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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第一章

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小さな変化



 ジャスミンは各部署と連携して、リゾート開発とカジノ事業を推し進めていた。この件について実際はユイカが推し進めている。


 その間、ラファエルは婚約者であるエレノア姫の国に出かけており、チェスターも一緒に同行していたので一人で黙々と仕事を進めていた。


 必要であれば隣国にも出向きジャスミンは精力的に活動していた。


 その間沢山の知り合いも出来た。皆ジャスミンの能力を評価してくれ、共にラファエルを支え良い国を作ろうと協力してくれる。


 ジャスミンは生き生きと働くようになった。それに笑顔も見せるよう変わってきた。


 ユイカは出来ることは全てジャスミンに任せた。


 元々頭の良いジャスミンはどんどんユイカの知識を吸収してユイカが居なくても判断できることが多くなった。


 ジャスミンは鉱山で採れる宝石を工場で加工し、それを輸出するその仕組みを構築した。それを基本に今では様々な物が輸出できる国になった


 これによりゴールドバーグは輸出大国になり、財政の基盤はさらに強固なものになった。


 雇用も促進され、マイスター制度も導入し、仕事に誇りをもつ用人材が国内外から集まるようになりジャスミンは知識と理論に基づいた行動力で唯一無二の存在になった。


 ラファエル達は三週間ぶりに戻ってきたが入れ替わりでジャスミンは隣国に出かけていた。


程なくしジャスミンはゴールドバーグに戻り今日、数ヶ月ぶりに二人に再会する。



「ラファエル、ジャスミンに会うの久しぶりだな」チェスターはソファに腰掛けながらラファエルに言った。


「楽しく仕事をしていると聞いていたが、ジャスミンの能力には本当に驚かされる。」


 ラファエルは窓の外を眺めながら言った。視線の先には庭園で一人で歩きながら書類をみているジャスミンの姿をとらえていた。


 数ヶ月前と全く変わらず、飾り気のない灰色のワンピースに髪は無造作に一つに束ね、編み上げのブーツを履き、真剣な面持ちで仕事をしている。いつものジャスミンだが、あの夜、食事会で会ったジャスミンと庭園を歩いているジャスミンは同じ人物にみえないのが不思議だ。


 チェスターも窓からジャスミンを見た。


 誰かがジャスミンに声をかけた。声の方を向いたジャスミンは輝くような笑顔で手を振っている。


 チェスターはジャスミンのそんな顔をあまり見たことがない。手を振るほど仲の良い人間は数ヶ月前まではこの城にいなかった。


 誰なんだ?


 ジャスミンはその人物の方に歩み寄り、親しげに話をしている。


 その男は騎士の制服を着ている。よくよく見ると、第三騎士団の隊長エデル・チヤリスだ。


 エデルは平民出身の叩き上げで、その腕を買われみるみるうちに頭角を表した騎士で、背は高く、筋肉質な体に髪はダークグレーで瞳は一重のクールな面持ちに加えミステリアスな雰囲気があり,貴族平民を問わず人気がある騎士だ。


 第一騎士団、通称レッドはラファエルと共にレイランド王国に行っていたので、この城に残った第二騎士団、通称ブルーは皇帝と皇后を守り、第三騎士団、通称グリーンはジャスミンなど国の重要人物を守る。


 そういえばグリーンはジャスミンと共に隣国のライトフットに行っていたな、、チェスターは二人を見つめながらそんな事を考えていた。


「チェスター何を見ているんだ?」


 ラファエルが窓の外を見つめるチェスターに気がつき声をかけた。


「ああ,なんでもない」


 チェスターは窓にもたれながら複雑な気持ちになっていた。


「失礼します。」


 ジャスミンが部屋に入ってきた。チェスターはソファーから立ちあがりジャスミンを迎えた。


「ジャスミン、久しぶりだな」


「チェスター様、お久しぶりです。」


 ジャスミンはチェスターを見て緊張した。久しぶりに会うチェスターは変わらず素敵だ。顔が赤くなるのを感じつつ、両手に書類をもって視線を外すように挨拶し頭を下げた。その時、手に持っていた書類が滑り落ちて床に散らばった。


「あ,申し訳ありません」


 ジャスミンはすぐに書類を拾い始めた。一枚の書類がラファエルの足元に落ちた。ジャスミンはラファエルのところに行き書類を拾おうとした時、ラファエルはその書類を拾い上げ内容を確認し始めた。


 チェスターも一緒に確認している。


 ジャスミンは二人の前に立ち読み終わるのを待っていた。


 ……「ジャスミン、頑張っているな」 


ラファエルはジャスミンを褒めた。

 

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