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傲慢な男らと意固地な女  作者: 迷子のハッチ
第4章 王妃として
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第59話・2 ビーザの戦い(2)

 ビーザ砦の状況とパスト市での色々。

 昼7後(午後)にサインした書類は侍女たちが既に役人へと配り終わっています。

 今は溜まっている書類を侍女たちが確認している最中です、明日私が処理します。

 侍女たちが書類を見ている間に、ビェスからの手紙を読みます。


 ビェスからは、1通の手紙と伝令が在った様で、伝令の報告は明日ボーダマン近衛長官と一緒に聞きます。

 ボーダマン長官は既に報告は聞いているそうなので、急がせないのは明日でも良い事なのでしょう。


 ビェスからの手紙は、エバンギヌス子爵の立てこもる城館を攻めるため、エンビーノ男爵や他の辺境領主たちとこれから合流すると書かれていました。

 内容は短い物でしたが、最後に”愛するダキエの姫へ”と結んでいました。


 私からのビェスへの手紙はビーサ砦での防衛戦の事を書きました。

 両出城の戦いの事や、キーグで空から投石器を破壊した事などを書きましたが、本当に書きたかったのはビェスが居なくて寂しいとか会いたいなどです、書けませんけどね。

 ですからビェスと同じように”愛するビェスへ”と最後に書き込みました。


 明日伝令と会って報告を聞いた後で彼が帰る時、トラント将軍の報告書や私の手紙を持って行って貰いましょう。

 手紙を書き終わり、今日の分の書類整理も終わったので、仕事を終わります。


 使い魔からの情報もビーサ砦を出る時確認した内容からさほど変わりはありません。

 良い話として、投石器の準備が遅れているらしいと連絡して来ています。

 どうやら、竜騎士の攻撃から逃れるため分散した事が仇になって必要な物が何処に置いてあるのか分からなくなっているようです。

 ビーサ砦もこの様子だと明日の攻撃が在ったとしても投石器は間に合わないでしょう。


 この後は侍女たちとお茶会(締めの会)を行います。


 お茶会(締めの会)と言うのは、私が侍女達と世間話をするだけの席なのですが、思わぬ情報が聞けたり、侍女の困ってる事や身の周りで起こる事柄を知ることが出来ます。

 侍女たちも積極的に世間話を話してくれます。

 ちょっとした気づきや世の中の動きが話している中から浮かんでくることも多いのです。


 何時もでしたら夕食後に書類仕事などしません。

 お茶会(締めの会)は昼10時(午後3時)ごろ侍女たちと同席してするのです。


 ですが、戦時中と言う事で仕方ありません、今日は残業で夕食後に書類仕事をする事になってしまいました。

 そのためにお茶会も夜4時(午後9時)と言う遅い時間ですがします。

 しないなんてことはあり得ません、頭を使った仕事の後はやっぱり甘い物が必要なんです。


 侍女たちと世間話をしながらお茶を飲む時には、当然美味しいお菓子が付きます。

 今回夕食後なので私の前にもお菓子はありますが、残念ですがお茶だけ飲む事にします。

 普段から私は、夕食後に歯磨きをして朝まで食べ物は口にしません。

 私がお菓子を食べ無いのに自分たちだけが食べる分けにはいかないと、侍女たちは遠慮してましたが、私の強い希望で食べて貰います。


 侍女たちも仕事終わりにお茶会(締めの会)をする事は今まで毎日やってる事なので慣れてます。

 最初の一口を私が飲む事でお茶会(締めの会)が始まります。


 「私が居なかった間何かありましたか?」お茶会の始めに侍女の皆に聞きました。


 「キリアム侯爵の船団に乗っていた者たちで捕虜になった者が港に送られてきました」


 カトリシアが直ぐに反応して、海戦後に海を漂っていた乗組員について知らせてくれました。

 捕虜がどのくらいいるのか分かりませんが、これも出費が掛かる物件ですね。

 詳しい報告は、明日ぐらいに上がって来る事でしょう。


 「戦が終わるまで捕虜にした乗組員を収容する所を作らなければなりませんね」

 「経費がどのくらいかかるのかしら?」


 今日も美味しい紅茶を入れてくれたニコレッタが、経費の心配をしています。


 「きっと大丈夫よ、捕虜の中にはお金が取れる貴族や大商人の関係者が居ると思うわ」


 カトリシアが捕虜の身代金について話していますが、今回は内戦だから終わったらキリアム侯爵領の貴族や大商人はほとんど没落すると思う。

 身代金は誰も取れないでしょうね。


 その後の話はもっぱら今日のビーサ砦での事が中心で、セリーヌは治療の件を私は両出城で行った戦いを侍女たちに話した。

 その日は遅いことも在り、お茶会は早めに終わる事にした。


 私も疲れていたけどマーヤが神域の家に帰っていたので、自室へ引っ込んだ後 部屋から神域へと入った。

 神域でマーヤと会ってお互いの今の状況などを話し合った。


 マーヤは闇魔術師討伐隊のメンバーに闇魔術師に協力する人が居たと話してくれた。

 これまでもおかしな事故や襲撃が在って密かに調べていたそうだ。

 ただ、裏切者が分かっても処罰する事は難しくて闇魔術師討伐隊から除名するぐらいしかできなかったらしい。


 まぁね、王族から参加者を募って作られた闇魔術師討伐隊と言う事なので除名するぐらいしかできないのは仕方が無いよ。

 私なら分かった時点で()ちのめしているね きっと。


 今、マーヤたちは闇魔術師を追って川下りをしているそうだ。

 裏切者が情報を漏らしていたため対応が後手後手になって、スタンビードの被害も結構出ているらしく、魔物の掃討戦に苦労していると疲れた顔で言っていた。


 私は今日の事を話したが、マーヤからは地上で戦うのは危険だからやめてくれと言われてしまった。

 確かに今日は矢狭間から矢が飛び込んで来た事はあったが、誰にも当たらなかったし十分注意して行動している。


 マーヤに大丈夫だからと言っても納得しないので、矢除けの結界を張って行動するからと約束したら、やっと納得してもらえた。

 矢除けの結界を小さく行使するのは難しい、大きく結界を行使する方が魔力は使うけど魔術の操作は変わらない。

 自分の周囲にだけ矢除けの結界を行使する方が魔術操作はより複雑になる。

 マーヤと約束した以上できるだけ小さい範囲の結界を行使できるように頑張るしかないね。


 マーヤは魔物の被害に遭った人たちを治療するため、魔女薬を大量に作ったと言っていた。

 まだ在庫は沢山あるとの事なので、負傷者の治療で魔女薬が心もとない私は神域のマーヤの工房で作られている魔女薬を大量に譲って貰った。


 時差はマーヤが西へと動いているため少しづつ大きくなっている、今は4コル(1時間)ぐらいだがミュリネン国に居た時は、日没が2コル(30分)ぐらい遅い程度だったので無視していた。

 神域の時間で夜6時(午後11時)にマーヤと分かれて王宮へ帰る事にした。


 ビチェンパスト国で夜7時(午前0時)頃、王宮の自室へ帰り、疲れも有って直ぐに寝た。


 次回は、ビーサ砦へ鬼の居ぬ間にキリアム侯爵軍が攻撃してきます。

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