チェスター公爵
「全部、、とても食べられる量ではありませんし、勿体無いから一つだけ頂きます」
ジャスミンはケーキを見つめながら言った。
「全部食べれなかったら一口ずつ食べたら良い。全部の味がわかるぞ」
「、、いえ、一つだけで十分です。」
そう言って紫のケーキを取り、ラファエルを見た。
「どうぞ」
ラファエルはジャスミンにケーキを勧め、ソファーに体を投げ出し王子らしくない格好で背もたれに体を預け目を瞑った。
…疲れているのかな、、そう思いながら紫のケーキを口に含んだ。
これは!!紫芋?!え?
驚いちゃう、そうなんだ!へぇ!!ジャスミンこれ美味しいね!
ユイカはジャスミンを通して味を感じ思わず言った。
まさかこの世界に紫芋のケーキがあるなんて驚いた。
ジャスミンは頭に中のユイカの言葉が可笑しくてクスクス笑い始めた。
ラファエルは片目を開けて笑うジャスミンを見てまた目を閉じた。あんな風に笑える子なんだな。
「美味しかったです、、。ご馳走様でした。」
ジャスミンは目を閉じているラファエルに言った。ラファエルは片手を上げて答えた。
ラファエル様はお疲れのようね、お暇しよう。ジャスミンは立ち上がりラファエルに声をかけた。
「ラファエル様、本当にありがとうございました。お疲れのようですので失礼いたします。ゆっくりお休み下さい」
ジャスミンは静かに部屋を出ようとドアノブに手をかけた。
「、、ジャスミン、お疲れ様」
ラファエルは目を開けてジャスミンを見て挨拶をしてくれた。
「はい!お疲れ様でした」
ジャスミンも笑顔で頭を下げて部屋を出た。
なんだか清々しい気持ちになった。
ラファエル様はよくわからない人だけど、悪い人ではない。ダウニーやドリスは可愛がられているようだし、良かった。また明日から頑張ろう。ジャスミンは足取り軽く家に帰った。
家に帰ってすぐにホワイト男爵家から使いが来て、週末に王家と食事会があるから参加するようにと書いてあった。
そこにお金も一緒に同封してありドレスを買うようにと書いてあった。
、、、ドレス、、妹達はあつらえてもらえるが、ジャスミンのドレスはいつも既製品だ。それに無愛想な使用人に付き添ってもらいドレスを買う買い物は正直言って行きたくない。病気と言って断れないかな、、急にテンションが下がった。
それに仕事でドレスを買いにゆく時間も無い。使いの者ににドレスを買いにゆく時間がないから欠席したいと返事を書き両親に届けるように伝えた。
翌日ジャスミンが城に出勤するとチェスターが待っていた。
「ジャスミン、私の非礼をお詫びします」
チェスターはジャスミンに頭を下げて謝った。
ジャスミンは一気に体温が上がり鼓動が速くなりチェスターを意識した。
「チェスター様、おやめください、私たち一緒に働くもの同士、ラファエル様のために一緒に頑張りましょう」
ジャスミンは顔を真っ赤にしながらチェスターに言った。
「ありがとう、よろしく」
チェスターは可愛らしい笑顔でジャスミンを見た。
ど、どうしよう!!ユイカ!!緊張する!!ジャスミンは興奮している。
ジャスミン,笑顔で返すのよ!頭の中のユイカは言った。ジャスミンは恥ずかしそうにはにかんだ。
そんなジャスミンを眺めながらユイカは思った。チェスターとラファエルどこか似てるけど、、。
ユイカ、二人は従兄弟同士よ。ジャスミンが言った。どうりで似てる、、
この人公爵様なんだ。ユイカはジャスミンの恋を応援したいと思った。色々と口が悪かったのもそう言う訳か、、でも素直に謝ってくれたから悪い人ではない。この人も不器用なのかな?
恥ずかしそうにチェスターを見つめるジャスミンの恋、上手くいくといいな。
チェスター公爵、、うん。良いかもしれない。ユイカは少し安心した。




