表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傲慢な男らと意固地な女  作者: 迷子のハッチ
第4章 王妃として
104/114

第59話・5 ビーザの戦い(5)

 ラーファはカトリシアとニコレッタをキーグに乗せてビーザ砦へ戻る。

 昨日、マーヤから貰った魔女薬はビーサ砦で使う事を考えて、在庫から初級回復薬を五百箱と初級傷薬を千箱を譲り受けた。

 ビーザ砦へはキーグで行くけど、マーヤから貰った魔女薬は荷物としては大きいので神域に入れたまま向こうで出す予定だ。

 問題は、私が今日の内にパストへUターンして帰らないと色々不味い事になる点だ。


 戦費の調達で、パスト市の商人から臨時に税を徴収する事になって、彼らの集まる会合で挨拶する予定が在る。

 この会合は、出来るだけ早く行いたいと無理やり早めて都合を付けさせたのは私だ。

 同じ会合で王家が貯めている財貨の放出も話し合われる、代理王が出なければ商人にそっぽを向かれてしまう。


 物資の調達も資金の裏付けがあってこそと言える。

 そう言った意味で、この会合に集まる商人との顔合わせはとても重要なので欠席できない。


 考えた結果、キーグと共にビーザ砦へ行くのはカトリシアとニコレッタを連れて行く事にした。

 セリーヌはパスト市の商人に知り合いが多いから、会合の段取りをして貰っている。


 カトリシアとニコレッタの用意のため4コル(1時間)後の昼6時(午前11時)に出発する事にした。

 私も準備をするけど、荷物のほとんどは神域に置いてあるので時間はある。

 その間にビーザ砦の様子を確認する。


 使い魔からは、投石器の組み立てが昼7時(午後0時)にも終わると知らせが在った。

 組み立てが終わっても組み立てた場所から投石する場所へ移動する必要があるので、直ぐに攻撃される訳では無い。

 それでも急いだ方が良いだろう、二人をビーザ砦に残して帰るには投石器を潰しておかないと安心できない。

 二人には魔女薬を使って負傷兵の手当をお願いしている。


 セリーヌに私がビーザ砦に行っている間に商人との事前打ち合わせを行うように言った。

 大筋での同意は出来ているが、細かい点は話し合う必要がある。


 神域の出入り口に魔女薬の箱を大袋へ詰め込み何時でも出せるように用意した。

 用意もあるので早めに飛行場へ向かった。


 飛行場へ着くと、神域からキーグと竜具を出して厩番の人たちとキーグへ竜具を取り付ける。

 厩番の人たちが竜具に慣れて来たのか、私が最後の確認をしてもやり直す必要が無かった。


 時間前にやって来たカトリシアとニコレッタにトイレに行ってるか確認して、キーグに乗せ3か所の安全ベルトで落ちないように締めた。

 落下防止は肩からクロスしたベルトと腰と鐙部分も抜けないようにベルトで固定している。

 万が一の脱出用魔道具(マーヤ謹製飛空魔術付与の降下用魔道具は落下防止用の安全ベルトと一体化している)を確認して私も前に乗る。


 今が昼6時(午前11時)ちょうどぐらいだから急げば着くのは昼9時(午後2時)ぐらいだろう。

 投石器を攻撃してとんぼ返りに帰れば夜1時(午後6時)までには帰れるだろう。

 パスト市の商人たちとの会合は夜3時(午後8時)からだからかろうじて間に合う計算だ。


 キーグの負担が大きいけど、戦闘機動を出来るだけ短くして疲労しないように注意すれば大丈夫だと思う。

 王宮の飛行場を飛び立ち西へと少し早めの巡航速度で飛ぶ。

 初めて飛行する二人にはマーヤに約束した風の結界を練習で行使して見た。

 何回か練習していたおかげで風除けぐらいの結界だと3人を包むように展開出来ている。


 キースも結界が張ってある方が飛行が楽だと念話してきた。

 理屈は分からないけど、キーグの飛行がしやすくなるのは歓迎できる。

 魔力は持つのでビーザ砦までこのままで行く事にした。


 何時もより倍近い巡航速度で飛行を始めたので、1刻(2時間)ほどで着くだろう。

 時間も有るので出来るだけ情報を得るため使い魔から送られてくる知らせに注目した。


 キリアム侯爵側は投石器を組み立てて攻撃するのに全力を挙げて急がせている。

 投石器は材料の木材やロープに玉になる石を集める事から始めなければならず、攻める場所近くまで材料を運ぶ事から行わなければならなかった。

 やらねばならぬ事は多かったが、投入する人数は多い。


 最初の投石器が組み終わる頃、2台目の投石器の組み立てがすぐさま始められた。

 投石器の進む道も整備が進められ、最初に組み立てられた投石器はゆっくりと進み始めた。


 最初の投石器はビーサ砦の西に到達し、直ぐに投石を始めた。

 撃ち出された石は一度に30個ほどだったが一つ一つの大きさは拳より一回り大きかった。

 それらの撃ち出された石は大きな弧を描き西門の壁にぶつかった。


 次に撃ち出された時は西門の上部に当たった。


 キリアム侯爵の投石器が動き始めました。

 次回は、ラーファのビーサ砦到着です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ