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傲慢な男らと意固地な女  作者: 迷子のハッチ
第4章 王妃として
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第42話 王都パスト(2)

 ビチェンパスト国到着迄の経緯。

 キク・カクタン国崩壊の日から3日後、ゴドウィンたち海賊船団はキク・カクタン国を離れた。


 直ぐに出なかったのは、出航準備や乗船させる人の人選に手間取ったからだ。

 ぶっちゃけ、妻や子に奴隷を連れて行きたい人が多くて誰を乗せて誰を残すか混乱したのだ。

 ゴドウィンが船団の身内を一纏めにして、郊外へ避難させる事で混乱を治めた。


 ゴドウィン自身も、自分の子供を乗せたかったようだ。結局混乱を治めるために、今回船に乗るのは船員だけとして、残す家族は亡命が出来てから迎えに来る事にした。

 郊外へ避難する船団の身内は女性を中心に小さい子が多い。そのため身内を守れるように、一部の船員を同行させている。


 最悪の事態まで考えれば、国が内戦状態になり巻き添えで死ぬ事も考えられる。現に王都は中枢の壊滅で治安を守る組織は無くなり、自衛する人たちが団結して守っている状態にまで落ちている。

 ゴドウィン船長は残して行く船団の身内を、王都の郊外に持っている要塞兼別荘に移して、其処を拠点にして籠るようだ。


 要塞は御使い様とやらの別荘だったそうだけど、ゴドウィンは部下だったので、未払いの賃金代わりに貰い受けたそうだ。(乗っ取ったを優しく言ってるだけね byラーファ)

 オアシスを城壁で囲った別荘だそうで、水も在り、農地も在る場所だそうだ。


 其の要塞化した別荘に、最終的に三千人以上になる船団の身内を移動させている。

 人数的にも、簡単には襲われないと考えている様だ。


 ゴドウィンはビチェンパスト国への亡命さえ成功すれば。避難した身内をビチェンパスト国へ引き取れると思っている。(恨みを買っている自覚はある様なので、亡命と言っても海賊団がそのまま丸ごと移住する事は、無理じゃないかな? byラーファ)


 出航する直前まで王都で大きな混乱は見られなかったけど、支配層が全滅した事を受け、新しい統治者が決まるまでゴタゴタが続くはずだ。

 最悪どこかの勢力が攻めてくることも考えられる。

 ゴドウィンとしては、なるべく早く亡命が出来て、皆を迎えに来たいと考えている様だ。


 ゴドウィンには、船に付いて行く事は伝えていたし。私の代わりにゴブリンのゴーレムを船尾の邪魔にならない場所へ置いている。

 何かあった時のため笑い猫の使い魔は何時でも召喚できるし、ワイバーンのキーグは神域で呼べば出て来てくれる。

 ビースィはマーヤが何時でも呼び出せるように待機させているから、私はキーグの方になる。


 出航して船内のゴタゴタが落ち着いた頃を見計らって、ゴーレムでゴドウィンに話しかけた。

 「ゴドウィン少しお話したいんだけど、あなたの都合は良いかしら?」


 「おう! 何時もながらいきなりだな。」


 「動かねぇと慣れたが、動くと不気味だぜ!」(小声だったけど、ゴーレムの耳は性能が良いんだからね全部聞こえているよ byラーファ)


 船尾で考え込んでいる様なので話しかけると驚いた様だ。悪口は聞き流してあげるよ。

 「イスラーファ様との話し合いなら、何時でも都合付けるぜ。」


 調子よく、気軽にゴーレムに近寄って来たので、話しかける。

 「聞きたいのは、この後の予定についてなの」


 「そうだな、既に連絡用の船は出したが、お互い海の上の事だから見つかるかは運しだいだ。」


 この3日の間に何隻か港を出て行ったけど、連絡用の船が混ざっていたのは気が付かなかった。

 「その連絡船? が戻るのは何時頃なの?」


 「さあな、もう少し掛かると思うが、知り合いの内誰と繋ぎが取れるかわからん。」

 「仕事(海賊)するなら海の上で待ってれば良いが、今回は相手との会合だからお互いに都合が付くかどうかさえ分からん。」


 ゴドウィンが一歩ゴーレムに近づき。

 「それよりイスラーファ様、そろそろゴブリン人形じゃなくて、御姿を見せてくださいませんか?」


 「私は、今の方が快適だから、ビチェンパスト国に着くまで、このままゴーレムで連絡をするわ」


 私の答えを聞いて、ゴドウィンが少し困った顔をした。

 「ええとですな、伝手と連絡がついて話し合う時、イスラーファ様に顔を出していただきたいのですが、いかがでしょう。」


 「海賊船が話し合う相手って、やっぱり海賊なの?」ゴドウィンみたいな相手しか思いつかない。


 「いえいえ、相手はちゃんとした商人ですぜ、海賊と伝手が在ると色々便利なもんですから、お察しくだせぇ。」


 お察ししろと言っても、ゴドウィンだと「襲わないから、お目こぼしに商品や人を置いて行け。」じゃあないかなぁ。


 「まぁ、話し合いに顔を出せって言うなら、出しても良いけど、話すのはシリル語にしてよね」


 「分かりました、シリル語は相手も使う言葉だから問題無いですぜ。」

 「この話が上手く行けば、ビチェンパスト国へ俺たちは船団丸ごと移る積りだ。」

 「砦に残した家族も、迎えに行って一緒に住む積りなんだぜ。」(それは聞きました byラーファ)


 「俺らがビチェンパスト国で住まいを得れば、家族全員引っ越す事も出来るから、何だったらイスラーファ様に仕えても良いぜ。」

 「船が大小合わせて10艘、家族を会わせると5千人からの人数になる。」


 何を寝言言ってるのかしら、一人でビチェンパスト国へ人探しに行こうとしているだけの人間に5千人もの人を養える訳がないわよ。

 「そうね、今の私には養える人数じゃないけど、ポーションでも売れたら考えてもいいわ」


 「おお、魔女の薬以外にもダキエの神秘、秘宝ポーションを作れるんだったな!!」


 なんだかゴドウィンが考え込んでいます。こんな時はゴドウィンが生き生きとしているようで、悪人ずらが、子供の様に楽し気に見えて不気味です。


 まぁポーションを作って売り出せば大金が手に入るけど、魔女の薬を売り出す方が先だよね。


 ゴドウィンは6日後にトマーノと言うビチェンパスト国の武装商人と会う事が出来た。


 次回は、パレードの続きから。

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