疎外感
もうそんなに仲良くなったんだ、、。
部屋の中から聞こえる楽しげな声にドアノブにかけた手が止まる。
ユイカは開けるのを躊躇していた。
「でラファエル、週末にあるパーティー、誰をエスコートするんだ?ダフニー?ドリス?それともジャスミン?」
チェスターが上品に紅茶を飲むラファエルを見ながら言った。
「なんだそれは?」ラファエルがカップを置きチェスターを見た。
「いや、ウケ狙い?」チェスターはおどけてラファエルを見た。
「ウケる必要あるのか?そもそもジャスミンは来ない」ラファエルはチェスターを睨み言った。
「まあ、あの子が来るわけないか。」チェスターは肩を窄めつまらなさそうに髪を触っている。
「まあ、ジャスミン様はいらっしゃらないのね、、社交って仕事にも重要なのに」
オレリアは子供を宥めるような言い方でため息をつきながら言った。
また、陰口か。ジャスミンが大人しいと思って好き勝手に言って!
絶対に負けないし、今に見てろ!!ジャスミン、期待してて!
そう思うが今は部屋に入りたく無い。でも、ここにいるわけにもいかないから、、、。
「ただいま戻りました。」
三人はユイカをみて会話を変えた。
うわー嫌な感じ、ジャスミンが頭の中に引きこもっちゃう気持ちわからなくもないわ。
この人たち好きになれそうにないわ!
ユイカは自分は自分だと思い、やるべきことに集中しようと思った。
「先程の輸入の件だが、明日詳細を教えてくれ」
チェスターは隣に座っているオレリアの肩をポンっと叩き言った。
「はい、チェスター様、お任せください」
オレリアは何気なくジャスミンの方を見て言った。本当嫌な感じ!!ユイカはオレリアから視線をはずした。
「ところで、ジャスミン、」
ラファエルがソファーの背もたれにもたれながら声をかけた。
「はい、ラファエル様」
ユイカはラファエルが座るソファーの近くに行き言葉を待った。
「昼に何をしているんだ?一人で食事をして本でも読んでいるのか?」
なにそれ、なんでそんなこと聞くの?ユイカはラファエルがジャスミンに興味がないのに聞いてくることに答える事が面倒だと思った。だって何の意味もないからだ。
「ジャスミンは気が楽でいいなぁ」
チェスターは悪気なく言ったと思うが、それ、結構傷つく、、。
「ジャスミン様はお一人が好きだとドリス様から伺いましたが本当なんですね」
オレリアも言った。
一人が好きか、、。ジャスミンはやっぱりそうなのかもしれない。
誰かにわかってもらおうなんて期待していないだろうし。
私は一人でも二人でもなんでも良いけど、、ユイカはため息を吐き言った。
「、、庭園を散策しております。」
「庭が好きなのか?」
ラファエルは興味なさそうに自分の前髪を触りながら聞いた。
「庭が好き?そう考えたことはありませんが、そうかも知れません」
やっぱラファエルは興味ないじゃない。本当顔だけの男ね。
「意味わかんねー」チェスターがつっこんだ。
「いえ、庭は、色々なことを教えてくれるから、、」
どんなものでもちゃんと見つめればそこからわかる事がある。でもそんな発想わかんないでしょ?
ユイカは心の中で思った。
「いやですわ!ジャスミン様ったらお庭とお話しでもなさるの?!」
オレリアは少し馬鹿にしたように笑った。
そんなオレリアにムッときたが、怒っても仕方がない、同じレベルに下がるだけだ。ユイカは我慢した。
ラファエルは黙っている姿をみて、
「君との付き合いも二ヶ月だが、ちっともわからないな」
ラファエルは淡々と言った。
ラファエル様は本当に私に興味がないんだと思う。
きっとこれからもずっと興味を持たれることはないだろう。
万が一この先に興味を持たれたら出会った頃のラファエル様は本当に嫌いでしたと言ってやる!
でも、この人達、表に出てきたジャスミンにはそんなこと言わないでほしいわ。二度と出てこなくなっちゃうから。
「ラファエル様、私は先程の続きをしてもよろしいでしょうか?」
ユイカはラファエルに聞いた。
「ああ、よろしく」ラファエルは顔を見ずに答え、新聞を読みはじめた。
本当嫌なやつ!!ユイカは心の中で間違ってもこんな男ごめんだわと思った。




