自分の立場を勝ち取る
「ハァ、、ジャスミン、行ってどうするんだ?旅行でもする気?」
チェスターは呆れて話していられないという態度を隠さず言った。
「そのドナフィーの街は綺麗ですか?」
ユイカはそんな態度を気にする事なくチェスターに聞いた。ラファエルはジャスミンが何を言い出したのか?という顔をして見ている。
「もうやってらんないな!」
チェスターは怒り出しユイカを睨んだ。
もう、本当にチェスターって感じ悪いわ。
「では質問を変えます。公衆衛生の状況を伺っているのですが」
ユイカは分かりやすく言った。
「なんだそれは、こうしゅうえいせい?」チェスターはポカンとした顔で聞いてきた。
「街にごみは落ちているのか、トイレは綺麗なのか,飲み水は汚染されていないのか、人々は水浴びをきちんとするのか等です」
ユイカは衛生管理に問題があるのではないかと疑った。
「それが病気となんの関わりがあるんだ!」チェスターはこいつは馬鹿なのか?と言う顔をして言った。
「関わりがあるかないか調べるために行きたいと言ったのですが。」
ユイカは現場を見ないと解決できないと思いチェスターに言った。きっと私の言っている意味わかんないだろうなと心の中で思いながら。
「ジャスミン、勝算はあるのか?」
一連の話を黙って聞いていたラファエルはユイカに聞いた。ラファエルは何かを察したように聞いてきた。
「負ける戦は致しません」ユイカは答えた。
「負けるとは?」ラファエルは聞いた。
「まだ実績もない私には問題に対しての発言権も無いとわかっております。功績を上げれば、認めてもらえる。私は自分の立場を立てるために、戦うまでです。絶対に負けません」
ユイカは真っ直ぐにラファエルを見つめ言った。
「一歩間違えれば死ぬぞ?」ラファエルは言った。ラファエルはこのジャスミンの目に引き込まれる思いがした。
「死は怖くありません。怖いのは偏見ですから。ドナフィーの民は恐らく偏見の対象になっているでしょう。急がないといけません」
ユイカは一刻も早く状況を見て対処が必要だと思った。
「では二週間後は?」ラファエルが言った。
「二週間後?この国無くなりますよ?今日行きます」
ユイカは一刻一秒を争う問題だと思っている。
「国が無くなる?感染が拡大すると言う意味か?」
ラファエルは驚きジャスミンを見た。
「はい。」
ユイカは立ち上がりラファエルの前に行った。
「ラファエル様、許可していただけますでしょうか?三ヶ月後には戻ります」
「、、何かいるものはあるか?」ラファエルはジャスミンの任せてみようと思った。
「消毒、、強いアルコールが欲しいです。綺麗な布も、沢山」
「わかった。用意する、早速出発に向けて準備をするがいい」
ユイカは部屋を出て支度を始めた。
「ラファエル、やはりジャスミンは可愛くないな、妹たちとは全く容姿も性格も違う、あれはごめんだ」
チェスターはジャスミンの生意気な態度に腹を立てている。
付き合っている令嬢もそうだが、この世界の令嬢たちは男を立て、穏やかで優しく可愛らしい。
ジャスミンのような女性はいない。
「そうだな、確かのダフニーやドリスは見た目も性格も可愛らしい。一緒にいても楽しいし。姉のジャスミンは全くあの二人と似ていないな」
ラファエルは髪をかき上げ目の前の書類にサインをし始めた。けれどあの瞳、あの瞳は誰一人持っていない強い光がある。
「ジャスミンは生きて帰りますかね?」
「生きてて、、ほしいな」
ラファエルはあの瞳を思い出し手を止めて言った。




