた。


「、、,街にある、闇病院、、です。」


「なぜそこに行った?胃潰瘍なら普通の病院にいく」


 ラファエルは微動だにせずユイカを見つめ言った。


「、、たまたま近くで倒れましたので、、結果そこに、、」


 ユイカはラファエルの視線に耐え切れなくなり視線を外し言った。

 


ラファエルは徐に首のボタンを外し近くにいる使用人を呼んだ。


「アディを呼んでくれ」


 ラファエルはグローブも外しセットされた髪を指でほぐし上着を脱いだ。


 ユイカはラファエルが怒っていることに狼狽えている。どうしよう、、


 私が嘘をついたとわかったのだろうか?でも絶対に言えない。


 あなたの婚約者に毒を盛られたかもしれないなんて、、言えるわけがない。


 体調が戻っていないユイカはだんだんと血の気が引いて行くのを感じた。


 あ、倒れそう、、

 

 そのまま意識を失いソファーに倒れた。




 次に気がついた時、全く見覚えのない場所にいた。


「ジャスミン様、お目覚めですか?」


 まだ幼さが残る可愛いメイドが声をかけてきた。ユイカが表に出ている。


「ここは?」


「城から一時間ほど南にある王家の静養地でございます。今ローマン医師を呼んで参ります」


 その部屋は白を基調にした美しい部屋で調度品は濃いブラウンで重厚感がある。

 大きな窓からはたくさんの光が差し込み気持ちまで明るくなりそうな気がした。


「ジャスミン様、お加減はいかがでしょうか?」


「はい、お陰様で気分は良いです。私は何日眠っていましたか?」


「、、一週間、なんとか安定したようで安心しました。」


 ローマン医師はユイカを診察し、起きたばかりだからゆっくり時間をかけて動くようにとアドバイスをし、部屋を出て行った。

 


 ユイカはまだ頭が回っていなく、部屋の中を見ていた。どうしてここにいるんだろう、、


「ジャスミン様、気がつきましたか?」


 アディが部屋に入ってきた。


「アディ様、ご迷惑をおかけし、、」


「ジャスミン様、謝らないで下さい、ラファエル様のご命令ですから気になさらないで下さい。」


 、、「ラファエル様は、、何か、、言っていませんでしたか?」


「いえ、何も、、、胃潰瘍とお伝えしてありますが、、信じていただいているかわかりません」


「ご迷惑をおかけしました」


 ユイカはアディに頭を下げた。

 


「、、、目星は付いているのですね」


 アディは表情を変えずサラッと言った。


「、、はい。」


 ユイカは小さく答えた。


「、、、、、左様ですか。私も目星はついております。黒幕も。」


 アディはユイカのネックレスを見つめ言った。ユイカはその視線を見てアディは全てお見通しだと思った。この人に嘘は通じない。


「私は、、エレノア様に対し何の邪魔もしておりません、疑われるような行為もありません。出来るわけがない、、けれど、、嫌われているようですね。」


 ユイカはアディに言った。


 アディはラファエルが唯一自分から興味を持って接しているこのジャスミンをエレノアが見過ごすはずがないとわかっている。この金のネックレスも。


 厄介だ。

 

 おそらく、、ラファエル様も気がついている。



 

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