人魚姫と王子
「消える私と王子様」はこのお話で最終話となります。
本当にありがとうございました。
「私はユイカに命を助けてもらい、ユイカを愛しその思いを貫き、人魚姫の王子のように大切な人を失わないでよかった。」
ユイカはあの月夜の晩何気なく言った人魚姫の王子様の話をラファエルが真剣に捉え深い思いを持っていてくれたことがわかり目頭が熱くなった。
「エレノアと結婚直前にユイカに言いたかった言葉、私はユイカを愛している。例えユイカが消えてしまっても私はユイカを探し続ける。今会えなくても生まれ変わっても必ずユイカを探し続ける。なぜなら私の心はユイカに全て捧げたのだから、、そう言いたかったんだ。」
ラファエルは瞳を潤ませるユイカを抱きしめながら言った。
……「ラファエル、あなたは私にとって憧れの王子様だった。全てが完璧で、、、。あなたが幸せになるのなら私は消えても良いと思っていた。だけどあなたはしつこいくらい強引に私をそばに置き、我儘も言って、でも本気で私を愛し守ってくれた。」
ユイカは一筋の涙を流しながらラファエルの頬に触れた。
「だから、、そんな人置いてどこかに行けないし、万が一私が死んじゃったらあなたの人生も終わってしまう。だから人魚姫とは違って、ずっとそばにいることを選んだのよ。」
ユイカが言うとラファエルは頬に触るユイカの手を握り締めた。
「万が一私が元の世界に戻ってしまっても、私は必ずあなたの元に、何としても戻るわ!この世界は元の世界よりも時の流れのスピードが速いの,だから私もものすごい速さであなたを追いかけ捕まえてみせる。だってあなたを愛してるし離れたくないもの」
ユイカはラファエルの胸に頬を当てた。
「ユイカ、もしそうなったら私はユイカが捕まえにくる日を待つよ。ユイカを信じている。」
ラファエルはユイカの頭にキスをした。
「ラファエル、あの星、スピカは私にとってあなたなの。スピカから少し離れたあの星,見える?」
ユイカはラファエルの胸から赤い星を指差した。
「スピカから少し離れたあの赤い星?」
ラファエルは胸の中で自分を見上げるユイカに聞いた。
「そう、あの星、アルクトゥルスはね秒速百二十五キロ、、、滅茶苦茶早いスピードでスピカに近づいているの。スピカのそばに行きたくていつもスピカのことを考えてどんなに離れても必ずスピカの隣に行くんだと思って頑張っているの。あれは私、ね、わかるでしょラファエル」
ユイカは微笑みながらラファエルを見つめ言った。
ラファエルは何も言わず目を細めユイカを強くだきしめキスをした。
二人は立ったまま抱き合い、あの日、出会った時と同じ有機的な波の音を静かに聞いていた。
夜空にスピカが輝いている。
二人の思い出の麦。その名前を冠した美しい星。
その近くにはアルクトゥルスが輝いている。
この海はさまざまな出会いと物語を生み出す異世界への扉。
次は誰がどんな出会いをして人生を歩んでゆくのか
どうか自分の手で幸せを掴んで欲しい。
諦めなければ必ず想いは届く日が来る。
ユイカは愛するラファエルの胸の中でそんなことを思った。
「消える私と王子様」はこのお話で最終話となります。
長い長い話にお付き合い下さって心より感謝を申し上げます。
出来上がっていた文章を毎日毎日書き直した第二章は大変辛い日々でもありました。本職も忙しくさらに次作の薔薇と炎の物語の土日アップ、全てがままならなくなり投げ出したくなりましたが(次作は現在アップが出来ていませんが、、)なんとか最終話まで加筆が出来ました。
思い返せば二人の女の子を主人公とした冷たい王子様との恋を書きたいと思い試行錯誤しながら書いたお話でした。そして第二章では結婚してしまった相手を思う微妙な恋愛をいかにサラッと描くか悩んだお話でもありました。もし不快な思いをされた方がいらっしゃったら申し訳ありません。
そして最大の難所、童話とのコラボも悩ましいところでしたが、なんとか最終話まで漕ぎ着けました。
拙い文章に表現力も乏しい素人の作品は読みづらい部分も多々あったかと思います。作品を重ねるごとに少しでもマシなるように今後も真摯に向き合いたいと思っています。
お話を読んでくださった皆様に感謝を申し上げます。
ありがとうございました。
皆様の一人時間が良いものとなりますように、、沢山の幸せが降り注ぎますように、、
愛を込めて ねここ




