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5杯目 デートの準備は大変だ

「……んー。まぶしっ。ふぁー」


 カーテンの隙間から刺しこむ太陽の光を浴びて、僕は目を覚ます。普段なら、大学が休みの休日二度寝をかますところだが、今日は違う。無理矢理にでも、重い体を起こし、洗面所へと向かう。  


 リビングに降りると、ニュースがやっており、そこに表示されている時刻は午前7時。待ち合わせまでは、3時間程余裕もある。とりあえず、顔を洗って歯を磨く。

 諸々の支度を終わらせた所で、最後の難関がある。デートをしたことがない俺にとっては、とてつもなく大きな壁だろう。目元までかかる髪のまま行くのは失礼だし、服の組み合わせも悩む。


 まず初めに髪の毛を少しセットしよう。目がしっかりと見えるよう、それでいて髪を上げすぎないように。何かいい髪型はないのかとスマホで調べる。そこで、自分でも簡単にできそうな髪型を見つけた。

 

 髪のトップをワックスで立たせつつ、前髪を左右どちらかに流す。というものだった。見様見真似でやってみることに……


「……っげ」


 結果から言うと、失敗した。かかった時間は15分。どんな感じになったのかと言うと、トップは立たせすぎて、どこかの戦闘民族の様になり、前髪は左に流したはいいものの、ワックスを付けすぎたことにより、お風呂に何日も入れなかった人の様になってしまった。


「おぉ! こんな感じかな?」


 それから、洗い流してセットしてって言うのを、かれこれ10回ほどトライした。やっと多少は人前に出ても恥ずかしくないくらいにはできたと思う。因みに時間の方は1時間程。ホッと一息……と、いきたいところだが最後の壁が(そび)え立っている。


────洋服どうしようか問題


 僕は、普段遊びに行くことがない。外に出てもスーパーに買い物に行く程度。だから、普段の洋服はグレーのスウェット。だが、流石にスウェットで行くわけにもいかない。そう思い、急いで箪笥(タンス)の中から洋服を雑に取り出し、ベッドに並べた。


「にしてもパッとしないなぁ……」


 マジでわからない。洋服なんて着てればなんでもいいと思う僕は、組み合わせをどうすればいいか、どんな服が大学生らしいのか分からなかった。いやでも、本当にどれも同じに見えるんだよな……


 40分程悩み、黒い無地のTシャツに、デニムパンツを選び着替えた。

 この先に絶望が待ってることを知らずに……


「……あっ」


 着替える前に、髪の毛をセットしてしまった為1時間の成果が無に帰した。

 結局僕は再びセットをし直して、時間ギリギリの9時40分に家を出たのだった。


◇◇◇

〜陽華side〜


「……んー! ふぁぁー」


 午前7時。普段の休日より早く起きた。理由は単純。今日は待ちに待った根暗くんとの初デート。約束の時間まであと3時間。私はとりあえずベッドから起きて、朝食を食べた。


「……んー。根暗くんの好みはどんなだろう……」


 朝食を食べ終え、私は根暗くんの好きな髪型やメイクが落ちないか、服装について悩んでいた。と言っても、服装は前日には決めていたのだが……今になって本当にこれで良いのだろうかと思ってしまう。


 普段男女混合の数人で遊ぶ時は、こんなに困らない。好きになられたい訳でもないし。だけど今回は違う。好きな人と出かけるなんてした事ない。まあ、好きな人なんていた事ないけどね。


「……出てくれるかな」


 困り果てた私は、朱里に電話をする。朝早いのに申し訳ないと思いながら。

 すると、3回ほどコールが鳴り朱里は出てくれた。寝起きの声で……


『……ん゛んー? どうしたの? こんな朝早くから……」

「ごめん朱里! 起こしちゃったよね……でもどうしても聞きたい事があって……」

『別にいいよ。ふぁぁー。で、どうしたの? 寝起きの頭で理解できる話なら聞くよ』

「今日、彼に誘われて出かけるんだけど髪型、メイク、服全部に迷ってて……」

『成程。彼に誘われ……って、え!? 今なんて言った? それってデートじゃん」

「そうなの……でも、経験ないからわからなくて……」

『成程。それと私が、さもデートしたことあるみたいに言うなし! でもまあ、普段通りのメイクでいいんじゃない?』

「普段通りか……それで良いのかな?」

『うん。普段メイク薄いでしょ? 濃すぎると嫌って言う男子いるし。髪も陽そんな長くないから、綺麗に整える位で大丈夫だよ。服は昨日の夜とかに決めなかったの?』

「そっかぁ。服も決めたけど今になってこれで良いのかなって……」

『大丈夫。陽は何着ても似合うし』

揶揄(からか)わないでよ……」

『いや、割と本気で言ってる』

「……もう! 朱里はいつも急にそんなこと言うから……でも、本当にありがとね! 起こしちゃったのに真面目に聞いてくれて」

『良いって。その代わり、初デートの感想待ってるね』

「うん!」


 朱里のアドバイスを受け、私は着替えて、メイクをして、髪の毛を整えた。


「行ってきます!」


 一人暮らしの部屋に向かいそう言って家を出た。

 今日のデートに対する期待と不安を抱きながら……

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