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逆行した公爵令嬢!2度目の人生は絶対に失敗しないことを誓う  作者: Karamimi
本編

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第53話:完全に油断していました

ミルフィーユを堪能した後は、もう少し街を歩いてみて回った。お父様が随分改革をしただけあり、治安もすっかり安定している様で、ところどころに強面の男性が護衛服を着て立っている。この人たちがお父様が言っていた護衛たちね。しっかり仕事をしている様で、安心したわ。


その時だった。小さな男の子が泣きながら話しかけて来た。


「お姉ちゃん、僕、迷子になっちゃったの!お母さんを一緒に探して」


「まあ、可哀そうに!レオ、この子のお母さんを探してあげましょう」


「そうだな!お前、名前はなんて言うんだ?」


「ヴァンだよ」


「ヴァンか。よし、俺たちがお前のお母さんを探してやるからもう泣くな」


そう言って、ヴァンを肩車したレオ。本当にレオは優しい。


「わぁ~、高い!」


そう言って喜ぶヴァン。私たちはヴァンのお母さんを探す為、街を歩き始めた。


「ねえ、お兄ちゃん。お母さんとはぐれた場所に行けば会えるかもしれない」


「ヴァン、お母さんと離れた場所を知っているのか?」


「うん、わかるよ」


レオがヴァンを降ろすと、急に走り出したヴァン。私たちも急いで後を追う。


「こっちだよ、お兄ちゃん、お姉ちゃん」


そう言うと、人けのない細い路地へと入って行った。


「ヴァン、そっちは行くな!」


レオが慌ててヴァンを止めようと走り出す。


「ほら、やっぱり居たよ」


路地の奥には、女性と体格の良い男4人が居た。


「どうだい?言われた通り連れて来たよ」


嬉しそうにヴァンが女性に話しかけている。


「ご苦労だったね。それにしても、イケメンだね。こんないい男を殺すなんてもったいないね」


殺す?何を言っているの?


「ミシェル、どうやら嵌められたようだ。逃げるぞ」


私の耳元で囁くレオ。急いで来た道を引き返そうとするが、そこにも体格の良い男4人が待っていた。


男たちは、ナイフを持っている。この光景、あの時と似ている。1度目の生の時、レオが私を助けるために、騎士たちと戦った時と…


「レオ、嫌!死なないで!ねえ、あなた達、お金が欲しいのでしょう?お金ならいくらでもあげるわ。だから、どうか見逃して!ほら」


ありったけのお金をその場にばらまいた。


「うわ、これは大金だぞ!」


そう言って、一斉にお金に群がるヴァンと男6人。


「ちょっとあんた達、そんなはした金に目をくらませてどうするのよ。とにかく、この男を殺しなさい!」

女性の言葉を聞き、お金を拾っていない男2人がレオに襲い掛かった。


「レオ!」


怖くて全く動けない私は、レオの名前を叫ぶことが出来ない。嫌!止めて!血だらけで倒れるレオの姿が、フラッシュバックする。


そんな私をよそに、レオは


「男2人で俺に勝てると思うなよ!」


そう言うと、腰に付けられていた護身用の棒を取り出し、いとも簡単に男2人を気絶させた。さすがレオだわ。強い!


「今だ、逃げるぞ!」


私の手を掴み、一気に走る。後ろから


「逃がすな!捕まえなさい!」


と、女が叫んでいる声が聞こえる。必死に走り、何とか人通りの多い場所へとやって来た。近くにいた警護の男性を捕まえ、今あった状況を説明するレオ。


警護の男性が仲間と共に、急いで細い路地へと向かって走って行った。


「ミシェル、大丈夫か?」


恐怖とパニックから震えている私を抱きしめるレオ。動けない私を抱きかかえ、馬車へと向かう。


「怖い思いをさせてしまって悪かったな。今日はお前と2人きりで出掛けたくて、護衛を連れて行かなかったからな。それに、ある程度なら俺1人で対応できると思ったんだ。まさか、あんな奴らに狙われるなんて。でも、ミシェルが無事でよかったよ」


そう言うと、にっこり微笑むレオ。


違う、悪いのは私だわ。あいつら、レオの命を狙っていた様だった。きっと、第二王子に依頼されたのだろう。せっかくレベッカ様やシュミナが色々動いてくれていたのに、領地なら大丈夫だろうと完全に油断していた私の責任だ!


あんなにもレベッカ様が油断するな!って言ってくれていたのに…

せっかくシュミナに紹介してもらった影の護衛騎士も、領地には連れてこなかった。本当に、何をやっているのかしら。


そう思ったら、涙が止まらない。


「ミシェル、泣くなよ!怖い思いをさせて、本当に悪かったよ。ほら、馬車が見えて来たぞ」


レオに抱きかかえられている私を見て、馬車で待っていた騎士やレオ専属執事、ルシアナが飛んできた。


「坊ちゃま、何かあったのですか?」


「ああ、さっき細い路地で、男たちに襲われたよ。きっと今頃護衛に捕まっている頃だ。悪いが、屋敷に戻ったらその件で話がしたい。そこのお前は、俺たちが襲われたことを護衛団の本部に伝えて、対応した護衛を屋敷に連れて来てくれ」


「男に襲われたですって!それで、お嬢様はご無事なのですか?お怪我は?」


ルシアナが真っ青な顔をしている。


「私は大丈夫よ。レオが倒してくれたから」


ルシアナにこれ以上心配かけたくなくて、出来る限り笑顔を作った。


「お嬢様、顔色が非常に悪いです。急いで屋敷に戻りましょう」


「そうだな。とにかく、屋敷に戻ろう」


そう言うと、馬車に乗せてくれたレオ。そのまま屋敷へと向かう。馬車の中で、レオが執事に今日の出来事を詳しく説明していた。


一通り説明が終わったところで、私は口を開いた。


「レオ、助けてくれてありがとう。あの時、完全に気が動転してしまってごめんなさい」


少し落ち着いて来たので、レオにお礼を言った。


「助けられたのはこっちだ。ミシェルがお金を投げてくれたから、敵が減ったんだ!ありがとう、ミシェル」


そう言って優しく頭を撫でてくれた。


「あの人たち、レオを狙っていたみたいね」


「そうだな。多分、俺が次期公爵になる事を嫌がっている奴にでも雇われたのだろう」


そう言って力なく笑うレオ。なんだか気まずい空気のまま、屋敷へと帰って来た。私たちの馬車を見つけると、嬉しそうに飛んで来るチャチャ。


「チャチャ、ただいま!」


チャチャを抱き上げると、顔を舐めて来る。


「ミシェル、俺は今から呼び寄せた護衛と話をする。お前はチャチャと一緒に部屋に戻っていろ。チャチャ、ミシェルの事、頼んだぞ」


そう言って、私を部屋まで送ろうとするレオ。


「待って、私もあの場に居た当事者よ。私も話に参加させて!」


このまま部屋でじっとしてなんていられない。せめて、話し合いにだけでも参加したい。


「わかったよ。それじゃあ、一緒においで」


レオに連れられ、執務室へとやって来た。執務室には既に執事や護衛騎士、さらに護衛騎士が連れて来た護衛団の責任者と思われる男性と、襲われた時レオが話をしていた護衛の人とその仲間も来ていた。


「スタンディーフォン公爵令息様、今回の件、誠に申し訳ございませんでした。あなた達を襲った奴らですが、2人の男を捕まえましたが、残りの者は取り逃してしまいました。捕まえた奴らに事情を聞くと共に、逃げた奴らを捜索しております」


護衛団の責任者が申し訳なさそうに話した。


「そうか、それで、男たちは何と言っているんだ?」


「それが、“近くの酒場で酒を飲んでいたら、女にもうけ話があると持ちかけられ、それに乗っただけだ“と話しておりまして…」


「なるほど、確かに女が男共を操っている様だったな。それに、俺たちを誘導したヴァンという子供も、どうやら仲間みたいだ。お前たちがあいつらの元へ向かった時には、子供は居なかったのか?」


「はい、子供はおらず、気絶している男2人のみ残っている状況でした」


レオが倒した2人ね。


「今回の件ですが、お金が目的の無差別というより、明らかにレオを狙っていた感じがしました。もしかしたら、裏でもっと大きな人物が動いている可能性があります。どうか、徹底的に調べて頂けますか?」


「もちろんです。次期公爵様を狙うなんて、とんでもない話です。徹底的に調べますから、ご安心ください」


私の要望に、力強く答えてくれた護衛団の責任者。でも、きっと第二王子まではたどり着かないだろう。とにかく今回の事件で、第二王子が既に動き出している可能性が高いという事が分かった。とにかく、今まで以上に警戒していかないと!

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