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【第2章完結】お酒の力を借りまして〜隠れイケメン陰キャの俺がお酒の力を借り、大学一の美人な酒豪彼女ができました〜  作者: 小鳥遊NEØ
1章瓶 彼女との出会い

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10杯目 根暗 陰雄の過去。

「迎えにきたよ。陽華」


 僕がそう言うと、根明さんを除く、その場の5人一斉にこちらを振り向く。男3人は、こいつ誰だよみたいな目で。女2人のうち、1人は眉間に(しわ)を寄せながら、こちらを睨んでいる。


 そんな事を気にも止めずに、彼女の元へ駆け寄り、抱き寄せる。そして、彼女を連れて帰ろうとする僕だったが、睨んでいた女がそれを止めた。


「ちょっと待てよ。あんた誰なんだよ。いきなり来てそれはあり得ないでしょう?」

「本当だよ。お前誰だよ」

「いいから陽華ちゃんを置いていけ」


 そんな彼女に乗っかるように、モブ男A、Bも喚く。

 その瞬間、僕の中の何かがプツンと切れる音がした。普段ではあり得ないだろう。誰かのためにこんな事をするなんて……


「…………よ」

「何? なんて言ったか聞こえないんですけど? はっきり喋ってくれないかな?」

「誰だよって言ってんだよ! 陽華のお茶を勝手に変えたクソみてぇな人物は?」

「いきなり現れて何様のつもり?」

「いいから答えろよ! そうでなくちゃ、陽華からあんなメッセージ来るわけないだろうが! お前ら本当に人間なのか?」


 いきなり僕が、怒号を浴びせるもんだから、所詮顔だけがいいモブ男達は固まってしまった。そして、私は何もやってないと帰ろうとする女がいたから、僕はそいつに向かって声をかける。


「おい。お前はなんで帰ろうとしてんだよ」

「わ、私は何もやってないので……」

「はぁ? 何ふざけたこと言ってんの? お酒に帰るのを見ていて、止めなかったなら同罪じゃないのか?」

「わ、私は止めたんです……で、でも音音が……」


 そこまで言うと泣き出す女。

 今この居酒屋の空気は最悪だろう。いつまでも、店の中で怒鳴るのも店に迷惑が掛かるので、僕は最後にこう言った。


「お前ら、次同じことしたらしらねぇかんな?」


 彼女をおぶりながら、お店を出たのである。


 (あぁ。私は今、あの男達に連れられて……最後に根暗くんと会いたかったなぁ……でも根暗くんの声が聞こえた気がしたけど……)


◇◇◇


 僕は、根明さんを背負いながら夜道を歩いていた。連れ出したのはいいものの、彼女の家を知らない僕は、とりあえず僕の家のベッドで寝かせることに。安心してね。僕は何もしない。むしろ出来ないだろう。だから帰り道に、彼女の胸の感触を感じること、くらいは許してほしい。


 まあ、冗談はさておき家に着いたので彼女をベッドに寝かした。その後僕は、彼女が起きた時に、あらぬ誤解をされたくなかったので、部屋の隅に正座して待つことに。


「……こころこ〜? ひらないてんろうだー!」

(ここどこー? 知らない天井だー!)


 ラノベかよ! 思わずツッコミそうになった口を噤んで彼女の元へと駆け寄る。

 

「根明さん、大丈夫ですか?」

「あれぇ〜? えふらくんら〜」

(あれー? 根暗くんだー!)

「とりあえずこれを」


と言い、水を差し出す。それを受け取った彼女は、ごくごくと飲み干し、再び眠りについた。


 眠った彼女を見て、安心した僕は部屋の隅で眠りについた。僕は夢を見てしまう。

 高校時代の、僕について……


◇◇◇


 高校生と言うのは、不思議なもので、割と他人に深く関わりすぎてしまう。その後に、どんな結果があるとしても。


 今となっては、陰キャぼっちを極める僕も、高校生の頃は友達もいた。そんな時だった。好きだった、姫川 有紗から告白をされ、お付き合いすることになったのは。


 僕自身、顔はそこまで自信なく、髪は短髪。普通の青年といったイメージだっただろう。だから、告白なんてされたことも無く、彼女がいた経験もなかった。それでも、初めて告白され始めての彼女が出来たことに、僕はすごく浮かれていたんだと思う。


 付き合ったその日に、一緒に帰ろうと姫川の教室に行った時だった。教室の中から、数人の男女の話声が聞こえてくる。その中には、姫川もいた。学内一かわいい彼女が出来た、あぁ、僕は幸せだな。そう思った時だった。僕の耳にはとんでもない言葉が飛び込んでくる。


「ねぇみんなさ、根暗陰雄って知ってる?」

「え? 誰それ」

「あ! 俺知ってるよ! あの陰キャ隠してそうなやつね!」

「そうそう! そいつにさ、冗談で告白したんだけどさ、涙を流して喜んでOKしてきたんだけど」

「うぇ、何それきもっ」

「あ、でもあいつん家、親が社長で金持ちらしいよ」

「えっ! 本当? なら沢山金使わせてから、別れようかな!」

「いいなぁー。私にも何か、回してよ?」

「もちろん!」


 その後も何か話していたが、僕はその場から逃げ出していた。そして、後日校舎裏に呼び出された際、事件は起こる。


「陰雄! 最近元気なくない?」

「そ、そうかな」

「そうそう! 陰雄ちょっとこっち来て」


 姫川はそう言うと、壁際に僕を追い詰め、次の瞬間叫ぶ。

 何が起きたか分からなかったが、理解するのにそんなに時間はかからなかった。


「誰か……ぐすっ……助けて……うぅ……」

「どうした! 有紗!」

「根暗に、襲われそうに……」

「ち、違う……ぼ、僕はやってない……」


そう。姫川に寄って来た男子生徒は、あの時教室で喋っていた男子だ。僕は必死に釈明をした。しかし、片や泣いてる学内一の女生徒、それに比べて僕は、必死に弁明しようとしている陰キャ男子。この状況で、釈明などできるはずもなく。


 気づいた時には、お金をあげるだけの関係になっていた。それから僕は、転校をすることになる。それ以来、独りが嫌いな僕は、自ら独りを選ぶようになった。短かった髪を伸ばして、人と話すときは()()()()()()をして。いつしか本当にキョドってしまうようになるのだが。


 そんな時に、愛理は僕に歩み寄ってくれたのだった。愛理が居なければ正直大学に通うなど考える事もなかっただろう。


 ここまでみたところで、これ以上の夢を見ることはなく、僕は目を覚ます。


◇◇◇


「あれここは……どこなんだろう」


 朝起きると、私は知らない天井を見ていた。どこだろう。と思いながら体を起こすと、いるはずのない人物が目に入る。


「っえ? 根暗くん……」

「……あ、お、起きましたか……」


待って待って待って待って。なんで起きたばかりの私の前に、根暗くんがいるの? え? 夢? 思い出せ私。すると昨日の記憶が徐々に蘇ってくる。そして、私の為に怒ってくれた根暗くんに惚れ直したのだった。






















 

















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