我慢はやめよう
「ジャスミン様、小麦の不況で他国から小麦を輸入すると聞きました」
「、、はい、そのようですね。」
「ジャスミン様はどうお考えでしょうか?」
ダットと、小麦農家の仲間達はユイカに聞いた。
その言葉を聞いたユイカは泣きそうになった。
初めて意見が聞きたいと言われた。
ユイカは涙を堪えて言った。
「、、私の考えは、輸入は賛成しません。しかし輸入をするなら少量、高くても少量に抑えないと、、大量に輸入すれば国内の小麦の価格破壊が起こります。その結果、折角良質な小麦が取れる地域でも小麦農家を廃業に追い込まれる可能性があり、結果輸入に頼るようになれば小麦の値段は上がる、、そう考えています」
そう言ってユイカはダット達を見た。
「我々はこのゴールドバーグでこれ以上小麦畑を続けるのは難しいと考えていますが、他の地域の仲間には続けて欲しいと思っています。どうにか出来ないのでしょうか?」
ダット達はユイカに聞いた。ユイカは頷き言った。
「交渉をするなら、正確な数字が必要です。今どれくらい小麦がこの国にあるのかわかれば、輸入量の交渉をしてみようと思います、。だけど時間があまりありません、数日内に調べる事は可能でしょうか?」
交渉するならば正確な数字が必要だ。それさえあれば理論的に説明できる。
「ジャスミン様、すぐに国中の仲間に連絡し調べます。どうかよろしくお願いします。」
ダット達はユイカに頭を下げた。
「後は、小麦畑を辞める話ですね?」
ユイカは聞いた。
「はい、でもそれはこの件が収まってから相談させて下さい、、正直ジャスミン様が我々と同じ事を考えてくれたとは、、」
ダット達は嬉しそうな笑顔を見せながら言った。
「、、いえ、こちらこそ、、意見を聞いて下さって、、本当、、ありがとうございました。」
ユイカはダット達に救われたと思った。折れかけた心に支えが出来た。
「ジャスミン様がいればこの国はもっとよくなりますね!」
ダット達は暖かい眼差しでユイカを見つめて微笑んでくれた。
「ありがとうございます」
ユイカはダット達に助けられた。悲しかった朝が、今は少し前向きになれた。
よし、城に向かおう。ユイカは城についたらちゃんと自分の意見を話そうと思い決意して向かった。
例えジャスミンが望んでいなくても、これではダメだとユイカは気がついた。
ジャスミンの体を借りている自分が勝手なことをしたらジャスミンが困るだろうと思って今まで我慢したが、それは正しくない。
ちゃんと自分の意見が言える人だと知ってもらわなきゃだめだ!
執務室の前に立ちドアに手をかけた時中からオレリアの声が聞こえてきた。
「ドリス様にお気の毒にと申し上げたら、泣き出してしまわれて、」
オレリアは興奮気味に昨日の話をしていた。あんたが原因ね、、腹が立つ!!
「それで君はラファエルの夫人候補を泣かせたってことか?」チェスターの声も聞こえる。
「はい、事実をに述べただけです。ジャスミン様は能力が乏しく何もできないと言っただけで」
ユイカはその言葉を聞き我慢できなくなった。
「なんなのよ、言いたいこと言って、そのとばっちりでジャスミンはバーニーに殴られたのよ!」
ユイカはドアノブを握り怒りのあまりつぶやいた。
ん?目の前に誰かが立っている、、反射的に上を見上げるとラファエルがユイカを見つめていた。
「あ、申し訳ありません」
聞かれた?どうしようユイカはすぐにドアから離れラファエルに背を向けた。
どうしよう聞かれた?何を言われるのかわからない、どうしよう。
ラファエルは部屋の前で怒っているジャスミンを見た。ジャスミンはあまり感情を表に出さない。
いつも一定であろうとしている子だと思っていたし、妹達とは全くタイプの違う大人しい人だと思っていた。
けれどドアの前で怒っているジャスミンを見た時に、もしかしてこの子はずっと我慢をしていたんじゃないかと思った。
本当は感情が豊かな子なのかもしれない。
なぜか放っておけなくなりラファエルはジャスミンの前に立った。
「ジャスミン、言いたいことがあるなら言っていいんだ」
ラファエルはジャスミンを見つめた。、、この子こんな芯のある目をしていたんだ、、
その瞳を見た時、ラファエルの心に何かが芽生えた。
ラファエルは改めてジャスミンの顔を見て驚いた。
左頬は叩かれた後のように腫れ上がっており、よくよく見るとくちびるも切れていた。
ジャスミンは一瞬目を見開きすぐに下を向き見られたくないと言う無言の意思表示をした。
昨日ダフニー,ドリスと、オレリアにトラブルがあったと聞いた。ジャスミンが原因だと聞いた。
ダフニーとドリスは泣きながら退席したらしい、、。
その事でジャスミンは殴られたのか?ラファエルは気分が悪くなった。
なぜジャスミンはこんな顔をしているんだ。誰に殴られたんだ?




