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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第二章

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嫉妬に狂う



「なりません!エレノア様!!」ユイカは廊下から聞こえてくるアディの声を聞いて、何事が起きたのかと部屋の鍵をかけ聞き耳を立てた。今までエレノアがここに来ることは一度も無かっただけに尋常では無い事が起きたのだと思った。ラファエルと夕食を共にしているはずのエレノアがなぜここに?ユイカはドアに耳を当て様子をうかがった。


「ユイカ!今すぐに部屋から出て来なさい!皇后の呼び出しは絶対なのよ!」エレノアの取り乱したような声を聞いて全身に緊張が走ったが、皇后の呼び出しは絶対という言葉に従う為ユイカは意を決してドアを開け廊下に出た。目の前にいるエレノアは髪を振り乱し、怒りに顔を歪め涙を流しながらユイカを睨みつけている。一瞬鬼がいるかと見間違えるほどの形相でジャスミンの頃に見た美しい面影は一切なかった。ユイカは思わず後退りをした。


 「ユイカ様!部屋にお戻り下さい!」アディは大声で叫びエレノアを後ろから羽交締めにした。エレノアはアディを振り払おうとし暴れている。これではアディが怪我をしてしまう。それにユイカはエレノアと直接話さなければならないと思っていた。ユイカはアディに言った。「アディ様、大丈夫です。エレノア様と話をさせて下さい」ユイカはエレノアの方に歩いて行った。アディは少し間を置きエレノアを離し何も持っていないことを目視で確認し「すぐに戻ります」と言って人を呼びに行った。


「エレノア様、改めてユイカと申します。」ユイカは意を決しドレスを持ち上げ挨拶をした。この人が私達を殺そうとした黒幕、ユイカは目を逸らさずエレノアを見た。「ラファエル様の本妻は私。お前は第三夫人。全ては私が優先され、公の場でエスコートされるのも全て私。この意味がわかる?」エレノアはユイカを睨みながら言った。

「はい、エレノア様」ユイカは返事をしエレノアを見た。下手に反抗しないで大人しく様子をみよう。


「お前、、前に池に落ちた?」エレノアは突然あの日のことを聞いてきた。「はい」ユイカはエレノアがあの日の事を聞く意図が分からず短く答えた。そしてラファエルと夕食を共にしているはずのエレノアが単身でここに来た理由を考えていた。

 ラファエルはエレノアに私が挨拶にゆく日を伝えるはずなのになぜエレノアは一人鬼のような顔をしてここに来たのだろう?それにさっきから自分がラファエルから一番優先されるとか、池に落ちたのかとか、、言っている事の意味がわからない。支離滅裂に感じる。以前から好かれていない事はわかっているけどちょっと不気味で怖いわ。ユイカは嫌な予感がした。


 エレノアはユイカが少しずつエレノアから距離を取ろうとしている事がわかり、徐にユイカに近づき平手打ちをした。ユイカは突然エレノアに叩かれバランスを崩し床に倒れた。その瞬間エレノアは懐からナイフを取り出しユイカに向けた。


 人を呼びに行っていたアディが戻るとエレノアがユイカにナイフを向けていた。「何をなさいます!エレノア様!!ユイカ様にナイフを向けるとは!!そのナイフを離しなさい!」アディは走りエレノアとユイカの間に割って入った時エレノアはナイフを振り翳した。アディが咄嗟にエレノアの腕を掴んだ。「エレノア様!!ユイカ様にナイフを向けるとは!もう言い逃れは出来ません!」

 アディはエレノアがジャスミン達を毒殺しようとしていた時から必死に証拠を探していた。こんな腹黒い皇后がラファエルのそばにいる事が気に入らなかったがそれを言う権利がなくずっと我慢していた。それでもラファエルが幸せになれる望みがあるのかもしれないと黙って見ていたがラファエルはエレノア惹かれることは無く、幸せにもなれなかった。けれどユイカが現れラファエルが変わった。ユイカこそラファエルを唯一幸せにできる人だと確信したアディは命をかけてユイカを守ろうと誓った。


 アディはユイカを守るためエレノアからナイフを奪い遠くに投げ捨てエレノアの後ろに回り込みネクタイを外しエレノアの両手を縛り上げた。腐っても現皇后に対するこの行動は咎められたら死罪だ。それでもラファエルの幸せを守るためなら構わない,アディは躊躇なく行動した。


 ユイカはエレノアからナイフを向けられた時、毒を盛られた事を思い出し鳥肌がたった。アディに拘束されているエレノアは何事もないかのように平然とし話し始めその様子を見てユイカは恐怖で生唾を飲み込んだ。こんな異常な人がラファエルの本妻?ラファエルはこんな人に執着されていたの?


「アディ、ラファエル様の本妻は私。皇后は私なのよ。そこにいるユイカは守るべき皇帝を守らず、逆に守られてラファエル様と共に池に落ちたのです。皇帝が池に落ちるなど許されません。これだけでこの女に妻の資質がない事がわかるでしょう?アディ、そんな妻の風上に置けない女にナイフを向けても私がラファエル様を守るためにした事ですから誰も文句はいえないでしょう」エレノアはさも当然のようにアディに言った。ユイカはこんな状況でも平然と話すエレノアに恐怖を感じ血の気が引いた。この人狂っている。ユイカは震える指先を握り締め息を呑んだ。


 

「私がユイカを守って池に落ちた理由は命をかけても惜しくないという見解はないのだな?エレノア!!」


 ラファエルはエレノアを国に帰すための書簡を整え部屋に戻るとアディがユイカを守る姿が見え急いで二人の元に行った。震えているユイカを抱きしめエレノアを睨みつけ低い声で吐き捨てる様に言った。「エレノア!!ユイカにナイフを向けたお前を許すことはない。離婚する、話は以上だ!」


 

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