池に落ちる
水分を含んだワンピースは流石に重い。必死に池から這い上がりワンピースの水分を絞った。
とにかく執務室に戻って着替えないと!
髪の水分も絞りながら急いで部屋へと戻り始めた。庭園はライトアップされておりとてもロマンティックな雰囲気だが、今はそれどころでは無い。一刻も早く執務室に戻りたい。
あ、こんなライトに照らされたところを歩いたら誰かに見られるかも!!
誰も見ていない事を確認しようと二階を見上げるtk真上のバルコニーでラファエルとエレノア姫がキスをしている姿が見えた。なぜこのタイミングで、、、。
胸が痛んだ。息が止まりそう、、。
ラファエル様、、
ん?まさか?!こっち見てる?
ラファエルと目があった。
ユイカは二人を見上げる自分の立場や、存在を思い知らされたように感じ胸が詰まった。辛い。住む世界も生きる世界も全て違うんだ、、。そう思った時、目を逸らしたくなった。けれどラファエルはすっとこちらを見つめている。目を逸らせない、、。
なぜこっちをずっと見てるの?どうして、、ラファエルから目を逸らせない。
「あ、」
自分がずぶ濡れだった事を思い出した。
だからラファエルはキスの途中でもユイカを見ているのだ。
ユイカは我にかえり慌ててジェスチャーで大丈夫です、平気ですと弁明し、笑顔で頭を下げ走って部屋に戻った。
なんだったんだ今のは?
ラファエルはエレノア姫がキスをねだったので優しくキスをしている時に庭園を歩くずぶ濡れのジャスミンを見た。そのジャスミンはまるで違う人のように感じた。
そう、ラファエルが気になっている積極的なジャスミンの方だ。
、、、ジャスミンは池に落ちたのか?
ラファエルは急にジャスミンが心配になった。
エレノア姫に少し席を外すと伝えアディを呼んだ。
「アディ、ジャスミンが池に落ちたようだ。すぐに執務室に確認に行ってくれ」
ラファエルはエレノア姫のところに戻り、引き続きエスコートをした。
「最悪、、」
ユイカがずぶ濡れで執務室に向かっているとアディの姿が見えた。
「ジャスミン様大丈夫ですか?いかがされました?」
アディは驚いた様子でユイカに話しかけてきた。
「お恥ずかしい、、池に落ちました。」
顔を赤くしてアディに言った。
「ラファエル様が心配されております。すぐにお風呂の用意を致しますのでとにかくこちらに着替えてお待ちください。」
「いえいえいえ、大丈夫です、着替えだけで、、」
「なりません、ラファエル様に怒られてしまいますから」
アディはジャスミンに微笑みながら思った。この方は唯一ラファエル様が興味を持った女性だ。大切にしなくては。
「、、あの、ラファエル様に、、申し訳ありませんとお伝えください、、。」
さっきの二人のキスを思い出し、少し気分が下がった。そういえばダフニーとドリスは大丈夫かな、、。
割り切っているのかな、、。
それからユイカは違う部屋に案内されそこで風呂に入り着替えを借りた。
「あの、、これって寝巻き?ですよね?」
ユイカはメイドに聞いた。元の世界で言うネグリジェだ。久しぶりに元の世界の事を思い出した。
「はいそうです。ラファエル様からでございます」
メイドはユイカに微笑み会釈をし下がっていった。
「ジャスミンさま、今日はここでお休み下さいませ。」
風呂から上がったユイカの元にアディは現れた。
この部屋はお風呂もあるし、、豪華!まさか、、貴賓室?
「ラファエル様がそう言ったんですか?」
ユイカはこんな豪華な部屋に泊まるのは申し訳ないと思った。
「左様でございます、お洋服は洗濯して明日お持ちします。では、おやすみなさいませ」
有無も言わせずアディは去って行った。
、、、このネグリジェ可愛い。レースがたくさん付いて嬉しいです。
って、仕事の途中だった!!!
ユイカは貴賓室をでて執務室に戻り仕事の続きを始めた。
机上いっぱいに書類を広げてかたっぱしから読み問題点を書き込んでいった。
次々と片付けて行ったが途中から記憶が飛んだ。
「あ!」
ユイカは眠っていた。
机上の書類がバサバサと下に落ちその音に驚いて立ち上がった。
「はぁ、、眠ってしまってた、、」
「ジャスミン」
「キャー!!」
急に誰かに声をかけられ口に手を当てて悲鳴を上げた。
「ラファエルだ」
「?!ラファエル様?」
ユイカはさらにパニックになった
「ラファエル様?ど、な、、ここに?」
ラファエルはとてもラフな格好をしている。パーティーは終わった?
ユイカは頭の中が真っ白になって何も考えられない。




