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傲慢な男らと意固地な女  作者: 迷子のハッチ
第4章 王妃として
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第53話・1 打明け話(1)

 ラーファの生い立ちを説明する、前夫のロリ疑惑が・・・。

 その夜、夜4時(午後9時)ごろ部屋へやって来たビェスに空間収納(神域)を見せた処。


 しばらく目を見張ったまま考え込んでしまった。


 ビェスは私が魔法のカバンを持っていた事も、空間収納(神域)にマーヤを入れて育てている事も説明した積りだったけど、忘れたのかそれとも私が説明して無かったのか、知らなかったようです。


 しばらくうなっていましたが、「聞いたほうが早いか。」とつぶやいた。


 「空間収納のスキルではどのくらい物が入るのかい?」


 やっぱり収納の大きさが気になる所だよね。


 「そうね、此の王宮がスッポリ入るわ」


 「それは凄い!」やはり衝撃的だったのか、絶句していたがしばらくして聞いて来た。


 「物だけでなく人も運べるかい?」


 恐らくキーグを中で飼っていると説明したから思いついたんだと思う。


 「いいえ 生き物は中に入るだけで死ぬわ!」


 はっきりと言わないと実験なんかすると人死にが出る。


 「何故だい? ワイバーンは中で飼ってるんだろう?」


 「中の魔力が多すぎるのよ」


 そうだ、マーヤがスタンビートで魔物を神域に入れて退治した件を話そう。


 「マーヤがね、ダンジョンの魔物を空間収納(神域)へ入れた事があるの」

 「7級の魔物も居たそうだけど、空間収納(神域)に入れた途端魔石を残して死んだそうよ」

 「ワイバーンが生きて行けるのはマーヤが魔力に馴染むように改造(神石生物化)したからよ」


 私の説明に驚いた様だ。またまた黙り込んでしまった。やがて納得したように頷いた。


 「そうだったのか、ワイバーンが君の空間収納に帰りたいと言ったと聞いた時、不思議に思っていたんだ。」

 「魔力の多い場所へ帰りたかったんだな。」

 「でもラーファはその魔力が多い空間で平気なのかい?」


 「私は平気 だってマーヤを育てながら生活していた空間なんですもの」


 「そうかエルフと人族の違いを魔力の環境で実感するとはエルフらしいと言えばエルフらしいね。」


 ビェスはエルフだから魔力が多くて神域に入れると誤解している様だ。


 「ダキエに残っているエルフが空間収納(神域)に入ってもやっぱり死ぬでしょうね」

 「今では私とマーヤだけに成ってしまったけど、妖精王の血を引くから魔力が多い性だと思うわ」


 「妖精王の血? ラーファはエルフじゃ無いの?」


 ビェスは私の言い方が悪くて混乱してしまったようだ。

 あわてて説明した。


 「あのね説明すると、私は元々は妖精族だったの」

 「それが前の夫と結婚した時にエルフに変異したのよ」


 そうだ変異の事を詳しく言っておかないと訳が分からなくなってしまう。


 「変異とはね、妖精族だけが持つ能力で結婚した相手の種族に成る事なの」

 「一度変異すると2度と変異できなくなるわ、私みたいにね」


 「ちょっと待って、それじゃなにかい、ラーファは元々は妖精族で、結婚したからエルフ族に成ったの?」


 そして思いついた事を口に出した。


 「もしかしてラーファって妖精族の時は子供の姿だった?」


 誰でも妖精族の姿は樹人の3種族の一つだと知っている。巷には樹人の姿について書かれたおとぎ話の本があるくらいだ。

 思い出したくないけど、ビェスには言っておかなければならない。


 「まぁそうね 人族の10才位の体形だったわ」


 「ラーファの前の夫の事は知らなかったけど、今は感謝してるよ、まさか10才の女の子と夜の事なんかできないからね。」


 「まぁね 私も今の姿にありがたみを感じてはいるわ、前の体形では私も不満があったから」


 ふと思った、全然忘れているけど、前の夫は結婚初夜で子供の体形をした私と夜の秘め事をしたのだろうか?

 忘れよう。そう忘れている今が幸せなのだと実感した。


 「前の夫の事は、実は私には全然思い出せないの、その事情も話すわね」


 ちょっと深刻な話になると思う。ビェスは私の顔を見て身構えた。


 「なんだか深い事情がありそうだね。」ビェスには私の話をどう受け止めるだろう。不安が湧いてくる。


 話そうとして、彼の方の事は話せないと思っている事が分かった。仕方ないので真実に近い事を話す事にした。


 「実は、私はマーヤを産んだ時、一度死にかけたの」

 「ダキエの聖樹の変はオウミで聞いた事があると思うけど」

 「聖樹の変で焼けてしまった聖樹から、命からがら逃げ延びた私はル・ボネン国へ海を渡ってたどり着いたの」


 小さなボートで1月の北の海を渡るのは命がけだっただろう。ラーファはその時の事は朧気にしか覚えていないけど、寒かった事だけははっきりと覚えている。


 「ル・ボネン国で私を捕まえようと追いかけて来る謎の集団から、逃げるため闇の森ダンジョンへ逃げ込んだけど、闇の森ダンジョンは歩くだけでも大変だった」


 結局その時の疲労が、出産時のイスラーファの死亡へ繋がったのだと思っている。


 「後で謎の集団はロマナム国に雇われた傭兵だと分かったけど」

 「その時は分からなくて、誰が何の目的で襲って来るのか、とても不安だったわ」


 初めて人を殺したのもこの時だった。過剰な反撃に出たのは不安が原因だった。

 今でも当時の心理状態は異常だったと思ってる。


 「私はダキエを出る前にマーヤを妊娠しててね」

 「闇の森ダンジョンを二月も彷徨ってた」

 「その間に、お腹がだんだん大きくなって行くのが不安を増長させたの」


 思えば闇の森ダンジョンに入る前から精神的に病んでいたのかもしれない。


 「オウミ国まで出た時、産気付いてしまって」

 「やっとの思いで見つけたのが洞窟だったの、そこでマーヤを産んだのよ」


 闇の森ダンジョンの端で見つけた洞窟。ただただマーヤを産む為だけに気力を振り絞って産屋を整えた。


 「何も見え無い暗闇の中デコボコした砂地に、それまで羽織っていたマントを下に引いて、その上にマーヤを産み落としたの」


 今でもうっすらとその時の情景が思い出せる。全てが生まれ変わった洞窟だった。私とマーヤが生まれた場所なのだから。

 ここから私の創作する部分になる。ほんとうの事は心理的な障壁がある様でどうしても言えない。


 「しばらくしてマーヤの鳴き声で気が付いたけど、自分で診察して死にかけてることが分かるぐらい消耗してたの」

 「恐らくその時だと思うけど、ダキエの事、特に夫の事やダキエの聖樹の変について記憶を失くしている事に 気が付いたのはだいぶ後だったけど」

 「未だに何も思い出せ無いから、恐らく今後も思い出す事は無いでしょう」


 長々と話したけど、ビェスは真剣に聞いていてくれた。


 次回は、いよいよマーヤに会いに行く件を相談します。

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