表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第2章完結】お酒の力を借りまして〜隠れイケメン陰キャの俺がお酒の力を借り、大学一の美人な酒豪彼女ができました〜  作者: 小鳥遊NEØ
2章瓶 お酒の力を……

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/34

17杯目 上戸な君と下戸な僕

 大学2回生になり、誕生日を迎え私はお酒が飲める年になった。因みにだけど、お酒は大好き。だが、そんな私には悩みがある。去年、無理矢理飲まされた合コンがきっかけだと思う。それは……


『お酒に酔うことができない』


と言うものだった。私だって本当は、嫌なことなどを酔って忘れたい。だけどどれだけ飲んでも酔うことができない。心の奥底では、酔うことに対して怖いと言う思いがあるのだろうか。酔うことができれば、もっと根暗君にグイグイ行けると思う。そんな事を考えていた私は


「お酒の力さえあれば……」


 と自室で呟く。お酒の力に頼る。って言うのは、いい事なのかはわからない。だってそうでしょ? もしお酒の力に頼って付き合えたとして、その後好きって言える? 言える人もいるんだろう。でも私には無理。


「はぁ……とりあえず飲むかぁ」


 私はそう言って、冷蔵庫からテキーラを取ってくる。何故テキーラなのかは、言わずともわかるだろう。あえて言うなら、酔える事に期待して。ってところだろうか。

 

 テキーラをショットでどれだけ飲んでも酔えないので、最近では大きめのグラスに並々注いで完飲する。それが私の日課だ。友達には引かれるんだけどね……まぁ、いいでしょう。私がどれだけ飲もうが誰にも関係ないしね。


「さて、お次は何にしますかな……と」


 半分程入ったテキーラの瓶を空にした私は、次に飲むお酒を探していた。そんな時だった……


──プルプルプル


 急に電話が鳴る。誰からだろう? そう思い、スマホを見ると『根暗くん』と表示されていた。急に根暗くん(好きな人)から電話が来たことで、舞い上がったがすぐに落ち着き電話に出る。


「もしもし?」

『も、もしもし』

「どうしたの? 根暗くんから電話って珍しいね」

『そ、その……な、何……してるのかなって……』


 根暗くんが何してるか気になって、電話してくるなんて期待しちゃうよ……そんな事を考えつつ、態度に出さない様に答える。


「私? 今はお酒飲んでるよ〜!」

『お酒かぁ。根明さんは、お酒好きなの?』

「うん! でもね……私、どれだけ飲んでも酔えなくて……」

『そう……なんだ……それはやっぱり、()()()()()()()


 あの時……多分合コンの事だろう。根暗くんに助けられたあの時の。私は、あの時のことを思い出しながら言う。


「うん。多分そうだね。あの時の根暗くん、とてもかっこよかったな……」

『……そ、そんな事はないですっ! 根明さんが無事だったからよかった』

「でさ、根暗くんはいつまで根明さんって呼ぶの?」

『……えっ? どうしたの急に……』

「急でもないよ……あの時は名前呼んでくれたじゃん……」


 あぁ。酔ってはないはずなのに、どうしてこんなこと言ってるんだろう。急に言われたら根暗くんも困るのに……自分の言ったことに後悔し、冗談だった。と言おうとした時だった……


『……わ、分かりました。で、でも……は、陽華さんも僕のこと……な、名前で呼んでね……?』

「…………えっ!? 今、分かったって言った?」

『……はい。その代わり、名前で呼んでね……』

「……う、うん。…………か、陰雄くん」

『…………』

「…………」


 どう言うこと? なんで急に名前で呼んでくれる気に……え、やばいんだけど。好きな人に名前で呼ばれるようになるなんて……嬉しすぎて心臓はち切れそう……なんて私は心の中で、大はしゃぎした。


 ただ、この後お互いに喋ることができなくなり、電話は終了した。


「……少しは前進したの、かな?」


 と私は、静かになった部屋で、一人呟いた。

 余談だが、この日はこれ以上お酒を飲むことはなかった。


 

◇◇◇



「……どうしよう。ついにお互いに名前で呼ぶようになってしまった……」


 僕は通話終了画面を眺めて呟く。

 これからは、積極的にアプローチをしていくと決めた僕は、初めて特に用もなく彼女に電話をかけた。他愛もない話をしていたはずが、いきなり名前を呼んでと言われたのがきっかけだった。普段の僕なら、うまくかわしただろう。だが、積極的にと決めたのでいい機会だと思い、彼女の案に乗っかった。


 しかし、その後お互いに恥ずかしくなり、そのまま通話は終了した。もう少し話せれば……とも思ったが、少しだけ前に進んだ関係に僕は、自分を褒めてもいいだろう。


 愛理への罪悪感はまだあるものの、明日大学に行くのが楽しみになったりもしている。


 そんな気持ちを抱きながら、僕は久々に深い眠りについた。


 明日、大学であんな事があるとも知らずに……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ