エレノアの本性
ラファエルはユイカを守ってくれたアディに声をかけた。「アディ、ありがとう」ラファエルは心からアディに感謝の思いを伝えた。今だけではなくずっとアディに支えてもらってきた。先ほどのありがとうは多くの意味を含んだありがとうだ。アディはラファエルの気持ちを察し、胸に手を当て頭を下げた。
エレノアは騎士に取り囲まれている。「エレノアを邸宅に監禁しろ」ラファエルは騎士に指示を出しユイカを連れ部屋に入った。ドアを閉めた時エレノアの泣き叫ぶ声が廊下に響き渡った。その叫び声を聞き体を硬直させているユイカを強く抱きしめた。「ユイカ大丈夫だ,私がいる」ユイカは何も言わずラファエルを見つめその胸に顔を埋めた。
ラファエルの怒りは限界に達した。アディが居なかったらユイカを失っていた。命より大切なユイカにナイフを向けるとは絶対に許す事ができない。そのまま切り捨てても良いとさえ思ったが、これ以上ユイカに怖い思いをさせたくなかった。
「ユイカ、怖い思いをさせてすまない。」ラファエルはもう一度ユイカに声をかけた。ユイカはラファエルに強く抱きしめられて安心した。どんな事があってもラファエルは必ず助けてくれる。命をかけても惜しくないと言ってくれるその言葉は恐怖に震えた心を安心させた。「ラファエル、ありがとう、アディに助けてもらって、、怖かったけど、もう大丈夫です。」ユイカは震える手でラファエルのブラウスを握りながら言った。ラファエルは頷きユイカを抱きしめた。
ラファエルに抱かれ少し落ち着いたユイカはエレノアの平手打ちを思い出し、不意にジャスミンの父ホワイト男爵を思い出し笑った。「エレノア様いきなり平手打ちとは、ホワイト男爵を思い出しました。アハハ」ユイカはラファエルを見上げもう大丈夫だと言わんばかりの笑顔を作り笑った。ラファエルは私の心配をして震えている。あのラファエルが震えるほどの心配をかけてしまった。ごめんなさい。ユイカはそんな思いでラファエルを見た。
「ユイカに手を上げたエレノアは許さない。それにホワイト男爵はユイカに暴力を振るった罪で今牢獄にいる」ラファエルは眉間に皺を寄せ言った。え? 牢獄、、「でも、あれはジャスミンだった時なのよ」ユイカがラファエルに言うと「何であってもユイカに手をあげた人間を許すことはできない、そもそもあの男はジャスミンを大切にしなかったからどうにかしてやりたかった。」ラファエルは少し落ち着いてきたユイカを見つめその髪を撫でながら言った。「メチャクチャな皇帝ね、ホワイト男爵わけわかんないと思うけど?」ユイカは笑いながら言った。ラファエルは怖い思いをしたユイカが笑ってくれた事安心した。ユイカもラファエルの気持ちが落ち着いてきたのがわかった。
「ふふふ、なんだって良いんだ。私が皇帝だから」ラファエルはそういいながらユイカを強く抱きしめた。
そうなると、、、エレノア様はどうなるの?「あの,ラファエル,。私は大丈夫です。きっとエレノア様も色々と思うことがあったのですよ。気持ちはわかりますから、あまりひどいことをしないで下さい。」ユイカは自分を抱いたままソファーに腰掛けているラファエルを見上げ言った。
「ユイカ、それは違う、ユイカは人を責めたり暴力をふるったり、ましてや殺そうなどとしたりしない。エレノアとは違うんだ。ユイカ、異世界の男,アダムの時、エレノアはお前達をあの男に殺させるつもりだったことも知っている。エレノアはそんな人間なんだ。」ラファエルは真剣な面持ちでユイカを見つめ言った。アダムの事、、ユイカはやっぱりラファエルは気がついていたんだとわかり胸が熱くなった。ラファエルは見ててくれたんだ。嬉しくて泣きそう、、。
「エレノアは姫として我儘に育った。自分の思い通りにならないと泣き叫び周りが邪魔になるものを排除して生きてきたんだ。彼女は時と手段を選ばない。」
「ユイカは聞いたと思うが、先日のパーティで私とエレノアのキス、あれは私が拒否できない状況で突然キスをしてきたのだ。周りがそれを見て微笑ましく思ったようだが私には不快極まりなかった」
ラファエルはユイカの髪を撫で言った。「そのおかげで私はユイカに嫌われてしまったし」
ユイカは髪に触れるラファエルの手を握って言った。
「、、ラファエル、ありがとう。ラファエルの気持ちはわかりました。私はあなたに従います。」ユイカはラファエルの手にキスをした。ラファエルは目を細めユイカを抱きしめた。




