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傲慢な男らと意固地な女  作者: 迷子のハッチ
第4章 王妃として
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第52話・4 新たな日常(4)

 蓋をした記憶の断片は、ほとばしる、体の奥、逝って、跨った、かもしれません。

 ラーファの新たな日常は朝から始まる。

 夜も更けた頃、ビェスが部屋にやって来て、寝てる私をじっくりと鑑賞して楽しんだようだ。


 ビェスが居るのに気が付き、起きたのは朝だった。ビェスも疲れていたのかその日はグッスリと寝入っていた。

 ビェスが起きたのは、既に私が起きてしばらくしてからだった。


 「おはよう、ラーファの寝顔は可愛かったよ!」


 いきなりの問題発言に朝の挨拶を返す場合じゃあ無くなった!!


 「ビェスは寝ている私を見たのですか?」


 「当たり前だろう 私が来た時は寝てたんだから。」


 それでも寝顔を見られるのは恥ずかしいではないですか!

 いったいどんなだらしない顔で寝ていたのか分からないのですから。


 「恥ずかしいから見ないでください!」顔が火照ってきました。


 「はははっ 無理だね! じっくり鑑賞させてもらった。」


 恥ずかしさで恐らく顔が真っ赤になっている私に、ビェスが手を伸ばしてきた。


 「えっ!」気が動転していた私は無防備だった。


 「見てるだけで我慢するのはとんでもなく辛かったんだ!」


 ビェスの手が顔から夜着へと降りて来た。


 ビェスの手が私の夜着を脱がせていく、朝の明るい光の中で私の一糸まとわぬ姿を晒すのは恥ずかしい。でもだんだんと、私のあられもない姿をビェスが見てると思うと、私はもっと見てほしいと思ってしまう。


 その朝の私はビェスの求めに応じる事で、その場の勢いと言うか騎虎の勢いとやらで暴走してしまった。


 ビェスに●●●まま気が●●●しまい、ビェスの●●●●●情熱を●●●で感じながら体力が尽きてしまった。(あまりに恥ずかしいので記憶に蓋をしました byラーファ)


 二度寝から起きた後、思い出して体中真っ赤になったまま、しばらく体が火照って仕方がなかった。


 朝のビェスからの熱烈な行為に少しは慣れたのか、ビェスが部屋を出た後セリーヌにあられもない姿で介抱されるのは変わらないけど、体力と諸々の痕跡は回復魔術の行使で回復出来るようになった。

 魔力の枯渇は変異したからだったので、魔力が枯渇して回復魔術が使えないなどと言う事態は無くなった。


 ビェスとの行為の後、私たちの寝たベッドには色々な跡が残る。

 昨日は動けなくてシーツを汚してしまった。今日も結局シーツは汚れて変えなければならない。


 セリーヌに聞いても対処の方法は知らないそうだ。汚れるのは仕方が無い事だとしか言わない。

 セリーヌも顔が少し赤いので経験が無いのかもしれない。


 昨日と違って体はしゃっきりとしているけど、なんとなく気怠さが残っていた。

 ふと、湯殿から帰って来て昨日のコーヒーを入れる匂いを思い出した。


 ビェスとの初めての夕食で飲んだ苦さと香りが、気怠い今なら飲むとしゃっきりするような気がする。朝は紅茶よりもコーヒーの方が目が覚めて良さそうだ。


 コーヒーを飲んでいると、朝のベッドの中での事が思いだされる。

 恥ずかしいだけで嫌じゃ無いのは、私も受け入れている事だからだろうか?


 其の内積極的に私から彼に”して”と言っていくのだろうか?

 顔が熱く成りすぎるので考えるのを止めた。


 そんな熱い思い出よりしなければならない事がある。ビェスにお願いされたキーグでのパスト市の遊覧飛行だ。(遊覧じゃあ無くて示威(じい)飛行 byマーヤ)

 エッ マーヤ何時から念話が繋がっていたの?


 『キーグの飛行の事を考えていた時ぐらいから、何やらしなければって念話が来た』

 『新婚だからと言って、娘をほったらかしにしないでね』


 『そうよね、悪かったわ、反省してマーヤと過ごせるようにビェスを説得するわ』


 良かったその前で無くて、知られたら恥ずか死するわ。


 マーヤがわざわざ言ってくるのだから、ビェスに3日に一度ぐらいはマーヤに会いに行く事を納得させなければ。

 再びマーヤがこの前みたいにスネたら、私には対処の仕方が分からない。そうならない様に、マーヤとの時間を一晩取る事をビェスに納得して貰わなければ。


 公開治療を行った翌日、朝昼の2回、キーグに騎乗してパスト周辺を低空飛行した。市民に竜騎士の存在を印象付けられると良いのだけど。

 空からパスト市を見れば地図で説明を受けるより位置関係が良く分かる。


 人々が竜騎士の飛ぶ姿を見て、今は驚いているけどやがては頼もしく思ってくれると良いなと思っている。


 朝と昼すぎの2回飛行した後、キーグをその度に神域へ帰した。キーグは此の飛行を私との新しい遊びだと思っている様だ。

 其の内飛行する範囲を広げ、郊外や王領の中を見て回りたいものだ。そう言えばゴドウィンの貰った漁村はその後どうなっているのだろう?


 私が持っている金貨はオウミ金貨だけど、パスト金貨とほぼ同じだと聞いているので千枚ぐらいなら渡せると思う。今日にでもセリーヌに連絡を入れさせよう。


 トマーノの方はセリーヌに連絡をしていて、魔石が揃い次第お伺いすると言って来ている。

 どうやら魔石の買い付けでパストを離れている様だ。今、処分したい魔石を大量に持っている辺境領群のエバンギヌス子爵の所だろう。


 昨日の公開治療の後、再び広場に展示されている空ポーションは、今年いっぱいと言っても今は12月なので、年末の日に豪華な式典を行って展示を終わらせる予定だとビェスから聞いてる。


 ビェスと打ち合わせる事柄が沢山ある。魔女活動の事、マーヤに会いに行く事。人材を探す事など色々あり過ぎて、夜の会話だけでは足りません。

 今日の昼は、ビェスは忙しくて私の部屋にこれませんでした。私もキーグに乗る時以外は部屋から出ない様にしていました。


 キーグに乗るため最初に着陸した王宮の庭に出る時も近衛兵に周りを固めて貰って行って帰ったぐらいですから、ビェスも私の周辺を厳重に警備しているようです。


 さて、今夜ですが、最優先はマーヤに会いに出かける事の許可を貰う事にしようと思います。

 マーヤとゆっくり過ごすためなら、少しぐらいビェスの説得に難儀したとしても、何とか説得するつもりです。


 ただ神域を私の空間収納だと嘘を言ってるのが、心苦しいのです。

 神域は彼の方の物をマーヤが引き継ぎ、母だからこそ私も使えるのだと思っています。


 今では、マーヤが神域を完全に支配している。だからこそ神域を自由にする事ができるのだと思います。

 私は彼の方から許可をもらっただけの仮の主、やっぱり秘密にしなければならないと思う。


 キーグの送り迎えをする時に私の魔法(スキル)だとセリーヌたち(侍女と近衛兵と厩番の人たち)に説明してる事は、ビェスもどこかで聞いていると思います。

 マーヤの件も有ったので、今夜ビェスに私からその説明をする事にした。


 夕食をビェスと共にした時、「夜に今後の事でビェスに承諾してほしい事があるので、話し合う時間を作ってほしいの?」とお願いした。


 「ラーファと今後の事は私も一度しっかりと話し合う必要を感じていた所だ、今夜早めに行くよ。」


 ビェスも打ち合わせたい事がある様です。


 その夜、夜4時(午後9時)ごろ部屋へやって来たビェスに空間収納(神域)を見せた。


 次回は、ビェスに聖樹の変からの経緯を話します。

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