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消える私と王子様 〜異世界から来た私は嫌われ令嬢と体をシェアしています。  作者: ねここ
第一章

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ライバルの令嬢



「ラファエル、ジャスミンって必要なの?あの子雑用は出来るけど、何か任せるって、、どう思う?」


 チェスターは昼食を食べながらラファエルに言った。


「真面目な子だけど、、、正直性格もいまいちよくわからないし、社交界にも出ていないから会話も出来ないしな」


 ラファエルは上品にステーキを切り分けながらチェスターに言った。

 

「あ、良いこと考えた、もう一人令嬢を入れてライバルにさせるってどう?正反対な子入れてさ。」


 チェスターはワインを一口飲んで言った。

 

「そんな令嬢いるのか?」


 ラファエルは手を止めチェスターを見て言った。

 

「ラファエル、俺たちと一緒にいたい令嬢は山のようにいるよ。その中で聡明な子を採用しよう。」


 チェスターは笑いながらラファエルに言った。

  

「わかった、一度やってみよう。」


 ラファエルは頷き言った。


「早速手配する」


 チェスターは早速令嬢探しを始め、三日後には一人の令嬢がラファエルに会いにきた。


 栗色の長い髪に緑の瞳、少し勝気な顔をした美人の令嬢だ。


「ラファエル様、はじめまして、私オレリア・バーキンと申します。」


「バーキン、、ああ、バーキン男爵の?」


 ラファエルは少し考え、オレリアを見て言った。


「はい、父のフランク・バーキンは商業を得意としております。私も王国のために働きたいと思っております。」


 受け答えもはっきりしており頭も良さそうだ。ジャスミンとはタイプも違い華やかな印象もある。


「ふむ。よろしい、オレリア、明日から来れる?」


 ラファエルは長い足を組み直し聞いた。


「はい、もちろんですわ。よろしくお願いいたします」


 オレリアは憧れのラファエルと一緒にいられることが夢のようだった。


 父のフランクは同じ男爵のバーニーの娘がラファエルに嫁ぐ上に、長女が皇帝より直々にラファエルの右腕にと任命したことも気に入らなかった。


 そんな時にチェスターから声がかかり、オレリアは父であるフランクに絶対にジャスミンに負けるなと言われており気合が入っていた。


 それにうまくいけばダウニーやドリスのように側室にもなれるかもしれない。


 明日から戦いが始まる。オレリアはジャスミンを徹底的に排除しようと決めた。



 朝ユイカが出勤すると部屋の中から楽しげな声が聞こえてきた。お客様?


 中に入るとラファエルとチェスターと初めて見る女性がソファーに腰掛け会話をしながらこちらを見た。


「ジャスミン、こちらに、」


 ラファエルが呼んだ。いつもユイカが座っている場所にその女性がいた。


 うわ、どこに座れば正解なの?!わからないからとりあえずソファーの近くに立った。



「ジャスミン、こちらは今日から一緒に仕事をするオレリアだ」


 一緒に仕事?同僚?挨拶しなきゃ。


「はじめまして、ジャスミンと申します。ジャスミンとお呼びください。よろしくお願いいたします。」


 ユイカはその女性に向かって挨拶をした。その女性は立ち上がり優雅な笑を浮かユイカに挨拶をした。


「はじめまして、私オレリア・バーキンと申します。私たち父の爵位も一緒ですし、オレリアと呼んでください。仲良くお願いしますね。」


「はい、オレリアさん、よろしくお願いいたします」


 ユイカは頭を下げた。オレリアは優雅な笑みを浮かべユイカを見ている。


「じゃあ、そう言うことでこれからは四人だな」チェスターは長い足を組み二人を見て言った。


チェスターの二人を比べる様な視線が嫌な感じ!ユイカは心の中で思った。ラファエルは上品に紅茶を飲んでいる。どんな意図があるんだろう、、、。



「早速だが、我が国の主食である小麦が長雨で被害を受けている」チェスターが資料を見ながら言った。


「被害が大きいと消費に対し小麦が不足するな、、」ラファエルが言った。


「チェスター様、我がバーキン一族は小麦の輸入も行っております。不足分を補うように手配しましょうか?」


 オレリアが早速提案をした。


「オレリア、早速役立つな!頼むよ!」チェスターは満足げな顔をしオレリアを褒めている。


 ユイカは座る場所がなくずっと立っていたが、誰かが気がつくことはなかった。


 でもこれも特別なことではなく、今まで何度も経験している事。


 ジャスミン、私は怒りたいよ。蔑ろにされる理由は無い。自分からソファーに腰掛けると言ってもラファエルの隣しか空いてない。そんなところに座れる訳ないじゃない。


 でも私はジャスミンじゃないから我慢するけど、ユイカ本人だったら怒りたい。だけど気にかけてもらえないほど存在感を示していないのも事実。


 

 チェスターは小麦がどれくらい不作なのか資料をもとにまとめて提出する様にユイカに言った。


「はい」


 チェスターから資料を受け取りその資料を持って窓辺で壁にもたれながら読んだ。


 昔こんな勉強したよね。

 

 輸入じゃダメだ。


 この国は輸出の国にしなければ。それに、、池の水でわかるように、ここの地域雨は酸性が強い、地方は資料から見ると問題がなさそう。でもこの地域で小麦栽培はもう無理だ。


 このままだとこの地域の小麦農家はいずれ職を失う。そこも早急な対応が必要になる。


 他の作物で主食になるもの、、、じゃがいも!小麦畑をじゃがいもに変える、、


 とにかく現状を知る為に小麦畑を見に行かなきゃ。


 この資料で行くと、、高温多湿のこの地域が特にひどい、他はもしかして一時的なものかもしれない、

 

 とにかく小麦農家の人から話を聞かないと、、。


「、、ジャスミン、聞いてる?」


 ラファエルがユイカに声をかけていた。


「ラファエル様、すみません」


 ユイカは慌てて聞き返した。


「ジャスミンお昼だ」


 ラファエルはユイカを見つめながら言った。その表情はどこか冷たく本当にラファエルにとって興味のない人間だと思い知らされる。顔だけ王子!今に見てろ!


「あ、すみません、行ってきます」


 でもまあ、ラファエルはなんの役にも立たない私が嫌なんだろうな、、情けないけど、、事実役に立っていない。


 それに比べてオレリア様は、、いいえ、自分は自分、出来る事をやろう。



 ユイカは例の池に行った。鯉は元気に泳いでいる。


「あ、ジャスミン様、見て下さい、この鯉生き生きしてるでしょ!」


 使用人は嬉しそうに言った。


「本当ですね、よかった。、、、あ、ところでえっと名前は?」


「ドルフ申します」


「ドルフ、小麦農家に知り合いいませんか?」


 次の休みを利用し、現状を見たいと思っていた。


「はい、仲間に聞いたらすぐに紹介できると思います。明日でもよろしいでしょうか?」


 明日の昼にまた会う約束をし、ユイカは執務室に戻った。



「まあ!チェスター様、それは良いお考えですわ!」


 執務室のドアを開けようとした時、オレリアの楽しそうな声が聞こえてきた。


 

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